第24話 魔法の新しい使い方
俺とトルーヤさん、赤い牙の6人は1階のギルドにある食堂に一部に座ってみんなでご飯を食べたりお酒を飲んだりしていた。ちなみに夕暮れの宿には一度入って帰り夕飯はいらないと伝えてある。
この国クラウディアでは15から成人と見られるらしくお酒もその時から飲めるようだ。
だから俺は酔わないようセーブしながらお酒を飲んでいると
「ケイ!そんなんじゃいい男になれないぞ?男ってのはもっとお酒をガッて飲まないとだぞ」
酔ってきたザックがよってきた。
(人外の力を持つザックでも普通に酔うんだな)
「ザックやめなよ、変に絡むとケイに嫌われるよ」
「なんだよーグレイ。俺はケイに男というものをなー」
「はいはい、そんなに飲みたいならアークと飲んでくればいいじゃないか」
「俺はケイと飲みたかったがしょうがないか」
酔っ払いは面倒臭いなと考え始めていた時横からグレイが助けてくれた。
「ケイごめんね、普段は冷静で頼りがいのあるリーダーなんだけどお酒が入るとめんどくさくてね。他のエマやアークもたくさん食べるわ、たくさん飲んで酔っ払うわでいつも大変だからいつも僕が面倒見る羽目になるんだよね」
他の席に目を向けるとエマがすごい勢いでご飯を食べてお酒をがぶ飲みしてたり、アークが樽でお酒を飲んだりとはっきり言ってザックが可愛く見えてくるほどの状態だった。
(あっアークは隣に座っているトルーヤに拳骨をくらって椅子に座り直しているな)
「あまり気にしてないよ。たまにはこういうのも楽しいもんだしね。むしろグレイの苦労を思うとこっちが辛くなってくるよ」
「もうこの三人とは8年近くパーティーを組んでるからこんな感じにも慣れてきたよ。それにしてもケイは若いのにしっかりしてるね」
「そんなに長くパーティーを組んでるんだ。グレイって何歳なの?そんなことない気がするけどな」
「今は25だよ。一番年下が僕で一番年上がザックの28だよ。そうかな?少なくとも僕が見てきた新人の中では一番だと思うけど、まっいっか。ケイはだれかとパーティーを組んだりはしないの?新人だと大体ソロだときついからパーティーを組むものだと思ってたけど」
「そっか、グレイと9歳も年が離れてるのか。パーティーは今はまだって感じかな。後々パーティとかは憧れるけど今はまだソロで実力をつけたいし」
「16でその実力とは恐れ入ったね。僕たちの年にはSランクも目じゃないんじゃないかな?そうだね、ケイの実力なら新人と組むのはきつそうだしね」
「まー少しずつやってくよ、命は惜しいからさ」
「ほら、そういう所がしっかりしてる」
と結果的にはグレイとほとんど話すことになってしまったが身のある話を聞かせてもらいつつ、今日はお開きとなった。酔いつぶれてるザックとアークを運ぶのを手伝おうとしたのだが、グレイとトルーヤが俺たちがやるからケイは先に帰りなと断られてしまったため俺はおとなしく帰路につくことにした。
夕暮れの宿につくとユリが出迎えてくれた。
「ケイおかえり!先輩とのごはんはどうだった?」
「ただいま、かなり為になる話を聞けて楽しかったよ」
「そっか、よかったね!今日はこのまま自室に戻るの?」
「今日はご飯も食べてきちゃったしそのつもりだよ」
「そっか、じゃあおやすみなさい」
「ああ、ユリも仕事頑張ってね」
「ありがとう!」
俺は自室に上がるために階段を登っていった。
自室に戻り、体に浄化をかけてベットに横になり、ステータスを確認することにした。
ステータス
名前 木下 圭(きのした けい)
年齢 16
職業 冒険者
レベル 7
HP 400 MP 360
STR 52 VIT 51
AGT 78 DEF 52
INT 57
残りステータス割り振り0ポイント
剣術Lv3 短剣術Lv2 体術Lv2
盾術Lv2 身体強化Lv4
生命探知Lv3 気配消去Lv3 投射Lv1
解体Lv1 鑑定
光魔法Lv1 水魔法Lv1
雷魔法Lv1 時空魔法Lv1
魔力量増加Lv2 魔力操作Lv3
詠唱破棄
SP20
(訓練だったけど短剣術、体術、魔力操作がそれぞれ上がってるな。魔力操作は訓練場でも練習してたから上がったのかな?でもいい感じに上がってきたな。そろそろ魔力をコントロールして槍を作ったり、体や武器にに纏わせたりできるかな?ま、それは明日からでいいかな)
一通り確認の終わった俺は意識を手放していくのだった。
今日も午前6時を知らせる、3回の鐘の音を聞き俺は目が覚めた。
水魔法で出した水で顔を洗い、早速魔法の練習に入った。
今日は魔力循環ではなくて柔らかくなってきた魔力を使って体を覆って魔法を使ってみたり、槍とか武器をイメージして魔法に殺傷能力をプラスする練習をしてみようと思う。
まずは体の中にある柔らかくなってきた魔力を意識し次に手を覆うように魔力を放出していく。暑さが5cmくらいになったら今度は水魔法を発動させた。すると思ったとおり手の周りには水の膜ができた。動かしても取れることはなくまとわりついたままだ。ここで魔力を解くと手にまとわりついていた水が落ちてしまったがこうなると予想できていたので手を窓の外に出しておいたので床が濡れることはなかった。
部屋の中でこれを雷で行うと危険だと思った俺は夕暮れの宿にある裏庭を貸してもらい、修行の続きを行うことにした。
先程と同様に手を魔力で覆い、ある程度の厚さになった所で雷魔法を発動させた。すると手から雷がバチバチと発生して手を覆った。
相当強い雷なのか雷の線が目で見えバチバチと音を立てている。
普通こんなことをしたら手が焼かれてしまうところだが魔力で覆っているためになんともない、少しむず痒い程度だ。これならスタンガンの様な使い方をしても問題はないだろう。更に発動するときに魔力を少し持っていかれるくらいでその後は継続しても魔力の消費はないようだ。
(ここで継続すると魔力も減っていくってなったら使いどころの判断が大事になってくる所だけどそれがないのならめちゃくちゃ便利だな)
次に今度は名も無き短剣をマジックボックスから取り出して右手と短剣を覆うように魔力を放出していく。ある程度の厚さになったら雷魔法を発動させた。すると短剣の周りにも雷が覆った。
(これなら敵を斬りつけた時追加で雷魔法の攻撃も一緒に通ることになるな)
ここで俺はあるアイディアが浮かんだので雷魔法を解き、今度は短剣だけを魔力で覆い水魔法を発動させてみた。すると短剣の表面には水ができていた。その状態のまま、俺は空に向かって力を込めて短剣を振るった。すると空を引き裂くように水の斬撃が飛んでいった。
(よし!思ったとおりだ。これなら遠距離攻撃の手が増えるな!)
気分が上がってきたので今度は体全体を魔力で覆うことにした。
まず体の表面に無数の穴があるものだとイメージして、その穴から魔力を徐々に出るように放出していく。厚さが5cmほどになった時に俺は雷魔法を発動させた。
すると体の周りに発生した雷の音がバチバチと音を立てて発生し始めた。見た目は完璧にやばいやつになってそうだ。これを発動するだけで俺のMPは200も持っていかれてしまった。
(さっきの手を雷魔法で覆ったときはMPが20程しか持っていかれなかったから10倍も消費MPが違うか、これは使い勝手が悪いな。、、ん?)
この使い方はお蔵入りかなと考えたとき、体がむずむずして活性化しているような感覚を覚えた。
(これって筋肉を雷で刺激しているってこのなのか?とりあえずジャンプでもしてみて比べてみるか、よっ!)
次の瞬間俺は空にいた。下を見てみると10m程はありそうだ。
(は?嘘だろ、これ落ちたら死ぬんじゃないか!?)
重力に逆らえるはずもなく俺は地面に落ちていった。
(こういうのは地面と垂直になったら行けないんだよな)
俺はなけなしの知恵を振り絞ってなんとか生き残る方法を考えた。
地面に足が付くと同時に体を前に倒し受け身を取るかのように地面に転がった。あまりにも衝撃が強すぎたため魔力は解かれてしまっている。
「はぁはぁ、死ぬかと思った。でもこれって身体能力を一気に引き上げることができるんじゃないか?前言撤回、実はこれすごい使えるな」
地面に横になってると草陰から視線を感じた。
よく見てみるとユリがこちらを見ていた。
「あれ?ユリどうしたんだ?」
「えっとね、ケイが裏庭を使って訓練するって言うから見に来たんだけど、予想以上に凄くてびっくりした。魔法ってあんな風に使えるんだね!」
多分ユリは俺が全身に雷をまとって跳んだのを見ていたのかもしれない。
「俺も初めて使ってみたから驚いたよ」
「それにしてもこんな朝から訓練してるなんてケイは偉いね」
「そんなことないよ、ユリだって早起きして女将さんの仕事を手伝ってるし、俺が偉いならユリも同じ以上に偉いよ。ただ冒険者と宿屋の娘で立場が少し違うだけ」
そう言うとユリは少し驚いたあと笑顔になり
「えへへ、ありがとう!そんなこと言われたことなかったから嬉しい。あっそうだ、ケイはもうご飯食べる?」
「一区切りしたしご飯食べようかな」
「じゃあ一緒に食堂に向かおう!」
俺とユリは一緒に食堂へと向かった。
一緒に食堂に入ってきた俺たちを見て女将のマリさんが何やらニヤニヤしていたが気にせずにしておこう。
俺はユリが持ってきてくれた朝食を食べてからユリと女将さんに一声かけてから冒険者ギルドへと向かった。
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マジックバック
銀貨10枚 大銅貨1枚 銅貨3枚
(10万1300円)
下級ポーション×1
中級ポーション×1
石剣 鉄剣
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