第21話 屑の依頼書
「しっかし、あの二人、つよかったわね」と美香さん。
ぷふぁぁああ。とビール全員おかわり。
「あれがSSってもんなんだねぇ」と勇樹君。
ぷふぁぁああ。とビール全員おかわり。
「あんなの見ると偏見だっと痛感です。」とリアス。
ぷふぁぁああ。とビール全員おかわり。
・・・やはり短剣使いと爪は嫌いだったらしい。
そして、
「この流れなら言える、私何もしていない」と私。
ぷふぁぁああ。とビール私以外おかわり。ゴメンナサイ。
「あの猫耳族、どこかで見た気がするんですよ」とリアス。
そりゃそうだろ、ここの店員だし。だったし。と全員。
・・・謝れ、リアス。私のように。
リアスは続けた。
以前、あこがれの剣士の事話したじゃないですか。
後ろに居た猫耳族ともう一人、似てるんです。
というか、酒の力を借りて言いますが、多分・・・
あの人たちです。
沈黙が流れる。
・・そういえば仲間の話をしていた。
もしも出目金を探しに秘境に行ったのが
残り二人・・・・剣士ともう一人。
そしてリアスは色々思い出し
「確実にあの時助けてくれた剣士の仲間だ」と。
「あいたかったわねぇ、その剣士に」と美香さん。
何故?と全員が聞く。・・・理由はわかっているが。
「ハーピィがピィピィでしょ?センスいいわ」と美香さん。
ねえよ、センスなんか、と全員が思っていたが(と思う)
私だけが口にしてしまった。暴力反対と勇樹君の後ろに隠れた。
遅かった。
「もっと早く思い出していれば・・・」とリアスは後悔していた。
が・・・美香さんが言う。
「大丈夫」と。
その根拠は?と皆が聞くと
「そりゃそうでしょう、私達は冒険者、これからも魔獣を
狩り続けるのよ?絶対、バッティングするわ」と。
美香さんは既に、当初の目的を忘れていた。
父親なんてそんなものかと、そんな存在なのかと
思うと、なにか、そう、酒がすすんだ。
宴もたけなわだったが明日は早くにこの街を出たかったので
お開きにした。
そして会計。ポイントカードを差し出す。
私、笑顔。
そして朝。私達は次の街へ向かう。
その街の次はもう首都だ。
道中、魔獣を狩りながら核を集める。
金のためだ。もう、すっからかん。
みんなマジで一生懸命。金のために。
そして次の街へ着く。
この街でランクSになるつもりだったが
既になっているので、魔獣の核を売りさばき
そして居酒屋へ。
もうすでにこの物語が
「長編異世界ファンタジー」だという事は全員忘れていた。
作者すら。もう、あれだ。異世界の居酒屋の何かのような
話の流れだ。第2章の半分は居酒屋だ。
もうプロージットだ。
そして翌朝、この街を出る。
次は首都だ。
懐を見ると金がない。そりゃそうだ。
飲み食いに使っている。
あれだ、「この素晴らしい・・・」という有名な何かの様だ。
道中、みんな真剣。
そしてついに私達は首都に入る。核を売りさばき、
宿屋を確保して、
・・・・そして居酒屋へ。
なにか有名なRPGのサブタイトルの様だった。
同刻 黄の国 議会場
「もうそろそろ、あの青の国の元指揮官を
青の国へ返さないか?」と一人の議員が言う。
真剣に話そう・・・とも続けた。
「あの男の為にいくら使ってると思う。アイツが来てから
既に20年ほどだ。その間の全ての衣食住を我々は
この国の税金で払っている。全くもって意味がない」と。
「しかし、民衆の人気が高いぞ、何故か・・・。」
「有名だからな・・・。色々と。自分では軟禁と言いながら
夜とか抜け出ているしな」
「俺この間、居酒屋で見たよ・・・。
なんでいるんだよと思った。全員に料理を振舞ってたぞ」
「会計の時、気になって見てたら外交管理局に請求回して
って言っていた。親指たてて・・・。」
「月平均金貨6枚だ・・・。居酒屋だけでだぞ。
それが20年だ。あ、因みに他の請求を含めると
月に金貨21枚な・・・」
「金貨21枚×12か月×20年だ・・・。怖くて計算できない」
「やべえ、俺計算しちまった・・・。金貨5040枚だ」
「あいつは・・・屑だ。早めに青の国へ返そう」
全会一致だった。
翌朝冒険者ギルド
「なにかお金になりそうな依頼書しよう。明日の居酒屋の
金がない・・・」とリアス。
おい、私達は観光出来てるんじゃないぞと言おうとしたが
「それは問題だ」と勇樹君。
いや、あなたもそういったこと言う立場じゃないでしょうに。
美香さんを見ると心配しそうな顔をしていた。
どっちだ!どっちの心配している!
この最初の目的を忘却し緩みまくったこいつらをか、
それとも・・・
「私も残り財産少ないわ」と美香さん。
「ねぇ、あなた達Sよね?この依頼受けてみない?」
と受付の綺麗なお姉さん。
「内容 ゴテリアワイバーンの核3個 金貨2枚
条件 核は新鮮さが命 回収したら2時間以内に
依頼主に届ける事
場所はアレンテージョ41番2号」
アレンテージョって公的機関がたくさんある所だな。
依頼主は公的機関か
とリアスは言った。さすが首都出身
受付の綺麗なお姉さんは
「依頼主のサイン貰ってここに持ってくれば報酬を
渡すわ、どうする?」
金貨2枚は破格だ。
敵は中級魔獣より少々強いレベルで問題ない。
2時間以内かぁ。それが厄介。
しかし、全会一致で受けることにした。
時は少し前 黄の国 とある屋敷
「これ冒険者ギルドの受付嬢に出してて、ドウロっち。
あ、綺麗な方ね、可愛い方じゃないよ」と懐柔した
見張りに何かを渡す「屑」と噂されている男。
「これは?」とドウロと呼ばれた男は聞くと
「ただの冒険者への依頼書だよ。一般的な魔獣討伐。
ちょっと魔獣の核が欲しくてね、特別な。
あと屋敷の執事にも内容の事言っといてね」
とバーボンは言い返した。
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