概要
誰も死なず、誰も血を流さない。戦争を回避した銃職人の物語だ――。
アガスティア皇国は危機に直面していた。
隣国であるクラレント魔法国の急速な魔法技術の成長により軍事力のバランスが崩れたからだ。
だがアガスティア皇国に魔法が使える者は誰一人いなかった。
魔法に対抗するために新たな武器の製造が急務となったが、画期的な武器は何一つ出てこなかった。
それどころか為政者たちは足を引っ張るばかりで物事は進展の欠片もなかった。
故に、鉄拳令嬢ことグレイ・ノーザンバーランドは立ち上がった。
アガスティア皇国北部にいる伝説の銃職人を尋ねた。
しかし、伝説の銃職人は既に死去し、その娘カメリア・シュネーベルグが店を切り盛りしていた。
グレイはカメリアに銃器開発の依頼をする。
「これだけの仕事だ、高く付くぜ?」
グレイは最新式ライフルを作成