第25話 雷纏いの代償
冒険者ギルドに入ると俺はいつものようにクエストボードを眺め、特に代わり映えはなかったので、スライム液、大ガエル、暴れ牛の依頼を持って受付へと向かった。今日も変わらずミリアさんは人気なので、自然とダリアさんの列へと足が向いた。
「ケイくん、おはよう。その装備にあってるわね、新しい装備?」
俺の番になるとダリアさんが新調した俺の装備ついて聞いてきた。
「おはよう。そうだね、盾が壊れちゃってそのついでに装備も新調したんだよ。市でいい職人と出会ってね」
「そうなのね、いい職人さんとの繋がりは大事にね。はい、出来たわ。他に用事はある?」
ダリアはクエストの受注が終わり、冒険者カードを渡してきた。
「ありがとう、もちろんそうするよ。下級ポーションを4本もらえる?」
俺は懐から銀貨2枚を取りだしてダリアに渡した。するとダリアは受付の奥に行き下級ポーションを4本持ってきた。
「はい、本当は怪我に備えて偉いわって言うところなんだけどケイくんはそれなりにポーションを買ってるし、あまり無茶はしないでね」
ダリアさんが心配してくれたので俺は優しい声で大丈夫だと伝えるように
「もちろん、俺も注意するし、このポーションは保険だから平気だよ。行ってくるね」
「ならいいわよ、行ってらっしゃい」
俺はダリアに見送られながらギルドを後にした。
この後はいつと同じで行きつけのおにぎりの出店でおにぎりを銅貨4枚で2つ買い、衛兵さんへ声をかけながら西門を通って、幻の森へと向かった。
40分程で幻の森についた俺はおにぎりを食べ探索を開始するのだった。
入ってすぐにゴブリンが3体生命探知に反応した。
ゴブリンLv4
ゴブリンLv4
ゴブリンLv4
ゴブリン達との距離が100mほどになるとゴブリン達の姿が見えてきた。
「ゴブリンは右耳だけ必要だから肉とかは関係ないし、雷魔法を試してみるか」
俺は体に流れる魔力を意識して目の前に50cmほどの槍の形にした魔力を3つ出した。
雷魔法を発動させた。(330/360)
ゴブリン達に向かって放つとまだまだ狙いが甘く、一体だけ体を貫き、他2体はかする程度だった。
しかし雷によってしびれた2体はその場から動けなくなっていた。すぐさま腰につけてる名も無き短剣を抜きゴブリンへと投げた。こちらはもう慣れてきたので寸分違わずゴブリンの頭へと刺さりゴブリンの命を奪った。
時空魔法ですぐ回収して、(325/360)
もう1度名も無き短剣をなげ最後の一体の命を奪った。
(魔法はもう少し練習が必要だな。魔法を発動させたあとでも魔法を操れれば楽なんだけどな。いつもは発動させると魔力が固定されるから、それを魔力によって弾いて敵に当ててるけど、その後に操作するのは無理か。、、いや、固定させた魔法をとは別に魔法を魔力でリードを付けるようにしてその魔力を操ればいいんじゃないか?今はまだ魔力を体外に10mぐらいまでしか操れないから魔力操作のレベルが上がったら試してみよう)
ゴブリンの右耳を回収した後また獲物を見つけに行く為に幻の森の中を進んでいった。
スライムを多く見つけようと思った俺は一時間ほど探し回り
スライム液×16
ゴブリンの右耳×24
一角うさぎ×12
薬草×25
薬草もどき×30
の収穫があった。魔法も交えながら戦ったのでMPが250まで使った。ゴブリンがたくさんいすぎてどこかに大量発生してるんじゃないのか?とも思えるがこの世界ではこれが普通らしい。
しかしここで補足をすると幻の森にいるゴブリンのレベルがおかしいだけで、普通のゴブリンはレベル1、あって2くらいなものらしく大人や場合によっては子供も対処できるので大丈夫みたいだ。
それじゃなんでそんなにたくさんいるゴブリンにギルドは右耳だけで銅貨5枚を払ってくれるのかというとゴブリンには魔石がある。
人形の魔物には大体あるらしいが、ゴブリンの魔石は右耳に埋め込まれていて、その魔石を使って街灯や冷蔵庫、その他諸々の魔道具を賄っているらしいのでギルドは銅貨5枚で買い取ってくれるのだ。
しかし実際ゴブリンの魔石には質より量のようにそこまで価値があるわけではなくゴブリンの右耳は他の街では銅貨1枚ほどで買い取られるらしいのだがガレスの街では単純に幻の森の魔物が強く、新人さんにはゴブリンぐらいしか狩れない為、それを救済する措置として銅貨5枚という金額にしている側面もあるそうだ。
ちなみにこれはすべてミリアさん情報だ。
ある程度スライム液を集めたので大ガエルや暴れ牛を狩るために奥へと入っていった。
そこに行くまででまたゴブリンを5体ほど狩り、歩いていると暴れ牛らしき反応があった。
歩いていくと100m程先に暴れ牛が見える。
(さてと、暴れ牛は肉が売れる大半だから雷魔法で焼くと売れなくなりそうだし、鉄剣に水魔法で水を多い、切断する方法で行こうかな)
名も無き探検を腰にさし、マジックボックスから鉄剣を取り出した。
鉄剣に魔力の膜を張り、水魔法を発動する。
(190/360)
鉄剣の周りには水の膜ができた。
その状態のまま暴れ牛に近づき、残り5mほどで俺に気づいた暴れ牛は立派な角を突き出してきた。それを右側に跳んで避け、牛との距離が3mほど離れた位置に着地してそのまま首を切る軌道で剣を振るった。
剣を振るった時、水の膜が飛んでいき水の刃となって暴れ牛の首を切断した。
(やっぱりこの水魔法の使い方もすごい便利だな。水を飛ばさずに使ったら多分血もつかないだろうし、使いどころ満載だな)
俺は鉄剣を鞘に戻すために水魔法を解除して暴れ牛をいつものように解体し始めた。
20分ほどして解体を終えた俺は解体した暴れ牛をマジックボックスに入れた。
(一角うさぎを解体するのは5分ほどでできたから良かったけど、これからも暴れ牛を狩るには解体時間の20分がもったいないな、暴れ牛とか体が大きいものは解体せずにそのままマジックボックスに入れていこう)
すると新たに生命探知に反応があった。力の大きさとでかさからして大ガエルだろう。
近づくと案の定体長1mほどのカエルがいた。
大ガエルLv13
(前回この大ガエルに殺されかけてるからな、顔の向きに注意して冷静に狩らないと)
俺は鉄剣をマジックボックスにしまい。名も無き短剣をを抜くと駆け出した。
10mほどの距離になると大ガエルが俺に気づき顔をこちらに向けてきた。
(くるっ!)
その瞬間大ガエルの口から鋭利な下が飛び出してきた。前もって大ガエルの正面からずらしていた俺は下の餌食になることなく大ガエルの元へと辿り着き、素早くカエルの首を短剣で切り落とした。
(顔の向きと来るタイミングさえつかめば大ガエルも簡単に狩れそうだな)
大ガエルを解体しマジックボックスに入れて次の獲物の元へと向かった。
5分程で次の獲物の反応があったので
100mほどまで近づくと姿が見えてきた。
大ガエルLv12
(それじゃ次は体全体に雷を纏うあの魔法を試してみようかな)
240ほどまで回復していたMPの内の200を使い全身に魔力を纏い雷魔法を発動させた。
すると全身に雷が発生してバチバチと音を立て始めた。
(今度からこの状態を雷纏いって呼ぼうか、よしそれじゃさくっと大ガエルを狩るか)
俺は足に力を入れて大ガエルに向けて駆け出した。
「!!!」
すると目の前に大ガエルがいた。
俺は驚きつつも短剣で大ガエルの首を切り裂いた。俺は大ガエルをマジックボックスにしまいつつ
「裏庭で試したときは空に向かって跳んだから重力によって10mほどだったのか。それにしてもおかしいだろ、大ガエルとの距離は100mはあったのにそれを一瞬とか人外すぎだろ。でもこれすごい楽しいな」
楽しくなった俺は雷纏いのまま狩りを続けた。
そこから結局日が沈み出す頃までの2時間ほどで俺が狩った獲物は
大ガエル×21
暴れ牛×14
だった。相手が強くなる分、出会う頻度も少なかった。生命探知がなかったらもっと少なかっただろう。人によっては狩れないやつもいるかもしれない。
(魔物のいる間隔が広かったな、あれか?それぞれが縄張りのような意識を持ってるのだろうか、まーでもこれからも敵が強くなると思うしすごく強い敵が連続して襲ってきたら恐ろしい限りだから俺としてはありがたいことか)
俺は一角うさぎを包み葉でくるみリュックに入れて、森を出るまで雷纏いのままで進み、森を出たところで雷纏いを解除した。
「っぁ!!!あが!!!」
その瞬間体を激痛が走り抜けた。
「なっ、、、、に、、が、、、おこ、、、、っ、、て、、」
状況の把握ができない俺はそれだけ言うとあまりの痛みに俺はそのまま意識を失ってしまうのだった。
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マジックバック
銀貨8枚 銅貨9枚
(8万900円)
下級ポーション×1
中級ポーション×1
石剣 鉄剣
スライム液×16
ゴブリンの右耳×32
一角うさぎ×12
薬草×25 薬草もどき×30
暴れ牛×15
大ガエル×23
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