第35話 上下関係

「どうよ?かっこいいだろう。」と、

ファルツ。

黒を基調に鮮やかな紫色の帯らしき模様。

白いラインも入り、マジでカッコいい。


馬も紫色の鮮やかな布で装飾されている。

よく見ると紫の国の御旗を模したような感じに

仕上がっている。


じゃあ行こうか。とバーボン様

全員馬に乗り青の国へ出発する。


先頭に私とポムロール、

その後ろにバーボン様と勇樹君、グラーブ。

一番後ろにファルツ。


道中は雑談をしながら緩い感じで

いつもの様な笑いながらの移動となった。


ファルツはバーボン様に

何故リアスじゃなく私なんですか?と尋ねる。


リアスにはちょっとした仕事をお願いした。

ボルドーとも思ったけど額の×印が気に入ったので

ファルツにした。そして何よりイケメンだ。と。


見ろ、このイケメン軍団。

リアスもイケメンだが延長戦でファルツだった。

婆ぁ達と白熱の話し合いだった・・・。

とバーボン様。


青の国は優男の方が人気なんだよ。

とも付け加えた。


ところで美香さんは当てもなく行っちゃったんですか?

と勇樹君。


いや、一度黄の国の首都に戻って冒険者ギルドへ

行くように言った。とバーボン様。


それだったら美香さんを黄の国に置いておけば

良かったのでは?ソミュールを呼びつけた方が

効率が良かったような、と私は聞くと


バカかバカなのか、私が少しでも長く美香と

一緒に居たかったに決まってるじゃないか。


全員理解。




その頃 美香たち


そういえば美香って剣使える様になったんでしょ?

と、私ソミュールが聞くと


「これ包丁よ、剣なんて使えないわ」と返ってきた。

「ソミュールはさ、魔法使いじゃなかったら

 何をしたかった?」とも聞いてきた。


私は子供のころから槍を使いたかったの。

その頃すっごく憧れてる人がいてさ、もう私少女よ。

まぁあなたのお父さんだけど、笑いながら言った。


よく物干し竿で遊んでいたわ、でも

槍と言うよりそれで払うとかそんな感じ。

と言ったあたりで・・・


「あ・・・。」と美香。

「あっちの世界に薙刀っていう武器があるの。

 こっちの世界にはないわ。父さんの話なら

 多分ソミュールもそれなら使える。

 槍は先端の刃で突いたりするけど、

 それは先端が包丁のような感じかな。

戦い方教えようか?」と美香。


私は鼻息荒くうんうんと頷いた。


女子二人旅ね、楽しく行きましょう。と美香。

私も笑いながら楽しい旅になることを祈った。


私にも馬車の扱い方教えてよ、と美香が言うと

簡単よ、と私。二人でああだこうだと言いながら

馬車は進んでいく。


すると後ろから何かの飛行物体が凄いスピードで

近づいてくる。私と美香は馬車を止め

一瞬身構えるが、その飛行物がユキちゃんと分かると

美香は大喜びで


やっぱ飛んでいるユキモリかっこいいい!と

キャッキャキャッキャしている。


「バーボン様より美香様たちを守るように

 仰せつかっております」とユキちゃん。


なんでとべるの?なんでなんで?と興奮している美香。

私は精霊なのでいつもと同じ感覚なんですが・・・

そうですね、人間が何で歩くのかと私が問うのと

同じでしょうか。


話し方がインテリだった。

私はフシャスラと申します。

「コンゴトモ ヨロシク」とカタカナで挨拶。


貴方は今からユキツーよ。私が決めた。

ユキちゃん2号だからユキツー。

あっちの世界ではそれがカッコいいのよ!

それにもう少し砕けた話し方して?疲れるから。


わかりました、ではユキツーと呼んでください。

逆に聞いていいですか?というと


「ここの部分、これはまだ未完成ですよね?後ここ。

 ここには何か装着するように構造がなっています」

とユキツーがいうと、美香は目を輝かせ、

何かの部品を取り出し、ゴソゴソと装着。

延長砲身なる物とカビザシをなる物。


なるほど、これで理解しました。

これは直接攻撃用で、これは、なるほど。

試していいですか?とユキツーは言うと、

延長砲身を構える。

淡い青、水色の発光する光が先端から放たれた。

その放たれた光の先には折れかかっている細い木が

あった。それを目掛けユキツーは

槍の様なもの、カビザシを構え突っ込んでいく。


そしてカビザシが刺さる!そして!

木から抜けなくなった。

ユキツーは右往左往していた。


私はそれを抜いてあげた・・・。


十分よ!十分!ユキツー!

美香、大興奮。


それを見ていたウルえもんは少し寂しげだった。

それに気づいたのか、美香はウルえもんに


「腕をね、こうして、こう構えて・・・。

 そして何やらぼそぼそと言っている」


ウルえもんは美香に教えてもらった通りの構えをし

そして・・・叫ぶ!


「スペシ〇ム光線!」なんと腕から光が放たれる。

その光は先ほどの細い木に当たり、なんとその木が!


・・・燃えだした。私はあわてて消した。

ウルえもんは火の精霊だったらしい・・。


ユキツーがウルえもんに話しかけた。

よい力を持っている。将来が楽しみだ。と

ウルえもんはなんか恐縮している。

どうやら精霊内での立場はユキツーが上らしい。


ユキツーの中に入っているフシャスラは

精霊の中ではほぼ最上位でいままで人間の

魔法で顕現したことはないという。


本気を出すとこの体、ユキモリが溶けるらしく

大体3割くらいの力で行動しているらしい。


イフリートより強いの?と美香が聞くと

ウルえもんは


わかりやすく言うと

フシャスラさんがバーボン様とすると

イフリートがコルンくらいです。

と説明。


と、何気にフシャスラだけに「さん」付け。

コルンも呼び捨てだった・・・。

相当違うじゃない、と私と美香。



私は再度、言い直す。

女子二人と精霊2体の旅の始まりね、

楽しく行きましょう。














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