第42話 首脳会談

全員が驚きながら政務官長を見る。

あ、バーボン様は真顔で。

そして勇樹君一行の顔は・・・見えない。

何故ならば、一行は下を向いている。


バーボン様は


マルチネ様が皇女の時に、この国を

我が物顔で政務を操り、汚職に、そして

不正を行い私腹を肥やしていた!


しかし皇女がルナティア様になると

不正に厳しく、汚職を壊滅させようと

厳罰をもって対処していた!

お前は自分に害が及ぼされそうになると

トカゲのしっぽを準備し逃げ続けている!


しかしトカゲのしっぽはもう数が少ない。

お前は焦った!しかし奇跡が起きた!

マルチネ様が目覚められたのだ。

ここぞとばかりにお前は策をめぐらし

ルナティア様の身を隠そうとした!


ずっとルナティア様がお一人になる所を

狙っていたんだろう!しかし中々

その場面がない!何故ならば

ベルジュラックが傍にいるからな!


そしてまた奇跡が起きた!ルナティア様が

お一人で庭にいるではないか!そして

足がつかないようにと周到に準備していた

黄の国で雇った冒険者に襲わせた!


黄の国の冒険者ギルドには調べてもらっていた!

正義感あふれる受付の人が協力してくれた!

青の国の文官が来て腕の立つ冒険者、

それもSSの冒険者2名!その他にも

1人は可憐で美しい女性!そして

素性のわからないバカそうなのが3人ほど!

確かに雇われていたぞ!


拉致には成功したが時間がなく、

今は使われていない

忘れ去られた地下牢に隠した!

あとでどこかに連れ出して

幽閉するつもりだったのだろう!


ルナティア様が居なければ今まで通りに

なると思ったんだろう!

そうは問屋が卸さない!私が居る限り!



そういうとマルチネ様とルナティア様の前に

大量の書類をばら撒いた。


それはな、以前からお前が絡んでいた

不正、汚職が疑われる書類だ!

この国は、いや、青の国はそういうことをしたら

ダメなんだよ!だから俺は20年間も

黄の国に行き、お前を油断させていた!


少なく見積もって20年間で金貨4500枚が

お前の懐に入っている!それが、その書類が

その証拠だ!金貨4500枚の国費が

どれほどかわかってるのか!この屑が!



その時に後ろから笑い声が聞こえた。

笑い声の主は黄の国の13人衆代表のハジメ様だった。


「これは失敬、いや、さすがにバーボン様だ。

 金貨4500枚は大変な額だ。

 いやいや、大変な額だよ、うんうん。

 すまん、ちょっと自国の事を思い出してね。

 続けてくれ。」

と笑顔で言う。


「ま、まて!私はルナティア様を襲ってはいない!」

と政務官長は言うが目の前に書類がある事によって

その一言に重みはなかった。


「後でゆっくりと不正、汚職の件を話そうではないか。

 政務官長。申し開きはその場でするがよい」

とルナティア様はそう言うとグラーブを呼び、

政務官長をどこかへ連れて行った。


場に沈黙が流れる。しかしどこからか

わからなかったが

「確かに政務官長はどこかそう言った所あったよな」

と声がした。声の主はわからない。

しかし少しうつむきニヤついている男が居た。

ポムロールだった。


すると各々が話始めて、なんかそう言う事に

なっていた・・・。


神よ、私は助かったのか。


「この続きは隣の部屋ですることにしましょう」

とマルチネ様。

そして全員隣の部屋へ移動した。


その部屋には

元皇女 マルチネ様

現皇女 ルナティア様

相談役 ベルジュラック様

黄の国13人衆筆頭 ハジメ様

赤の国議長 アスティ様

紫の国国主 ジェニエーベル様

同じく元帥 バーボン様

同じく外務長官 コルン(私

同じく金融長官 ポムロール

同じく総務長官 ファルツ


居ていいのか、こんな人達と。

私、ポムロール、ファルツは思う。

まじで3人緊張。


まず話し始めたのはハジメ様

「バーボン、どの口が言えたんだ。

 あんな台詞。お前が俺の国でいくら

 使い込んだか覚えてないのか」


そして今度はアスティ様

「どうせまたありもしない事を

 でっち上げたんだろうに。それにどれだけ

 俺の国が迷惑したことか」


マルチネ様も話す

「昔から思ってはいたけどねぇ、あの政務長官の事。

 でもあまりにも実権を握りすぎていてね、

 野放しにしていた私のせいね」


「いやいや、いいタイミングでルナティア様が

 拉致されてくれましたよ」とバーボン様


「あら、私いい仕事したのね」とルナティア様。

よく見るとまだ少し顔が赤い。

酒は神すらここまで苦しめるのかと私は思った。

恐るべしラスボス・・・酒!


「どうせバーボンが来て居酒屋に行ったと知ると

 いてもたってもいられなくなり、

 あなたも居酒屋にいったんでしょ?」

とアスティ様。


流石、母親。娘の事はよし知ってらっしゃる。


「それはもう青の国皇女と紫の国国主の初戦は

 ルナティア様の完勝でしたよ」とバーボン様。


勇樹君は下を向き赤くなっている。

そこに居た全員が大笑い。


「しかし、堂々としたやりとりだったな、

 ジェニエーベル。このガキがどこまで

 話せるかと思っていたら結構な口上だったぞ」

とアスティ様。


「そうだな、どこかの嘘だらけの屑とは

 大違いだな、真面目だったし。というか

 バーボンに騙されたと思ったらすぐに

 俺の所に来い、いい様にしてやる」とハジメ様。


「因みにバーボンが俺の国で使った金は

 金貨約5000枚な?」とも続け爆笑。


全員、さすが屑と大笑い。バーボン様も大笑い。


「あら何ジェニエーベルを取り込もうとしているの?

 ハジメちゃん。ダメよ、ダメダメ」とルナティア様。


「じゃあ俺の所に来い、赤の国半分くれてやる」と

アスティ様も笑いながら言う。


「大昔のゲームのネタ話するなよ、アスティ。

 みんな知らんぞ」とバーボン様。

「あ、勇樹、こいつあっちの世界の人間だ。

 気をつけろよ」とも笑いながら続けた。


そんなことはどうでもいいだろ、とアスティ様。


勇樹君もあっちの世界で生活していたと話すと

あっちの世界の話で場は大盛り上がりだった。


で、これからどうするんだ?

今後のシナリオは。・・・バーボン。

とハジメちゃん。


そう問われ、うちの元帥は話し始めた。
















 




 







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る