穢れなきこの世界では愛を紡ぐことができない

この世界には『穢れ』がある。
例えば隣人がうるさかったり、ぶつかっても謝らない人がいたりして、それで憎めば発生するのが『穢れ』だ。その『穢れ』は溜まれば力を増し、核を得て『異形』と化す。

その『穢れ』を祓えるのは『聖女』だけ。
だからこそ聖女の周りには人が集まり、聖女が保護をし、街が形成されてきた。その過程で、聖女の神格化、常人とはかけ離れた存在としての崇拝もまた始まる。

だが、それは本当に正しいのだろうか。

そんな疑問を持つ、あまり人間が好きではない『使穢者』、穢れを祓えずとも消せる力を有した者の一人である暁（あかつき）を中心とした、ちょっぴり昏めのお話。



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