第18話 全員沈黙

日用雑貨店を出て私達は冒険者ギルドへ向かった。


「う~ん、今日はこれと言ってないなぁ。」とリアス。


やはりヒソヒソと冒険者たちが私達を見て話している。

すると、一人の男が近づき

「お前たち4人だろ?どういうイカサマ使ってるんだよ。

 教えろよ」と言うが・・・・・酒臭い。


こういうのって美香さん好きそうだなぁと思ってたら

案の定でした。


「教えてあげようか?なら金貨30枚ね。

 でもあなた貧乏そうね。昼間っから酒飲んでる暇が

 あったら働けば?あぁ、そういえば・・・

 どこの世界にもいるのよね。あんたみたいな酒ばっかり

 飲んでいる穀潰しが。パーティメンバーも可哀そう。」と。


「ちょっと綺麗だからと言ってなめんじゃねえ!

 ぶん殴ってやろうか!」とその酔っ払い。


「へぇ、ぶん殴れるんだ。どうせ安い酒なんでしょ?

 飲んでるの。やってみなさいよ、ほら」と

顔を前に突き出し左頬を男に向ける。


容赦しねえぞ!と男は言うと拳を握り殴りかかる。

美香さんは一瞬しゃがみ拳をよけると懐に入り


「タングステン製の」鋭利な唯タクトを男の

あごの下に突き出した。


「・・・刺すわよ」とマジで悪そうな目つきで言うと


・・・・本当に刺した。

男の口の中に下から突き抜けたタクトがキラリと見えた。

男は倒れこみ「ウガァガァツ」と声を発し床で

転げまわってる。


美香さんは爆笑。そして、男の腹を踏みつけ

「早く殴れや、こら」と。


冒険者ギルドに居た人たちが全員凍り付いた・・・。

いや、二人ほど笑っていた。・・・人間と猫耳族。


男は逃げる様に出て行った。


するとその二人が近づく。

美香さんは睨むと「次はあんた達?」と言った。

更にその二人は笑った。


「やるにゃね~。なかなかだったにゃ」と猫耳族の

少女?が言う。よく見ると居酒屋の店員だった。

「昨日はごちそうさまにゃ、うまかったにゃ」と

美香さんに言うと


「あらぁああ、昨日はこちらこそご馳走様」と

美香さん笑顔。


「みんな凍てついてるわよ、うけるけど」と

もう一人の人間の方。


「だめにゃシャルル、私達の方がおかしいのにゃ。

 慣れすぎてるにゃ、慣れって怖いにゃ」と

目を細め何かを想いながら話す猫耳さん。


「私はシャルル、こっちはスコティね」とあいさつ。

「私は美香よ、こちらこそよろしくね」とあいさつ。


というか、店員さんが何故ここにと、美香さんが言うと

「本当は冒険者にゃ、あそこはこの街に帰ってくると

 手伝うにゃ、賄いご飯炊食べられるにゃ」とスコティさん。


折角なのでと近くのテーブルで全員で話す。

一通り自己紹介をする。そして雑談。


「へぇ飛び級なのね、ランクAのクラス4かぁ、

一番楽しくて、一番モヤっとする時ね」とシャルルさん。


と言いますと?と私。シャルルさんは

「もうちょいでS、でもなかなか届かないS」と言うと続けて

「ボス級討伐でSを目指し依頼をかけるけど人が集まらない。

 逆に入ろうとしてもAなので足元を見られる」と。


ふむふむ。と私。

人集めかぁ、どうしようかなと思っていると


「この人数でもやるわ。ボス級。」と美香さん。

私たち全員美香さんを見る。目を見開き。

・・・そして口も開いた。


「その台詞、遠い昔を思い出したにゃ・・・」と猫さん。

シャルルさんは大笑いだった。


今パーティを組んでいる人がそれはもう、

美香さんにそっくりらしい。


今は秘境にもう一人と熱帯魚探しに行ってるらしい。

なんでも伝説の「虹色の出目金」の噂を聞いたらしく

釣竿持っていなくなったらしい。かれこれ4日。


勇樹君は「あれ?出目金って野生種いなかったはず」と

呟く。全員勇樹君を見る。目を見開き。

そして・・・口も開いた。沈黙。


二人は暇なので、この街で滞在し暇をつぶしてるらしい。

因みに、とランクを聞くと・・・。


「ランクなんて何年か前から無いにゃ」とスコティさん。

「あら、私はまだSSで残ってるわよ、スコがさぼりすぎなのよ」

と、ビールっぽい何かを飲みながらシャルルさん。


いつのまに・・・。ってかSS!猫さんも多分SS?


「じゃあさ、暇なら手伝ってよ、討伐。核とか全部あげるわ」

と美香さんが言うと、シャルルさんが相手は?と聞く。


「ファフニールよ」と鼻息荒く美香さん。

「暇つぶしにはちょうどいいわね」と答える。


「このパーティには回復が居ないのにゃ?」と聞かれた。

「大丈夫、ヤラレル前に殺るわ」と鼻息荒い美香さん。


ネコさんが目を細めた・・・・。


因みにと職を聞かれた。

「剣と盾の二刀流のリアスです」とキリリ。

「変なナイフ使いの勇樹です」とキリリ。

「包丁使いの美香よ」とキリリ。

「普通の魔法使いです」と私。下を向く。


沈黙が流れる。

・・・あかん、無理なアレだ。と私。しかし、


二人とも爆笑してくれました。

「おもしろそう、貴方たち気に入った。いくわ」と奇跡。


「回復いないの慣れてるわ、薬がぶ飲みよ」と

シャルルさんが言ってくださいました。

「いつものことにゃ・・・・」と目を細め

何かを想うスコティさん。


というかスコティさんは常に目が細かった・・・。


武器を取りに行くのでお昼ごろに

西門待ち合わせって事になった。


ま、まぁいざとなったら3人とも

いつもの武器で戦いをしてくれるだろうと

思ったが、一抹の不安。




あ、そういえばふたりの職を聞くのを忘れた。



そして翌日。

















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