第6話 夕暮れの宿

ミリアさんの言われたとおり冒険者ギルドを出て右に行き3番目の通路を左に行くと

そこには夕日のマークが書かれた木の板が店先に出ている宿があったので

ここが「夕焼けの宿」だろうと思い扉を開けて中に入った。


「いらっしゃーい、お客さん一人?」


中に入ると15、6くらいの女の子が出迎えてくれた。


「はい、食事付きで10日ほど宿を取りたいんだけど空いてたりするかな?」


「ちょっと待っててね、お母さんに確認してくるから!」


そう言って娘は元気よく厨房の中に入っていった。少し待っていると少しだけふくよかな

30歳くらいの女性が奥から出てきた


「うちは夕焼けの宿の女将をやってる、マリってもんだよ。気軽にマリとか女将って呼んでおくれ、そしてさっきのは娘の」


「ユリだよ!」


「もう少し静かにしなさい!」


「はーい」


と全く反省してなさそうなユリは他の客の注文を取りに他の客のもとへ走っていった。


「全く…ごめんね、家の娘が落ち着きがなくて」


「いえ、元気が良いほうがこっちも元気になるってものですよ。だから気にしないでください」


そう言うとその女将は少し驚いたように


「驚いた、若いからもっとめんどくさい客だと思ったのにえらくしっかりしているじゃないか!しっかりとしたお客は家としても大歓迎だよ!この落ち着きを少し娘に与えたいものだね。おっと、そうだ。10日程家の宿に止まりたいんだって?」


「はい、とりあえず10日くらい食事付きで止まりたいんですけど空いてますか?」


「とりあえずってことはもっといる可能性もあるってことだね?家の宿は自分で言うのはなんだけど結構人気でね、普段なら空いてないんだけど、今日たまたま一室空いてね。一人部屋でそこでいいならいいよ」


「ほんとですか!?良かった。

たまたま空いてるなんてとても幸運ですね

10日食事付きでどのくらいですか?」


「素泊まりで10日なら銀貨1枚で

朝と夜食事をつけるなら銀貨2枚だよ

どうだい?家の宿で泊まるかい?」


(10日食事ありで銀貨2枚、、日本円で2万円って普通に考えて安すぎるくらいだな。ミリアさんのおすすめでもあるしこれは泊まる1択だな)


「もちろん、お願いします」


と言いながら懐から銀貨を2枚取り出し

女将に渡した。


「了解だよ、それじゃあ朝と晩になったらこの食堂に降りておいでそしたら日替わりメニューを席に持っていくからね。

もしいらなくなったら前もって言っておいてくれたらその分のお金は返すから。

それともし泊まる日程を伸ばしたいならうちかユリに言ってその分のお金を渡してくれたらその分のばすよ。

あっ今日の晩ごはんはどうする?いるなら銅貨2枚だよ。」


「色々と分かりました。今日の晩ごはんもいただきます」


そしてまた懐から銅貨を2枚渡した。


「あいよ、それじゃあ空いてる席に座っておいてくれ、今日は一角うさぎのシチューだよ」


俺は空いていた席に座り5分ほど待っていると

女将の娘ユリがシチューを持ってやってきた


「はーい!お客さんお待たせ!

今日はうすのおすすめで人気メニューの

一角うさぎのシチューだよ!

この白パンをつけながら食べるのがおすすめだから試してね!」


「へー美味しそうだ、ありがとう」


元気なユリからシチューを受け取った!


「それじゃあ、ごゆっくりー!」


俺はシチューを一口口に入れた。一角うさぎの肉がすごく美味しいのか、それともただ単にこの宿の料理人の腕がいいのかは分からないが、日本で口にしていたシチューよりも遥かにこっちのシチューのが美味しい。


一口口に入れるとまた次に手を出してしまい、気がついたらシチューがなくなっていた。

結局このあとシチューを2杯分、銅貨を4枚払い食べてしまい。皿を片付けに来た、ユリに笑われてしまった。


「お客さん、最初に見たときは少し暗いかな?って思ったんだけど割と面白い人なんだね!そんなに家のシチュー気に入ってくれた?」


「すごく美味しかった、またシチューの日が来るのが既に楽しみだよ」 


そう言うとユリは嬉しそうに笑いながら


「それは家としては嬉しい限りだよ!

あっお客さんの部屋は302号室だから、3階だよ!」


それだけ言うとユリは鍵をおいて厨房の中へと戻っていった。


お腹が一杯過ぎて少し息苦しさも感じながら

俺は自分の部屋に行った。


自分の部屋に入ってみるとそこにはシングルのベットが一つおいてあり、とても寝心地が良さそうなベットだった。他には何もなく多少の荷物が置けるぐらいで人によっては少しばかり窮屈に感じるだろうが、俺は全く気にならないので


俺は光魔法Lv1で使えそうかなと思っていた

浄化を使い体を綺麗にしてベットに横になった。


「これで異世界一日目が終わったな。

神様がくれたギフトのおかげてなんとか生きていけそうだから良かった。

でも気を抜かずに明日からも生きるために、異世界を楽しむために頑張ろう」


そんなことを思っているといつの間にか意識は闇の中へと沈んでいったのだった。


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マジックバック


銀貨7枚 大銅貨8枚 銅貨2枚

の日本円で7万8200円

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