概要
小さな箱のなかに現れる風景は、あなたの心の奥底に隠れた秘密。
鞠内(まりうち)心療内科クリニックへ、ひとりの患者が訪れる。
須見というこの男性が訴えるのは、誰か特定の人を、じっと見るだけで、その相手の過去、場合によっては未来が、頭の中に再生されるということであった。また同時に酷い頭痛、体調不良により様々な科を受診するも一向に異常は見つからず、迷った挙句、心療内科を掲げる当クリニックへ来院することにしたというのである。
環境ストレス因による精神病症状の出現、おそらく統合失調症の陽性症状と見るのが妥当と思われたが、須見が持って来た紹介状には、脳に萎縮や病変は見られないことに加え、脳波にも異常は無かったと記載されていた。
幻覚でないのならば須見が訴えるように、頭の中に映像が『視える』というのだろうか。
院長でもある鞠内(まりうち)喬之介(きょうのすけ)は、自
須見というこの男性が訴えるのは、誰か特定の人を、じっと見るだけで、その相手の過去、場合によっては未来が、頭の中に再生されるということであった。また同時に酷い頭痛、体調不良により様々な科を受診するも一向に異常は見つからず、迷った挙句、心療内科を掲げる当クリニックへ来院することにしたというのである。
環境ストレス因による精神病症状の出現、おそらく統合失調症の陽性症状と見るのが妥当と思われたが、須見が持って来た紹介状には、脳に萎縮や病変は見られないことに加え、脳波にも異常は無かったと記載されていた。
幻覚でないのならば須見が訴えるように、頭の中に映像が『視える』というのだろうか。
院長でもある鞠内(まりうち)喬之介(きょうのすけ)は、自
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!自分と他人の境界線は酷くあいまいなのだと気づかされる物語
相手の瞳を見つめると、過去や未来が視えると言ってやってきた須見と言う男。
精神病症状が疑われる彼に、鞠内(まりうち)心療内科クリニックの院長である喬之介(きょうのすけ)は箱庭療法を提案する。
箱庭療法とは、小さな空間に心の赴くままにオブジェを配置していくことによって、己の中の声と向き合う心理療法の一つ。
須見が形作る箱庭を読み解くうちに、喬之介の心にも思いがけない声が響き始める。小さなきっかけは、やがて大きな違和感を生み、その謎を追い求めていくことになるのだ。
互いにシンクロし合う患者と医師の様子は、現実の社会でも大なり小なり私たちの身の上に起こっていることです。誰かの言動に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!目に映る世界は心で創られている
鞠内喬之介は、鞠内心療内科クリニックの院長である。
そこに訪れた患者・須見という男性が受診した事により、喬之介の日常に変化が……。
須見さんが抱えている問題は、特定の人をよく見ると、その相手の過去や未来までもが頭の中で再生されてしまうというもの。
突然の変調に苦しむ須見さんへ、喬之介さんは『箱庭療法』を勧めます。
箱庭療法とは?と思われましたら、是非ご一読を。
箱庭療法の様子が丁寧に描かれていますので読み応えがあり、徐々に変化する箱庭から目が離せなくなりますよ。
もしかすると、その世界に迷い込み、自分はいったい何を見ているのだろうと、恐怖を抱くかもしれません。
それぐらい、いつの間にか箱…続きを読む