第27話 オスカー

「ケイさん!大丈夫だったんですか!?」


冒険者ギルドに入ると受付にいたミリアさんが俺の方へかけてきた。ミリアさんの列に並んでた冒険者は呆然としている。


「もう歩いて平気なんですか?休んでたほうがいいんじゃ」


「ポーションも飲んだから、大丈夫だよ。心配掛けてごめん。気をつけたつもりだったんだけど」


「いえ、ケイさんも冒険者の方ですから多少無茶するのは仕方ないと思ってるんですけど、今回はほんとに驚いて、今日はどうしたんですか?まさか狩りに行くとは言わないですよね?」


「もちろんだよ、今日はオスカーさんがいたら昨日のお礼をしたいなと思って」


「なるほど、オスカーさんですね。ちょうど今2階にいらっしゃるのでもう少し待っていれば降りてくると思いますよ」


「よかった!すれ違いになってたらどうしようと思ってたんだ」


そう言うとミリアさんが笑顔になった。


「ふふ、昨日の今日ですぐお礼しに来るなんてケイさんは律儀ですね」


「お世話になったんだからすぐお礼をしにくるのは当たり前だよ」


「それじゃ私は仕事が残ってるので、受付に戻りますね」


「ごめん、仕事中に邪魔しちゃって」


「いえ、私が勝手に抜け出しただけなので、あっオリバーさんはきっと見たらすぐわかりますよ。それとこれ昨日ケイさんのリュックに入っていた一角うさぎ3匹の代金です。悪くなるといけないと言ってオスカーさんが換金してくれたんですよ」


俺はミリアさんから銅貨6枚を受け取った。

そしてミリアさんは受付に戻っていった。


「おい、ミリアちゃんがあんなに親しげに話してるぞ、俺達と話すときは笑顔なんて見せてくれないのに」


「あれ、新人か?俺見たことないぞ?」


「あいつ、ダリアちゃんとも親しげに話してたぞ」


「あの新人この前、そこの端の席で赤の牙とトルーヤのメンバーで仲良さそうに飲んでたぞ」


「赤の牙!?Aランクの人たちと面識があるのか、てことはあの新人も相当強いのか?そもそも新人なのか?」


「強さは知らないけどこの前登録してるのを見たから新人には違いないぞ」


「そんなのはどうでもいいんだ!そんなことより俺はミリアちゃんと仲良くなりたい、そしてあわよくば付き合いたい!」


「俺はダリアちゃんと!」


「せめてあの笑顔を向けてくれー!」


「お前らはそんなんだから相手にされないんだよ、そろそろ気づけよ」


ミリアさんと話してたから周りの冒険者からの好奇心の目線が集まってきた。俺は居心地が悪かったので俺は銅貨1枚で飲み物を頼み食堂の端の席に座ることにした。


20分程席で待ってると2階から背中に大剣を背負っている2mを超えた男が降りてきた。


(あれがオスカーさんかな?ミリアさんも見たら分かるって言ってたから、特徴のある人だと思うし)


俺は席を立って降りてきた男のもとに向かった。


「あの、オスカーさんですか?」


「あぁ、俺はオスカーだ。ん?昨日の若者か、俺に何か用か?」


「そうです、Eランク冒険者のケイといいます。昨日は助けていただいたと聞いたので、お礼がいいたくて」


「あまり、気にするな。力あるものが誰かを助けるのは当たり前のことだからな。ケイは訓練熱心だと赤い牙の連中に聞いた。努力する奴は嫌いじゃない、これからもしっかりと精進していくようにな。俺から言うことはそれだけだ」


そう言い残してオスカーは冒険者ギルドを出ていった。

俺はその背中に向かって


「ありがとうございました!」


と言うとオスカーは片手を上げて答えてくれた。


(この世界ってかっこいい人が多すぎないだろうか?、オリバーさんにお礼も言えたから昨日の獲物をロイドの所に行って渡してくるか)


俺は解体場へと向かった。

解体場に入るとロイドがいたので


「ロイドー、いま大丈夫か?」


「ん?おっケイか!動いて大丈夫なのか?」


「ポーション飲んだから大丈夫だよ、解体と報告書をお願いしたいんだけど、今で空いてる?」


「まー朝だからそんなに忙しくないからいいけどよ、解体ってケイ自分でできるだろ?」


「そうなんだけど、解体する時間が勿体なくて、暴れ牛は解体してないんだよ。今度からも暴れ牛とか解体に時間がかかるのは任せたいんだけどいいか?」


「解体してほしいって言うならしない理由がないけどな。いいぞ、そういうのは解体してやる。解体料はしっかりもらうけどな。じゃあ狩ってきた獲物をだしてみろ」


スライム液×16


ゴブリンの右耳×32


一角うさぎ×9


薬草×25    薬草もどき×30


暴れ牛×15


大ガエル×23


「こりゃまたたくさん狩ってきたな。マジックボックスがあるからもあるんだろうが、よくこんだけの数狩れるな、じゃあ報告書書いちゃうから少し待っててくれ」


20分程してロイドが報告書を持ってきた。


報告書


スライム液×16 すべて優


ゴブリンの右耳×32 


一角うさぎ×9 すべて優


薬草×25 すべて優


薬草もどき×30 すべて優


暴れ牛×15 すべて優


大ガエル×23 すべて優


解体料 銀貨2枚


「暴れ牛は大きいから解体料で銀貨2枚もらうけど、いいか?」


「全然いいよ、ありがとう」


「こっちも仕事だからな、気にするな」


俺はロイドさんにお礼を行って受付へと向かった。


ミリアさんの列は人数が多いのでダリアさんの列に並んだ。


「ケイくん、大丈夫そうね、安心したわ」


「はい、心配おかけしてすみません」


「そんなのは気にしなくていいわよ、体あるのが冒険者の仕事みたいな所もあるからね、今日は買取?」


「買取お願いしていい?」


俺は報告書をダリアさんに出した。


「わかったわ。ほんとにケイくんは狩ってくる量が新人じゃないわね。こんなの中級冒険者よりも多いかも」


「そうなの?」


「ええ、ある程度幻の森の奥に行くと大体敵も大きくなったりするから、持ち帰るのが大変なのよ」


「そうなのか、そしたら稼ぎが少なくなるのも納得だな」


「それでも普通に働く男の人よりも高給取りになるから中級ランクぐらいから上の冒険者ってかなりモテたりするのよ?上級になると受付嬢から狙われたりするからケイくんもランクが高くなったら狙われるかもしれないわね」


この世界では月収銀貨15枚もあれば十分稼いでると言われるらしい。


「まだ16ですし、俺はモテないと思いますよ?」


「そう?ケイくんはモテると思うんだけどな。はい、これが今回の買取のお金よ」


そのお金の詳細は


スライム液 銀貨1枚×16

銀貨16枚


ゴブリンの右耳 銅貨5枚×32

銀貨1枚 大銅貨6枚


一角うさぎ 大銅貨2枚×9

銀貨1枚 大銅貨8枚


薬草 銅貨3枚×25 

大銅貨7枚 銅貨5枚


薬草もどき 大銅貨2枚×30

大銅貨6枚


暴れ牛 銀貨5枚×15

大銀貨7枚 銀貨5枚


大ガエル 銀貨2枚×23

大銀貨4枚 銀貨6枚


解体料 ー銀貨2枚


金貨1枚 大銀貨3枚 銀貨9枚

大銅貨7枚 銅貨5枚


「ありがとう、それと中級ポーション2本もらえる?」


貰ったお金から大銀貨1枚取り出してダリアさんに渡した。ダリアさんはお金を受け取ると中級ポーションを持ってきた。


「はい、中級ポーションをなんなく買えるなんてもうケイくんも高給取りね。それと今回のでDランクに昇格になるわね」


「ありがとう、もうDランクなのか」


「それはケイくんがおかしいだけだから、はい冒険者カード」


「俺は普通なんだけどね、ありがとう」


俺はダリアさんにお礼を言って。雷纏いを練習するために地下の訓練場に向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


マジックバック

金貨1枚 大銀貨4枚 銀貨7枚 

大銅貨8枚 銅貨8枚

(147万8800円)

下級ポーション×1

中級ポーション×1


石剣 鉄剣 

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