第6話 乾杯
結構魔獣を倒した。というか倒しすぎだ。
「ねえ、コルン、さっきから何を拾ってるの?」と美香さん。
ああ、これはですね、と私は話を始める。
魔獣が倒されると煙が出て灰になりますよね?
その中にですね、魔獣の核が残るんですよ。
これは魔法付与する時に使ったり、装備作る時の素材となるので
よく取引されるんです。ここの洞窟の魔獣の核は安定的に高値です。
ウハウハの稼ぎです。
「じゃあ今日は街で宴会ね」と美香さん。
勇樹君もなにか喜びの舞?をしている。お茶目だ。
そろそろ時間です。帰りましょう、と言うと美香さんが
「ねぇ、一番奥ってあるの?」と聞いてきたので
「ありますよ。ボス級の魔獣が居ますよ?むちゃくちゃ強い。
ここはなんだったけ、後で調べます。因みにアースドラゴンとか
いる洞窟もあります。」
「そういったボス級を討伐する時は20人くらいの
複合パーティで挑みます。単独のパーティ、
4~5人前後で挑むなんてとんでもありません」
「そんなバカなことをするのは自殺願望のあるパーティか
先ほど言ったフェイルノートを扱えたオーメドッグ様レベル
の人が2人くらい居るパーティくらいです」
そして短距離移動を使い洞窟を出た。
「お、コルン様おかえり」と馬車の管理人は言った。
・・・なにげに様を付けられた。
「あーそうそう、なんか影の薄い人が来てコルンさん達の
事聞いてきましたよ?しらねえよ、とは言いましたが」
とニヤニヤしている。
私はありがとうと言うと銀貨1枚を渡した。
そして馬車におかしい所がないことを確認すると
緑の自治区の一番大きい、昔王都だった街へ移動した。
「ねぇ、これだけの核、いくらくらいになるの?」
と美香さん。
そうですね、と私は
1つが平均銅貨5枚と言ったとこでしょうか。それが
60個くらいあります。
銅貨1枚が勇樹さんが居た世界でいうと多分、1千円です。
銀貨1枚が1万円、金貨1枚が10万円。
という事は今回の稼ぎは30万円ほどでしょうか。
「まじか!」と勇樹君と美香さん。
今日はラッキーでした。価値の高い核を落とす魔獣だらけでした。
こんなことは年に1回あるかどうかでしょう。
と付け加えた。
そりゃそうだと、勇樹君と美香さん。
言えない・・言えません。上級魔獣だから普通だろ、なんて。
あの短時間でこれだけ取れたのは
あなた達がおかしいからだとか言えませんよそんな事。
街で私の身分証を見せほんの少しの銅貨を渡す。
そして回収した核を道具屋に売りに行き
そして・・・金貨2枚と銀貨8枚を手に入れた。
「よっしゃああ」と美香さん、勇樹君も大喜びだった。
私達は適当な宿屋に入り部屋を押さえ街に繰り出した。
そして私は真顔で言う。「ここは・・・ここには」
茶華飯店の本店があるんです!絶対そこです。
飲むならば!食うならば!というか異論は認めない!
私の熱弁を聞いてそこでいいと決まった。
よっしゃああああ!
茶華飯店に入り、メンバーズカードを見せる。
そしてメンバー専用の個室に入る。
「ジャンジャン頼みましょう。」どうぞどうぞ、と
メニュー表を見せる。
「どれがおいしいのだろうね、とりあえず酒よ」と美香さん。
任せてください。さぁ、要望を聞きましょう。
「まずはビールっぽいやつがいいわ、冷えたやつ。」と美香さん。
「あ、おれも」と勇樹君。
「つまみっぽい、飲み物といっしょがいいわ」
「それと肉ね、というかコルンおすすめをどんどんでいいわ」
と美香さん。
えぇ、任されました。任されましたとも!
そして私は従業員を呼び料理を頼んだ。
そしてビールっぽい飲み物が出てきて、
「カンパーイ」という美香の合図で全員飲む。
「うめえ!うめえなおい!」と勇樹君。
「ぷっはぁああああ、マジ旨い。あっちのビールよりうまい」
と美香さん。
「なにこれ」と美香さんは言うと、ポリポリと食べる。
「ちょっと癖のある味だけど旨し」と美香さん。
これはですね・・・と説明を始めようとしたが
「お代わり」と美香さん。俺もと勇樹君。
仕方ないので私も一気に飲み干し追加3人分頼んだ。
料理がどんどん出てきて、私はその料理のウンチクを語る。
二人は私のウンチクを聞きながらおいしそうに食べている。
なんだ、とても楽しい。本当に楽しい。
私は少し涙ぐみ「こんな楽しい食事・・初めてです」と言う。
「なぁ~に?コルン、あんた泣き上戸ね」
とポンポン私を叩きながら笑ってる美香さん。
勇樹君も大笑いしている。
楽しい時間が流れ会計に進む。
ここだ、ここで使うべきだ。私はポイントカードを
6冊全部出した。会計係は「おおぅ」と声を発し
「あんた、何者だい?」と聞いてきた。
「ふ、只の通だよ、茶華飯店のな」と髪をかき上げ言う。
それでも支払いは銀貨6枚になった・・・・。
をい。食いすぎだ。
そして宿屋に帰ると全員そのまま眠った。
爆睡だった。
そして朝。みんな二日酔いっぽい感じで起きて
なんか行動がしっかりしない。
朝食を宿屋でとりながら
「少し寄りたいところがあるの」と美香さん。
ベル様が研究していた所ですね、と私が言うと
美香さんはうなずいた。
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