第3話 初めての狩り

アルテミス様の言葉が終わると辺りは多くの光によって覆われ、俺は思わず目を閉じた。


目を閉じて少しすると太陽の暖かさや鳥のさえずりが聞こえてきた。目を開けてみると辺りは木々が生い茂る森だった。


「ほんとにここは異世界なのだろうか?

この光景だといまいち異世界に来たのかが分からないな。

何か異世界に来たって分かるものはあるかな?」


と言っていて気づいた。


自分の服装が変わっていることに。


死ぬ前は会社帰りだったのでもちろんスーツに革靴と典型的に服装だったが

今俺が着ているのは白いTシャツにその上からなんの革か分からないが革でできたベスト、革のスボンに革でできた靴と正に異世界の村人が来ていそうな服装であった。


「んー日本ではこんな格好は見たことないし、異世界っぽいって言われたら異世界っぽいのかな?


でもこれでここは異世界だって決めつけるには弱いんだよな、他に何かあるかな?


あっそういえば選んだスキルとか自分のLvってどうやったら分かるんだろ?


こういうのって大体ステータスオープンって言ったりすると見えたりするよね、ものは試しだ、やってみよう」


「ステータスオープン!」


うわっ何これすごい恥ずかしい、こんなの毎回やるのは流石に嫌だな。あっステータス出た。


ステータス

名前木下圭(きのした けい)

年齢 16

職業なし

レベル 1

HP 100 MP 200

STR 40 VIT 40

AGT 40 DEF 40

INT 40

剣術Lv3 盾術Lv2 身体強化Lv3

生命探知Lv3 気配消去Lv3 鑑定

光魔法Lv1 水魔法Lv1 

雷魔法Lv1 時空魔法Lv1

魔力量増加Lv1 魔力操作Lv1

詠唱破棄

SP0


アルテミス神様のところで見たスキルのメニュー表のようにガラス状の板が空に浮かんでいた。


そこには今の俺のステータスがずらっと並んでいた。


「こうやって見ると本当に俺は異世界に来たんだな。


16って若返りすぎでしょ、ステータス的には高いのか低いのか他の人のが分からないから分からないな。


身体強化や魔力量増加の効果もどのくらいあるのか分からないし、これ押してみたら効果が分かったりしないかな?」


空に浮いているステータスボードの身体強化の部分を指で押してみると


身体強化 Lv×10 全ステータスがUP


「えっ出た!なるほどね、調べたいことがあったら指で押すと効果が分かるのか。


いやこれってもしかしたら鑑定の能力によるものなのかな?


今度は指で押さずに頭の中で分かりたいって念じてみよう」


すると目の前のステータスボートとは違ったガラス状の板が出てきて、そこには


魔力量増加 Lv×100 MPがUP


「なるほど鑑定で調べたいって思うとこうやって出てくるのか。


それにしても身体能力上昇や魔力量増加は思った以上の活躍をしてるな。


これ取ってなかったら全ステータス10とか不安過ぎた所だったよ」


とするとここで頭の中で何かの生き物が近づいてきている気がした。


「これって生命察知の能力のおかげかな?


なんとなくどのくらいの強さの敵なのか分かるがこれなら今の身体能力でも勝てそうだ。


だけど今素手だし流石に今は逃げておくにこしたことはないよね」


そう思ったときなぜか分からないが時空魔法によって何か物が取り出せる気がした。


「これってなんだろう?時空魔法って今使えるのかな?マジックボックスみたいなやつ」


頭の中でマジックボックスと唱えると

頭の中で今マジックボックスの中に何が入っているのか分かったのでそれを取り出してみる


「剣と盾、防具、お金?それと手紙?えーとなになに、


その近辺の街でも売っている初心者の冒険者が身につける剣と防具をオマケであげるよ。

特に特別なものではないからもっといいのが買えるようになったらどんどん買い替えてよ?アルテミスより。


うわーすごいありがたい。流石神様懐が深いな。ならありがたく使わせてもらおう」


マジックボックスには感覚的に無制限にものが入れられそうなので重量を気にせずに使う事が出来そうだ。


「早速アルテミス神様にもらった剣と防具をつけてみよう、あっその前に鑑定しておこうかな」


石の剣 STR+1

石の盾 VIT+1

一角うさぎの胴当て VIT+1


「ほんとに初心者用って感じの装備だな。


でももらえるだけありがたいから、大切に使わせてもらおう。


でも剣の方はほとんど切れ味がなさそうだから叩き潰すことになりそう。俺に魔物を倒せるかな?


おっとあと100mくらいで魔物が近くを通りそうだから早くしないと」


素早く胴当てを装備して石の剣と石の盾を前に構えた。


すると少し右側の木の影から小型犬くらいの大きさの角が立派なうさぎが飛び出してきた。


すると鑑定が発動したみたいで


一角うさぎ Lv3


(なるほど人と魔物では鑑定の結果が違ってくるのか!)


うさぎはどうやらここで俺に気づいたらしく進路を変え俺の方に向けてその角を向けてきた。


それに合わせて俺もまるで体が知っているかのように前に出てうさぎの角を回避しつつうさぎの首を左の側面から力を込めて振り下ろした。


するとうさぎの首が潰れうさぎは死んだ。


俺はその光景をみて思わずお腹の中にあるものを地面に吐き出してしまった。


「生きていくために殺したとはいえ平和な日本育ちだった俺には少しばかりきついな。

これから冒険者になるにはこの光景にもなれなきゃいけないのか」


そう思いつつそのまま5分ほど自分を落ち着かせるための時間をとり自分が殺したうさぎのもとに向かった。


「しかし、俺は解体の仕方なんか分からないし

これはマジックボックスの中に入れて街に持っていくとするか、そういえばステータスって何か変わったりしたかな?」


ステータス

名前木下圭(きのした けい)

年齢 16

職業なし

レベル 2

HP 150 MP 210

STR 40 VIT 40

AGT 40 DEF 40

INT 40 ステータス割り振り残り5

剣術Lv3 盾術Lv2 身体強化Lv3

生命探知Lv3 気配消去Lv3 鑑定

光魔法Lv1 水魔法Lv1 

雷魔法Lv1 時空魔法Lv1

魔力量増加Lv1 魔力操作Lv1

詠唱破棄

SP10


「へー今の戦闘でレベルが1あがってるな、

初めての戦闘だし妥当といえば妥当なのかな?


それとレベルが1上がるごとにステータスは5のポイントがもらえるっぽいな。


そうだな、何よりもまず命が大事だから回避するにも逃げるにもAGIが必要だからそれに入れよう」


そしてステータスを割り振ったあとがこちら


ステータス

名前木下圭(きのした けい)

年齢 16

職業なし

レベル 2

HP 150 MP 210

STR 40 VIT 40

AGT 45 DEF 40

INT 40 ステータス割り振り残り5

剣術Lv3 盾術Lv2 身体強化Lv3

生命探知Lv3 気配消去Lv3 鑑定

光魔法Lv1 水魔法Lv1 

雷魔法Lv1 時空魔法Lv1

魔力量増加Lv1 魔力操作Lv1

詠唱破棄

SP10


「よし、スキルポイントは今のところ変えるところがないからこのままでいいかな。じゃあうさぎを回収してそろそろ街に向かおう」


うざきをマジックボックにいれその場を後にした。10分ほど森を下ると森の終わりが見えてきた。


森を抜けると大体20km先に大きな外壁が見えた。


(とりあえずはあの街を目指そうかな)


「それにしてもこんなにも離れてても外壁が大きく見えるなんて

相当でかそうな街だな、身体能力をもう少し調べてみたいから

走りながら向かってみるか」


すると20km程の距離を40分程でついてしまった。

それにあまり疲れてもいない


「いやー思った以上に身体能力が上がってるみたいだ」


街に入るための門には商人や冒険者などが並んでいたので俺も同じく並ぶことにした。


20分程並ぶと俺の番がやってきた。


街の入り口にはそれなりにがたいの良い衛兵が二人いて、そのうちの一人が俺に話しかけてきた


「ん?見ないやつだな。冒険者か?何か身分を証明できるものって持ってたりするか?」


俺は異世界から来たわけでもちろんそんなものを持ってるわけがない、ここで道中考えていた言い訳を持ち出した。


「俺は近くの村で狩人をやっていたのですが、

もっとお金を稼ぎたいと考えて街に冒険者になりに来たんですよ、だから身分証は持ってなくて」


「なるほど、出稼ぎのやつか。お前も大変だな、それじゃあ銅貨2枚は払えるか?」


ここで通貨の単位なんだけど

アルテミス様によると

石貨が十円

銅貨が百円

大銅貨が千円

銀貨が1万円

大銀貨が十万円

金貨が百万円

大金貨が一千万円

虹貨が一億円となっている。


ちなみにアルテミス様からもらったお金は

大銀貨1枚分つまり十万円だ

流石はアルテミス様である。


銅貨2枚と言われたので俺は懐から銅貨を2枚衛兵に渡した。


「よし、それじゃあ通っていいぞ。


冒険者になるなら早めにな。冒険者カードを持っていれば街に入る時に取られるお金も銅貨1枚になるからな。


それと冒険者ギルドはこのまま道をまっすぐ行って貴族街や領主の館をぐるっと回った反対側にあるから向こう側に行った時にまた聞いてみたらいいぞ。頑張れよ」


「はい!ご親切にありがとうございます!

精一杯頑張ります!」


と優しいお兄さんにお礼を言って街の中に入った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る