第43話 神器

シナリオも何も紫の国の復興するさ。

エンドの事もあるしな。封印が気になる。


とバーボン様が言うと


よく、青の国の精鋭兵から逃げられたな、お前。

とアスティ様


勇樹君はミネルヴァの事を話す。ゆっくりと。


実際的に追い詰めたのは政務長官の息のかかった

者達だろうな、でなければルナティアが

そこまではしないだろう、とマルチネ様。


まぁよくわからないが・・・爆睡してたし私。

とも続けた。


確かに紫の国は金になるからな、

ヨダレが垂れるほどに。とハジメちゃん。


すると突然、

勇樹は魔剣を持ってる。とバーボン様。

全員が勇樹君を真顔で見る。


しかしバーボン様はさらに続ける。


残念ながら魔剣ではないがな。

打った奴は魔剣と思い込んでいただろう。


勇樹、ここから少しミネルヴァに対して

冷たい事を言うかもしれない。しかし事実だ。

それを含めすべてを判断しろ、お前が。

と前置きをして話す。


ミネルヴァが打ち直したという刀。

アレは魔剣ではない。ミネルヴァの

魔力と魂全てを注ぎ込んだだけのモノだ。


魔剣は魔に属する者しか作れない。

だからこの世界、あっちも含めで

魔剣を打てる可能性がある者は

エンドを含め、ウォッカ、ボルドー、そして

勇樹、お前だ。

サンテミリオンも打てたが、まぁしないだろう。


エンドが打った魔剣グラムはウォッカが折っちまった。

まぁそこに刺さってはいるがね。とルナティア様を見る。


ルナティア様はなにか不貞腐れたような感じで居た。


ウォッカは自分では打てない。

あいつは、打てないようにエンドにされている。

量産して売りさばかれたら溜まったもんじゃないからな。


そしてサンテミリオンの血を吸い魔族になったボルドー。

あいつは薄すぎる、血が。


勇樹はわからん。わからないものは言えない。


話は戻すが

ミネルヴァはその自身の刀を・・名前は 霧島 か。

霧島を託した。何故か。

そこがわからん。安直に考えると神を討つためだ。


普通考えるのであればこの世で神は創造神エアストだ。

という事はミネルヴァの敵はエアスト様だ。

ここに居るものは知っているがミネルヴァが

ルナティア様がエアスト様を封印してるとは

知らないはずだった。


可能性は

仇であるルナティアが神エアストと知っていた。

他の何かを、他の神を討つために作った。

そして、エンドが向こう側からすれば神と知っている。

その封印に使う。そして・・・

ただ単純に勇樹と共に魂だけでも一緒に居たい。

最後のは俺のただの願望だ、色々な意味で。


勇樹、その霧島を見せてくれないか。

嫌なら、話はここで終了だ。


勇樹君はアイテムボックスから霧島を取り出した。


バーボン様が受け取ろうとすると

耳をつんざくような音がする。


あらま、バーボンが持てない武器があるのね。

とルナティア様。


仕方ないな、勇樹、鞘から抜いて見せてくれ。

勇樹君は鞘から刀を抜いた。そして文字が浮かび上がる。


この魔剣は ジェニエーベル様の為だけに ミネルヴァが魔力を込め作成す

この魔剣が ジェニエーベル様の為だけに 力を振う事をミネルヴァが命ずる

この魔剣は 霧島 ミネルヴァ打チ直シ ジェニエーベル様と共に


ふむ。よくわからんな、単純に勇樹と

いつまでも一緒に居たいだけのように思えるな。

・・ルナ、ちょっと触れてみろ。とバーボン様は言う。


出来ればエアストで。とも付け加えた。


金色の瞳をしたルナティア様が刀に触れる。

霧島は薄く、そう淡く光る。優しい色だ。

それに耳をつんざくような音はしない。


全員が驚く。バーボン様も驚く。


霧島は、

いやミネルヴァはエアスト様を拒否しない・・・。

バーボンは困惑する。


するとルナティア様は言う。

私にはわかる。何故ならば私はエアストだから。

この刀からは愛を感じる。守りたいという気持ち。

ただ純粋にそれだけ。強い、そして大きな愛。

そう、そうなのね、ミネルヴァ。

あなたはジェニエーベルをずっと守っていきたいのね。

そしてずっと一緒にいたいのね。


勇樹、貴方がいいと言えばだけど

私がこの霧島に加護を与えようと思う。

仇の私の提案を受ける?と聞く。


「母さんが受け入れた、エアスト様だ。

 母さんも喜ぶよ」と勇樹君。


ルナ、いやエアスト様は魔方陣?らしいもの

初めてみる文様を描く。そして


エアストの名のもとにこの霧島に加護を与える。

それと共に魔剣の文字を削除し新たに追記をする。


そう言うと更に文様を複数描く。そして

霧島が強く光り誰もが直視できなくなる。


光が収まる。そこには浮かび上がる文字。


創造神エアストが認める。

この神器は ジェニエーベル様の為だけに ミネルヴァが魔力を込め作成す

この神器が ジェニエーベル様の為だけに 力を振う事をミネルヴァが命ずる

この神器は 霧島 ミネルヴァ打チ直シ ジェニエーベル様と共に


13本目の神器が誕生した瞬間だった。


お詫びよ、受け取りなさい。ジェニエーベル。

そう言うとルナティア様、いやエアスト様は

他にも感じる。ミネルヴァの想いが・・。・とも続けた。


勇樹君は「あります」というと

ミネルヴァの日記を取り出す。


「母から渡されていました。しかし白紙なのです。

 文字の一つも書かれていません。

 初めてアイテムボックスに入れた物です」


「そりゃそうよ」とルナティア様は言うと

また見慣れぬ文様を描き日記に飛ばす。


これで読めるはずよ。

これで全ての謎が解けるのではなくて?

なぜ本人として実在する体で一緒に

居ることができないのかも含めてね。


ミネルヴァがミネルヴァしか解くことのできない

魔法結界を掛けていた。持たせた理由は・・・


解くことが出来る状態、

その立場になっているのであれば読みなさい。


解くことが出来ない状態、

であるならば読む必要はない。


という事でしょう。


小規模の魔法結界は私が直ぐに解除できるわ。

大規模、極大の魔法は時間かかっちゃうけどね。


・・・だから封じ込められたが。とも付け加えた。


ミネルヴァは

私がエアストであると知ってたんでしょうね。確実よ。


じゃあジェニエーベルとミネルヴァを

追手から救ったのはウォッカね。

私がエアストと教えたのもウォッカ。

あっちの世界に手引きしたのもウォッカ。


あの女、いつまでも私の前を

ブンブンと飛び回ってる。ふん。

でも、魔剣を折って、

おもちゃの剣でよく手助け出来たものね。



バーボン様は「あ、そういえば」と言うと

エアスト様に向かってこう言った。


ウォッカが今持っている武器、あれ

「フラガラッハ」神器だぞ?
























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