色が形を成す瞬間 - 創成 -

ここで実に美しい筆致で描写されるのは、どれだけ色鮮やかで見目麗しくとも、触れることのできる実体があり、己の身と同じ温度を感じられることには叶わないということ。

デジタル化技術が邁進する昨今、画面に映る彩度・輝度は感極まる域に達し、より滑らかに連携する極上の世界がそこに構築されつつあるが、本当の「存在」の確かさを知る方法はやはり一つしかない。

創世記を彷彿とさせるストーリーが、「人の在り方」についての原点回帰と再生を想起させるとも言える。しっとりとした土塊の感触を確かめてみたくなる極上のSFです。

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