概要
主人公・僕の後悔の記憶を辿り、物語は語られる。
どこか壊れていて、大人になれない大人の僕は人生の真実を見つけようと記憶をたどることになる。
僕は彼女と出会い、愛と自我の再生、そして破滅への道を突き進んだ。
この物語の行き着く先はどこなのだろう?
現実と虚構のカベが壊れる時、この世は完璧な世界となる。
※アルファポリス様にも公開中です
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ささやかな人生の希望、虚無感、そして絶望……現実は何処に?
海外を放浪したりと、自分に正直に生きてきた。なのにいつの間にか人生の路地裏に迷い込んでしまったかのような有様。
『回想』を通して語られる人生は、明瞭ながらどこか胡乱で、変えようもないもどかしさも孕んでいます。現実と虚構の壁とは……
物語の構造が巧みで驚かされます。
表通りを歩く彼女を見つけてしまったことで、変わろうとあがくも『変えられない』主人公のハードボイルドなミステリー小説。
事態が暗転していくあたりから、特に目が離せなくなり一気に読んでしまいました。そして行き着くのは『パーフェクトワールド』。この物語の真相は、読んだ者だけが想いを馳せることができるでしょう。 - ★★★ Excellent!!!実に完成された世界。
長編ハードボイルドな小説です。
冒頭は異世界転生かな?と思わせますが、物語が進行すれば嫌でも気付くでしょう。
そう、本作はハードボイルドな人生を歩んでしまった男のお話です。
物語の作り方がとても面白く、読み手を惹きつけます。自分の人生を振り返る形で進行するのですが、視点変更が絶妙な計算とバランスで描かれていました。この書き方がカッコいい!
スマートな文章なのに奥深い心情が心地良く伝わります。しかも読みやすい。内容がハードなだけに読ませ方が巧みで、物語の展開に心が躍りました。
人物の造形も素晴らしく、何とも言えない不思議な感情が芽生えました。私はハードボイルドな人生を送っていないので、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「僕」の人生に、真実はあったのだろうか。そこに本物の愛はあるのだろうか
物語は「僕」の回想の形で進んでいきます。
海外をふらついていた以外は、特に珍しくもない人生を歩んできた、平凡な男。
心から大事だと思える女性に出逢うこともできた…
それなのに、なぜこんな事態に陥ってしまったのだろう?
ささやかなひとりの人生の中に現れる、大きな希望と、絶望。
何が真実で、何が幻なのか。
思わぬ方向へ何度も転がっていく展開に、読者の心も翻弄され続けます。ハラハラしすぎて、心臓に悪いくらいです(笑)
まるで映画を見ているような、怒涛のエンターテイメントと言えるでしょう。
最後まで、余すことなく読者を揺さぶり続けます!