第34話 切り裂き熊

1階に着くと、俺は切り裂き大熊のクエストを取るために、クエストボードのある方へと向かった。


Cランクのクエストが貼ってあるボードの前にいくと、上の方に、切り裂き大熊討伐のクエストが貼ってあった。それを手に取り、俺はミリアさんの列に並んだ。


「ケイさん、おはようございます!今日もトルーヤさんの所で訓練ですか?」


「ううん、今日はトルーヤさんからの卒業試験で、切り裂き大熊の討伐をしてこいと言われてね」


手に持っている切り裂き大熊のクエスト票をミリアさんに渡した。

すると、ミリアさんの顔が、不安そうな顔へと変わった。


「切り裂き大熊ですか、近頃ケイさんが、トルーヤさんと訓練していたのは、知っているんですけど、切り裂き大熊は、別名ベテラン殺しとも呼ばれ、今まで出てきた魔物よりも、一味も二味も違う魔物になります。ケイさんには、実力があると、トルーヤさんから聞いてはおりますが、心配です」


「そんなに切り裂き大熊は強いんだ。でも、トルーヤさんが、卒業試験として俺に出すってことは、俺なら倒せるって事だと思うから、そんなに心配しなくても大丈夫だよ。それとも、トルーヤさんが無茶なことを言うと思う?」


そこまで言うとミリアさんは、一息つき、俺に対してまっすぐと見つめてきた。


「もちろん、トルーヤさんのことは信じてますけど、それに加えてケイさんなら、危険になる前に引き返せる人だと思うので、切り裂き大熊の討伐を受諾します」


「ありがとうミリアさん、これで受けられなかったら、トルーヤさんに何て言われるか」


「いいですか?あくまで、危険と判断したら、すぐに逃げてください。切り裂き大熊は、とても走るのが速いので、一瞬の判断が命取りとなりますから」


「もちろんです。今回で無理に討伐しようとは、思ってないよ。危険と判断したら逃げる。命大事にで、行動するから安心して」


「なんだがケイさん、この2週間ほどですっかりと、冒険者の顔になってきましたね。分かりました。私は信じて待つことにします。頑張ってくださいね」


ミリアさんは笑顔でそう言ってくれた。


「ミリアさんに応援されたんだ、負けるわけないよ。それじゃあ行ってきます」


ミリアさんにそう話したあと、俺は、幻の森に行くために、冒険者ギルドをあとにした。


いつものように、おにぎりの売っているお店で、おにぎり二つ、銅貨4枚で買い、西門へと向かった。


西門へと着くと、担当している衛兵の方に、挨拶をして、幻の森へと向かった。


ものの20分で、幻の森へと着いたので、おにぎり2つを食べてから、切り裂き大熊討伐に向けて、森の奥へと入っていった。


切り裂き大熊の強さが、どのくらいかまだ分からず、討伐するのにどれくらいかかるのかも分からないので、ゴブリンや一角うさぎ、暴れ牛、大ガエルなどの敵は回避しつつ、スライムや薬草は回収しながら奥へと向かった。


切り裂き大熊の手下的な存在である、切り裂き熊の生息地までに回収した、スライム液や薬草の数は


スライム液×6


薬草×20


薬草もどき×10


毒消し草×10


麻痺消し草×15


を見つけた。その中でも初めて見つけたのが、毒消し草と麻痺消し草だ。その説明は


毒消し草 状態毒を治す。しかし猛毒には効かない。


麻痺消し草 状態麻痺を治す。


「ここまで来ると、状態異常を治す草が、手にはいるのか。よし、ここからはいつでも切り裂き大熊が、来る可能性があるから、気を引き締めていこう」


切り裂き熊の清楚口に入ってから、10分程で生命探知に、それなりに強そうな反応が、2つあった。


「2つってことは、切り裂き熊ではないよな?これで切り裂き大熊だったら、逃げないといけないけど、切り裂き熊に会ったことがないから、判断が出来ないな」


結局、まだ敵との距離が300mあるので、遠目から見ることにした。

少し歩くと、200mほど先に魔物の姿が見えてきた。


切り裂き熊 Lv15


切り裂き熊 Lv16


「とりあえず、切り裂き大熊じゃなくてよかった。でも切り裂き熊は、今まで会ってきた中で、1番強い敵みたいだ。気を抜かずにいこう」


俺は、腰に挿してあるグラムを抜き、魔力でグラムと手を覆い


「雷剣!」


魔法を発動させた。(480/500)

しかし、バチバチと外に放電はしてなく、放電を抑えた、雷纏いの様な状態の雷剣が出来た。放電しないことで、余計な傷を作らず、相手を気絶させる事が出来る。


雷剣を右手で持ち、レベルの高い切り裂き熊の方へと狙いを定めて、雷剣を投射した。


すると、投射スキルLv3は作用しているようで、雷剣はまっすぐと、200m先の切り裂き熊の喉元に突き刺さった。その瞬間、切り裂き熊は2、3度体が揺れ、地面に倒れた。生命探知に反応が失くなっているのを、確認した。もう1体の切り裂き熊は、どこから攻撃をされてい?のか、分からないようで、威嚇だけして、その場に留まっていた。すぐさま、時空魔法でグラムを手元に引き戻し、(475/500)雷剣を発動させ、(455/500)先ほどと同じように、雷剣を投射して、切り裂き熊の喉元へと突き刺さった。生命探知で反応が消えてるのを確認し、一息ついた。


「今の俺なら、切り裂き熊くらいは、余裕をもって倒せるのか。問題は、こいつらのボスである、切り裂き大熊だよな」


切り裂き大熊の事を考えながら、狩った切り裂き熊のもとへ行き、回収した。


「手下がこの辺りにいるなら、普通ボスなら、奥にいるよな」


そう考え、俺は奥へと向かうことにした。


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マジックボックス

金貨1枚 大銀貨3枚 銀貨9 枚 

大銅貨8枚 銅貨0枚

(139万8000円)

下級ポーション×9

中級ポーション×2


石剣 鉄剣 

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