銀翼の宿命

　広大な樹海を持つ世界、アゲイト。その巨大な樹々が生い茂る森林には、銀色の羽毛を持つ巨鳥ベヌゥとその巨鳥に乗り、樹海上空を飛び回る鳥使い達が住んでいる。
　しかし樹海から離れた丘陵地帯にある村に住む少女モリオンにとっては、鳥使いは全く知らない存在だった。村外れの薬草の丘で、巨鳥ベヌゥに乗る鳥使いの青年に出会うまでは。鳥使いの青年はモリオンに孵化寸前の卵をモリオンに托し、何者かを追って銀色の巨7鳥と共に姿を消した。卵を村に持ち帰り、密かに孵化させそうとするモリオン。やがてその卵は、モリオンを樹海と鳥使いの未知へと導いていくのだった。