愚かなムーランのにこやか孤児院

　
広大なルチモニア王国の端っこに建設されたとある孤児院。

ルチモニア王国の三大貴族、ムーラオ家
その三男であるムーラン・ムーラオが運営する王国唯一の孤児院だ

そんなムーランの孤児院にはある噂があった

町の八百屋曰く
「孤児院の子供が毎日買い出しにきてるぜ。それも必死に値切ってきやがる。きっと院長様の言いつけだろうな、可哀想でありゃしない」

町の鍛冶屋曰く
「自分達にも使える武器を作って欲しいって来たことがあるぜ。ガキには無理だって言ったらお願いしますって土下座までしやがる。ったく、武器ってのは――」

町の教会曰く
「あそこの子供達は皆、熱心に祈りを捧げます。よほどムーラン様の教育がいいのでしょうね。でもどこか怯えていて、見ていて痛々しいです」

そして口を揃えて最後にはこう付け…続きを読む