第32話 雷纏いの使用制限
雷纏いの準備ができたのでトルーヤさんに声をかけて、雷纏いを発動させた。
そこから先程と同じようにトルーヤさんと組手を半刻経つまで続けた。
「よし、半刻経ったぞ!雷纏いを解いてみろ」
雷纏いを解いてみると昨日と同じ全身筋肉痛の痛みが体中をおそった。
「っいた!」
「その様子だとだめだったみたいだな。ということは連続して雷纏いを連続で使うのはそのまま1時間使うのと同じだということだな。その状態だとこれ以上続けるのは難しいか。それじゃ今日はここまでだな。ケイは魔力操作の練習するんだろ?」
「そうですね、そうすることにします。でも思ったんですけど、ポーションで筋肉痛を治してはいけない理由は分かるんですけどまだ早いですし、1度ポーションを使って治して訓練続行というのもいいんじゃないですか?」
「確かに、それもありだな。しかしもしそれで治ったとしてもその治すポーションはケイがお金を払うことになるんだが、いいのか?」
「これは俺の訓練ですしいいですよ」
というとトルーヤさんは嬉しそうに笑い
「そうか、じゃあ治して訓練続行といくか!」
(この反応を見るとトルーヤさんはもっと訓練したかったのかな?)
俺はマジックボックスから下級ポーションを取り出して中身を飲んだ。
すると動けないほど辛かった全身筋肉痛が少し痛いくらいまでに回復した。
「どうだ?訓練できそうか?」
「はい、多少の痛みは残ってますが問題ないと思います」
「そうか、なら今は何もない状態に戻ったと同じぐらいだろ?ならまた雷纏いを半刻使って。今度は半刻ほど時間を空けて使ってみるか!っとその前に昼食でも食いに行くか」
訓練していたから気づかなかったがもう昼過ぎになっていたみたいた。
「はい!それじゃ食堂に行く前に浄化をかけちゃいますね」
「驚いた。ケイは光魔法も使えるのか。浄化は1パーティーに1人はいてほしい人材だから、もしケイがパーティーを募集をしたり入りたいと考えたらきっと周りから引っ張りだこになるな」
(言われてみたら浄化がなかったらきついよな。この世界の人達にお湯に浸かる発想はないらしいから塗れたタオルで拭くくらいだし、そんなの絶対耐えられないな)
俺は自分自身とトルーヤさんに浄化をかけて1階の食堂に向けて歩き出した。
一刻ほとで昼食を食べきった後
「トルーヤさん俺は下級ポーションを買ってから戻るので先に戻っててください」
「そうか、なら先に戻ってるぞ」
お昼時なので基本的に冒険者は幻の森に行っているみたいでミリアさんの列は5人ほどしか並んでいなかったので俺はその列に加わった。
「こんにちはケイさん、今日はどうしたんですか?」
「ポーションを買いにきたんだ。下級10本ポーション下さい」
俺は懐から銀貨を5枚取り出してミリアさんに渡した。するとミリアさんの目が疑うような目で見てきた。
「ケイさん、先ほどトルーヤさんといる所を見たので訓練してるのは分かってるんですけど下級ポーションを10本だなんて、そんなに傷つくような危ない訓練をしているんですか?」
滅多に感じないミリアさんの圧力に狼狽えながらもなんとか大丈夫だと伝えようと頑張ると
「そ、そんなことしてないよ?普通の訓練しかしてないから」
何か隠し事をしているような説明になってしまった。その証拠にミリアさんの目がより厳しいものに変わっていった。
「ほ、ん、と、うですか?」
それに加えて凄い圧力のかけ方をしてきた。
「本当だって!新しい技を練習しててトルーヤさんに見てもらっているだけだよ」
ここでミリアさんは諦めたのか一息ついて
「分かりました、信じます。でもあまり危ないことはしないで下さいね」
「もちろん、進んでそんなことはしないよ」
「それでは頑張ってくださいね」
「ありがとう」
俺はミリアさんから下級ポーションを10本受け取り地下訓練場に戻っていった。
「戻ってきたか、どうする?すぐ始めるか?」
「トルーヤさんがいいのなら俺はいつでもいいですよ」
「俺の事を気遣ってくれるのか、俺はいいからすぐ始めるか。まずは半刻、雷纏いの状態になるところからだな」
「分かりました」
俺はすぐに体を覆う魔力を厚くして雷纏いを発動させた。
その後はいつものように半刻経つまでトルーヤさんと組み手を続け、半刻経つと
「はぁはぁ、半刻経ったぞ。まず雷纏いを解いて、まずは半刻程時間を空けてから雷纏いを発動してもらうぞ」
「分かりました!」
雷纏いを解いてから半刻ほど俺は魔力操作をして時間をおいた。時間が経ったあともう一度雷纏いを発動してトルーヤさんと組手をして時間を過ごした。
「はぁはぁ、は、半刻経ったぞ!雷纏いを解いてみろ」
「いきますね」
俺はトルーヤさんに声を掛けてから雷纏いを解いた。
「っいた!」
ここまできたら分かるだろう。全身筋肉痛になっていた。
「半刻置くだけじゃダメみたいだな。下級ポーションを飲んでから少し休憩を入れて次は一刻置いてみるか」
「わ、分かり、ました」
俺はすぐにマジックボックスから下級ポーションを取り出して中身を飲んだ。すると痛みが引いていった。
少し休憩を取ったあと先ほどの流れで今度は間に一刻時間をおき
「はぁ、はぁ、よし半、刻経ったぞ。解いてみろ」
「トルーヤさん大丈夫ですか?」
「1日でこんなに動いたのは久々だったからな。でも俺の事は気にするな。気にせず雷纏いを解いてみろ」
「分かりました、それでは解きますね」
声を掛けてから雷纏いを解いてみると
「!、痛みがない!」
多少の違和感を感じるものの全身筋肉痛などという事はなく動けた。
「なるほど、なら雷纏いで半刻置いたら一刻は置かないと次の使用はできないみたいだな、ケイしっかりと覚えたか?」
「もちろんです!しっかり覚えましたよ」
「よし!今日はもういい時間だから明日から実践形式で色々と試していくから、覚悟してろよ?」
トルーヤさんに覚悟してろよ?なんて言われると怖いがあくまで俺の事を考えて言ってくれている言葉なので
「ご指導お願いします!」
「こりゃ教えがいのある生徒だな、ワッハッハッハ!」
トルーヤさんが嬉しそうに大きく笑った。
「本当にケイを教えるのは楽しいな。よし明日からも頑張ろうな」
「はい!」
そんなことを話ながら俺とトルーヤさんは帰るために訓練場を後にした。
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マジックボックス
金貨1枚 大銀貨3枚 銀貨9 枚
大銅貨8枚 銅貨4枚
(139万8400円)
下級ポーション×9
中級ポーション×2
石剣 鉄剣
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