第5話 冒険者ギルド

先程はうちの冒険者が迷惑をお掛けしてすみませんでした」


受付嬢はそう言って綺麗なお辞儀で謝った。


「いや、そんな頭を上げてください!

むしろ俺が派手に飛んだせいで騒ぎを大きくしてしまって申し訳ないです」


「いえ、ケイ様の行動はとても理にかなっていました。立ち向かっていたらきっとゲッソはケイ様に目をつけ今後も絡んできたでしょうから」


「なら尚更受付嬢さんが謝る必要はないってことで手続付きにいきましょう?」


そうやって俺が受付嬢を促すと受付嬢は美人な顔を綻ばせながら


「ふふ、ケイ様は優しいんですね。

分かりました。それでは冒険者手続きを始めましょうか。

ではまず初めに私は冒険者ギルドの受付嬢をやっております、ミリアと申します。

気軽にミリアと呼んでください」


「はい、それではミリアさんと呼ばせてもらいます。よろしくお願いします」


するとミリアさんは何故か少し不本意な顔をしたがすぐに元の顔に戻り


「こちらこそよろしくお願いします。

まず冒険者ギルドの説明から入りたいのですがよろしいでしょうか?」


もちろん冒険者ギルドについて何も知らないので俺はすぐに肯定の意を伝えた。


「かしこまりました。ではまず冒険者ギルドとは主に冒険者にギルドに登録された冒険者と呼ばれる方々が街の中の住人から出されるお手伝いや、街の外にある薬草などの採集依頼、危険な地域に行っての調査、危険な魔物の討伐など多岐に渡る様々な仕事をするのをサポートするための組織となります。


冒険者ギルドは国に関係なく世界中に存在し独立した存在ですから国からの不当な扱いなどは一切させませんのでご安心ください。


次に階級についてです。

階級はS、A、B、C、D、E、F、Gの8の階級に分かれております。また別の言い方としては

DからGまでを下級冒険者、BとCは中級冒険者

SとAを上級冒険者とも言います。

上級冒険者までになると独自の権力を持つことになります。


しかしC級以上となるとすべて昇格するのに

厳しい試験が伴いますので簡単には

中級以上の冒険者にはなれません。


S級にいたっては現在全世界でたったの9人しかおらず我々はこの9人を「世界の護り手」と呼んでおり、この一人一人が1国家と同じ武力を持っています。ですから冒険者はS級の皆さんを敬っているのです。


依頼を受けるときですがクエストボートと呼ばれる板からクエストの書かれた紙を受付に持って言うことによって受けられます。受ける時は1つ上の階級まで受けられ、失敗し続けた場合級を落とされる場合もあるので注意してください。


クエストには常駐のもの、通常のもの、緊急のものの3つがあります。常駐のものは薬草などの主に需要がなくならないものですので受付で発注はしなくてもいつでも持ってきてもらって構いません。


緊急のものは魔物の大繁殖の時で一定のランクより上のものは強制でクエストに参加してもらうことになります。これを拒否した場合最悪冒険者の資格の剥奪に繋がり2度と登録はできなくなるのでお気をつけください。


次に冒険者ギルドの設備について説明します。

まず一階です。ギルドに入って右側にはお食事処

兼酒場があります。左側にはクエストボードがあります。そしてここ受付です。ここでは依頼の発注から受注、魔物の買取まで幅広く行っていますので困ったら何でも聞いてください。


続いて2階ですが構造は一階と変わりません。

しかし中級以上の冒険者専用ですので下級のときは間違っても入らないようお気をつけて下さい。


3階にはいくつかの部屋があり時々ギルドが開催する冒険をするのに必要な知識などを教える講習会が開催されるときは大抵がここになります。講習会は一律銅貨5枚で受けられます。


4階はギルドにとって大事なお客様を案内する部屋がありまたギルドマスターが居られるので基本的には入ることはできません。最後にここの地下になります。


地下では基本的に武器の扱いを教える指導員がいるのでお金を払うことで教えてもらうことができます。あとは各個人の修行場所にも使われたりするのですが、使っているのはあまりみたことはありません、下級の皆さんは日々を生きるのに必死ですからね。ですがそういった技術はとても大切なのでぜひ時間があるなら受けていってください。

以上で説明は終わりますが、質問はございますか?」


「説明ありがとうございます。では3点ほど聞きたいのですが、まず冒険者どうしの争いごとが起こった場合どうなりますか?」


「説明していませんでしたね、すみません。

基本的には介入いたしません。冒険者様の各自の責任となりますが、剣を抜いた場合衛兵に捕まることになるのでそもそもあまり争いごとは怒らないはずなんですけどね、素手の場合返り討ちにしてもらって構いませんよ」


「2つ目は次の講習会はいつで何についての講習でしょうか?」


「えーと次ですか?次はですね、解体についてで明日ですね。場所は珍しい一階にある解体場になります」


「分かりました。ではそれに参加します。

次に地下の武器に関する指導なんですけど片手剣の指導は受けられますか?」


「はい、大丈夫ですよ?受けられますか?」


「お願いします」


「それでは講習代の銅貨5枚と武器の指導代の銅貨5枚で大銅貨1枚になります」


そう言われたので俺は懐から大銅貨1枚を取り出してミリアさんに渡した。


残りは銀貨9枚と大銅貨8枚銅貨8枚もあるが

計画的に使っていかないとな。


「はい、では明日の鐘が4回なった頃にいらしてください。それとこちらの木札をどうぞ。時間が空いている時にこの札を地下の指導員に渡すと指導を受けられるようになっております。」


この鐘が4回というのは、このガレスの街では午前0時から3時間ごとに鐘がなるので午前9時にギルドに来いという意味になる。


「最後に冒険者カードの発行に移りますが名前の他に職業や使う武器、使う魔法なども登録しますか?」


「それをするとどうなるのですか?」


「ギルドで本当に使えるのか確かめるので使える武器や魔法が書いてあるとパーティーメンバーが集まりやすくまた組みやすくなります」


(なるほど、そういった利点があるのか。

でも当分はソロで力をつけていきたいし、

今はまだいいかな)


「それはあとでも登録できるのですか?」


「もちろんです、いつ登録なさっても構いません」


「なら今はまだ名前だけで大丈夫です。

ではケイ様で登録します。このカードに血を1滴垂らしてもらっていいですか?」


とミリアさんから針をもらったのでゆっくりと指先に刺し血を1滴垂らすと冒険者カードの名前に名前とランクが表示された。


冒険者ギルドカード

名前ケイ

ランク G

職業 冒険者 武器ー 魔法ー


(ん?職業が冒険者に変わっているこれによって何か変わるのだろうか)


冒険者 全ステータス+2


(おー職業によってステータスに補正がかかるのか

それじゃあステータスを確認してみよう)


ステータス

名前 木下 圭(きのした けい)

年齢 16

職業 冒険者

レベル 2

HP 150 MP 210

STR 43 VIT 44

AGT 48 DEF 42

INT 42

剣術Lv3 盾術Lv2 身体強化Lv3

生命探知Lv3 気配消去Lv3 鑑定

光魔法Lv1 水魔法Lv1 

雷魔法Lv1 時空魔法Lv1

魔力量増加Lv1 魔力操作Lv1

詠唱破棄

SP10


(装備品によってステータスに補正がかかってる為

STRが+1、VITが+2になっているわけか)


「以上で冒険者登録は終わりですが、質問は他にございませんか?」


んー一角うさぎはせっかく明日解体を教えてもらうからその時自分でやってみたい、なら良い宿を紹介してもらいたいな、ミリアさんなら信用できそうだ


「オススメの宿とかあったりしますか?」


すると少しだけ考えたミリアさんは


「そうですね、では出て右に行き3番目の通路を左に行くと通路のところに夕暮れの宿という宿があるのですが、ご飯がとても美味しいですよ」


ご飯が美味しいところなら大歓迎だ


「ありがとうございます、では宿はそこにしますね。ではまた明日伺います」


「分かりました。最後に一つアドバイスです。

冒険者が丁寧に話してるとなめられやすいのでもう少し砕けた感じで話した方がいいと思いますよ」


「んー分かった、じゃあ明日からはこんな感じで話していくよ。俺もこんな風にしたからミリアさんももっと楽に話してよ、ケイ様じゃなくてケイでいいよ。」


「とてもいいと思います。分かった、私も少し砕けた感じで話すことにしますね。ではケイさんと」


「そんな感じでいいよ、じゃあまた明日ね」


そう会話を終わらせて俺はミリアさんにおすすめされた夕暮れの宿に向かった。


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