第26話 グラム

目を開けるとそこには見慣れた夕暮れの宿の天井があった。


「あれ、俺どうやって戻ってきたんだ?いたっ!!」


状況を把握しようと体を持ち上げようと体に力を入れた時、全身に痛みが走った。


「はぁはぁ、そうだ、幻の森を出て雷纏を解除した時に体に激痛がはしってそのまま意識を失ったのか。でもそうしたら最悪俺はゴブリンや一角うさぎに殺される所だったんだが、誰がここまで運んでくれたんだろう」


窓の外を見てみると明るかった。つまり1日眠ってるか、それ以上寝ていたことになる。いろんな情報を得るためにまずは体の痛みをどうにかしなければいけないと考えた俺は痛みに耐えながらもマジックボックスから下級ポーションを口で開けて一気に飲み干した。すると多少は痛みが減ったのかもしれないが、全然痛みがなくならない。


「下級ポーションじゃ足らないのか?それともそもそもポーションじゃ治せないのか?」


俺は大怪我した時ように買っておいた中級ポーションを取り出した飲み干した。


すると痛みが引き、動けるようになった。


「あの痛みは筋肉を活性化させて動いた時に筋肉繊維がボロボロになったのが原因で起きたのか?それを治すためには下級ポーションでは筋肉繊維を全部治すことはできず、中級ポーションではないといけないのか。流石にあんな人外な力をなんの代償もなしに使うのは無理か。でもこれを理由に雷纏いを使わないようにするのはもったいないな。だからどのくらいで筋肉繊維が壊れるのかとかどのくらいなら持つのかとか実験して有効に使えるようにしなきゃな」


とりあえず昨日の狩りでステータスがどう変わったのかを見るために自分自身を鑑定した。


ステータス

名前 木下 圭(きのした けい)

年齢 16

職業 冒険者

レベル 11

HP 600 MP 400

STR 52 VIT 51

AGT 78 DEF 52

INT 57

残りステータス割り振り20ポイント

剣術Lv3 短剣術Lv2 体術Lv2

盾術Lv2 身体強化Lv4

生命探知Lv3 気配消去Lv3 投射Lv2

解体Lv2 鑑定

光魔法Lv1 水魔法Lv2 

雷魔法Lv3 時空魔法Lv2

魔力量増加Lv2 魔力操作Lv4

詠唱破棄

SP60


「うわ!すごいレベルが4つも上がってるよ。それに魔法関連のスキルのレベルが上がってるのも嬉しいな。雷魔法は雷槍や雷纏いを使ったのが原因で2つも上がってるのか?スキルポイントはまだいいとして、ステータスポイントは何に振ろうか、雷纏いを長く使えるためには体の丈夫さも関係すると思うから、、決めた!VITに10ポイント、AGIに10ポイント降ることにしよう」


ステータス

名前 木下 圭(きのした けい)

年齢 16

職業 冒険者

レベル 11

HP 600 MP 400

STR 52 VIT 61

AGT 88 DEF 52

INT 57

残りステータス割り振り20ポイント

剣術Lv3 短剣術Lv2 体術Lv2

盾術Lv2 身体強化Lv4

生命探知Lv3 気配消去Lv3 投射Lv2

解体Lv2 鑑定

光魔法Lv1 水魔法Lv2 

雷魔法Lv3 時空魔法Lv2

魔力量増加Lv2 魔力操作Lv3

詠唱破棄

SP60


「よし、次は名も無き短剣の確認だな」


名も無き短剣を取り出すと前まであった汚れが綺麗さっぱりと消え去っていた。


「  」 LV6

STR+18 AGI+18 斬切


「前までこんなに綺麗じゃなかったよな?この武器ってホント謎だよ。それにしても名も無き短剣もレベルが結構上がってるな。ん?なんで名前のところが「 」になってんだ?」


気になった俺は「」の部分を指でタッチした。


名前を入力してください


の文字とともによく見るキーボードがガラス状のボードに浮かんできた。


「えっ!今までこんなの一度もなかったのに、名前か、名前ってこの名も無き短剣のってことだよな。んーそうだな、、よし!それじゃ名も無き短剣改めて「グラム」だ!」


グラムは北欧神話に登場する英雄ジークフリートが使っていた剣の名前だ。


グラム LV6

STR+18 AGI+18 斬切


「グラムってこれからもずっと強くなるのか?さり気なく斬切もついてるし、成長が楽しみな分怖くもあるな」


短剣の確認も終わった所で部屋の扉がノックされた。


「ケイさん、起きてますか?」


(この声はユリか、もしかして心配してきてくれたんだろうか?)


「起きてるよ」


俺はベッドから立ち上がり扉を開けながら声をかけた。


「ケ、ケイ!よかった!突然意識のないケイが運ばれてきた時は死んじゃうんじゃないかって心配したし、怖かった!」 


(どうやらかなり心配をかけてしまったようだな。荒事になれてない宿屋のユリにとって、いつも話していた人が意識のない状態で運び込まれたなら驚くし、怖くもなるよな)


「ユリごめんな、もう大丈夫だよ」


「ほんとうに?」


(元気のないユリはちょっと落ち着かないな)


「ああ、だからいつもの元気なユリに戻ってほしいな」


「そっか、なら分かった!ケイはどうする?昨日は夜ご飯食べられなかったし、お腹空いてるんじゃない?下に食べに行こ!」


(やっぱり元気なユリのほうが落ち着くな、昨日は食べれてないってことは俺は1日寝てたってことか)


「そういえば、誰が俺を運んでくれたくれたのか知ってる?」


階段を降りている最中にユリに聞いた。


「えっとね、オスカーさんって冒険者だよ!」


「オスカーさんか、会ったことないな」


「倒れてるのを見つけたから冒険者ギルドでケイの泊まってる場所を聞いて運んでくれたみたい」


「そこまでして運んでくれたのか、ちゃんとお礼をしないとな」


「うん、お礼はしなきゃね」


俺はユリに連れられ下の食堂へと降りていった。


「あっケイ!目を覚ましたんだね!もう起きても大丈夫なのかい?」


降りてきた俺たちを見た女将のマリさんが声をかけてきた。


「はい、心配をおかけしました。ポーションも飲んだので大丈夫です」


「そうかい、あまり無茶しないようにね」


「こんなになったばっかりで信用ないと思うんですけど、気をつけます」


俺は空いている席に座り、少しするとユリが朝ごはんを持ってやってきた。


「今日のサンドイッチはお肉を多めに入れてあるからね!」


「ありがとう」


変わらず美味しい朝ごはんを食べ終わり。

オリバーさんに会うために冒険者ギルドへと向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


マジックバック

銀貨8枚 銅貨9枚

(8万900円)

下級ポーション×1

中級ポーション×1


石剣 鉄剣 


スライム液×16

ゴブリンの右耳×32

一角うさぎ×12

薬草×25 薬草もどき×30

暴れ牛×15

大ガエル×23


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