ささやかな人生の希望、虚無感、そして絶望……現実は何処に?

海外を放浪したりと、自分に正直に生きてきた。なのにいつの間にか人生の路地裏に迷い込んでしまったかのような有様。

『回想』を通して語られる人生は、明瞭ながらどこか胡乱で、変えようもないもどかしさも孕んでいます。現実と虚構の壁とは……
物語の構造が巧みで驚かされます。

表通りを歩く彼女を見つけてしまったことで、変わろうとあがくも『変えられない』主人公のハードボイルドなミステリー小説。

事態が暗転していくあたりから、特に目が離せなくなり一気に読んでしまいました。そして行き着くのは『パーフェクトワールド』。この物語の真相は、読んだ者だけが想いを馳せることができるでしょう。

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