群青

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五年前、世界は七日間に渡って崩壊した。それは世界の自死と考えられ、【式日】と呼ばれている。人間が暮らせる土地は極端に減り、その土地は何らかの”信仰”が存在している場所であった。物語の舞台は青森県と北海道の間に位置する肆戸島(しのへじま)。この島には土着神である諫名神が存在し、神への信仰が行き過ぎたり何かへの執著が過ぎたりすると【偏執狂】という異形と化してしまうが、そのことに目をつぶれば平和な島であった。そんな世界で主人公の一条一縷は偏執狂の集まる市場、【偏執市場】の案内人のアルバイトをしていた。この一条一縷はかつて天才であった。七歳の頃投身自殺(偶然が作用しこれは失敗に終わった)を遂げてからは天才としての脳の活用は止めてしまっているが、今でもその脳を頼られることは多い。ただ、彼…続きを読む