第11話 ゴブリン

ゴブリンを倒したあとまた少し経つと

木のそばに薬草らしきものが生えていたので

近寄ってみると


薬草もどき

一見薬草に見えるが薬草ではない

しかし痛み止めなどに使われる


「えっ!!」


思わず声が出てしまった。魔物を鑑定すると名前とレベルしか表示されないのに対し、薬草もどきはしっかりとその説明も入っていたため

驚いてしまった。


(いや、薬草もどきって。痛み止めに使われるならせめて痛み止め草とかもっと他にあっただろうが!)


薬草もどきという名前を見て思わず突っ込んでしまった。


(まー痛み止めに使われるなら何株か残しつつ採っておくか)


薬草もどきを10株採取して俺はその場をあとにした。


(ここら辺に薬草とか、状態異常に効く草とかあったりしないかな~)


と周りを見渡しながら歩いていると


300mほど後ろから勢いよく一角うさぎが一匹

近づいて来ているのを感じた。


しかし近づいて来ているが俺に向かってきているわけではないようだ。


(そりゃそうか、だって俺気配消去をLv3で持ってるし300mで気づかれてたらこのスキルとった意味がなくなる所だからな)


そんなことを考えている間も一角うさぎはどんどん近づいてきており、残り200mをきっていた。


俺は一角うさぎが通るであろう進路に出ていつもの構えをしながら一角うさぎが突っ込んでくるのを待った。


一角うさぎ Lv3


(レベル3か前と同じだな)


一方一角うさぎは急に出てきた俺にびっくりしつつも更に加速をして、俺の10mほど前で俺の顔に向かってその立派な角を突き立ててきた。


日本にいた俺ならきっと何もできず頭を角で貫かれていただろうがこの世界に来てから身体能力の上がっている俺にとって一角うさぎの攻撃を回避すること容易いことだった。


左側に体ごと一角うさぎの攻撃を避け

トルーヤさんに習った技を一角うさぎの左側の顔に放った。


「シールドバッシュ!!」


進路方向外からの攻撃により

一角うさぎの首が生々しい音をたて折れた


俺は虫の息となった一角うさぎの元に行き止めを指すために首元に石剣を突き立てた。

そしてすぐ一角うさぎは一度びくんと痙攣したあと息を引き取った。


「このくらいのレベルなら特に焦ることなく対処するができるな」


と自分の狩りを褒めつつロイドに習った解体技術を試すために一角うさぎを捌き始めた。


10分ほどして解体し終わった俺はふと足元が気になり確認してみるとそこには


薬草

ポーションの原材料。体を治す効果がある。


「あった!すごい運だな、でもこれで探す手間が省けた」


気分が良くなりながら一角うさぎと薬草5株をマジックボックスにいれた。


「そういえばステータスに変化はないかな?」


ステータス

名前木下圭(きのした けい)

年齢 16

職業 冒険者

レベル 2

HP 150 MP 210

STR 43 VIT 44

AGT 48 DEF 42

INT 42

剣術Lv3 盾術Lv2 身体強化Lv3

生命探知Lv3 気配消去Lv3 鑑定

光魔法Lv1 水魔法Lv1 

雷魔法Lv1 時空魔法Lv1

魔力量増加Lv1 魔力操作Lv1

詠唱破棄

SP10


「流石にゴブリン2匹と一角うさぎ一匹を倒したくらいじゃレベルは上がらないか。

それに解体のスキルもまだないし、魔法スキルも簡単には上がらなそうだな。地道に練習あるのみか」


俺はステータス表示を閉じて他の獲物を探しにまた森の探索を始めた。


そこからゴブリンを単体で6匹

一角うさぎを2匹

薬草を10株 薬草もどき10株

を討伐や採集をしていると

生命察知スキルに反応があった。


「ゴブリンの反応が7匹、きついか?

いや、剣術や盾術と合わせて魔法も使えば

やってやれないことはないかもしれない。

成長するためにはここは戦おう」


戦うことを決めた俺はいくつかの石を拾い

木々に隠れながらゴブリンたちの姿を見える

100m程まで近づいた。


ゴブリンLv4


ゴブリンLv4


ゴブリンLv4


ゴブリンLv4


ゴブリンLv6


ゴブリンLv7


ゴブリンLv10


(うわ、まじかよ!ゴブリン達の平均レベル高いな。一番高いやつなんてLvが10もあるんだけど、これは本格的に危なくなったら逃げることも考えなきゃな。まず7対1だと圧倒的に数が不利だから近づかれる前に3対1くらいの状況に持っていきたいな)


そう考えた俺は両手に持っている石剣と石盾をマジックボックに入れて

さっき拾った10個ほどの石を足元に出した。


(まず、石がどのくらい当たるかだよな)


地面に落ちている石を拾いゴブリン達のいる所へ思いっきり投げつけた。

100mもあるためゴブリンの頭には当たらなかったもののLv4の一体の腕に当たり吹き飛ばした。


そこでゴブリンたちは俺の方に気づいた。


しかしここで予想外の事態が起こる。

いつもならゴブリンは俺の方に目掛けて一直線に向かってくるはずが

その前にLv10リーダーらしきゴブリンが何か指示を出し、ゴブリンたちが木々を盾にしながらこちらへと向かってきたのだ


(くそ!しっかりと知能があるみたいだ。

これはいつも通りの手順ではうまくいかないかもしれない)


しかしまだまだ俺とゴブリン達とでは距離があるのでゴブリンが木々の隙間を通る瞬間を狙いどんどん石を投げていく。


俺とゴブリン達との距離が50mを切る頃には

10個あった石も投げ終わり、倒せたのはレベル4のゴブリンが2体だけ、その他は見事に無傷のままだ。


俺はすぐさま右手に石剣、左手に石盾をマジックボックスから出し


まだまだ距離があるので近づいているゴブリンたちに向かって

直径1mほどの水球を5個ほど空中に浮かべ

ゴブリンたちの前方に放った。MP 160/210

ゴブリンたちは危険を感じたのか走るのをやめ

水球を回避した。


「「「グギャギャギャギャ!」」」


するとゴブリンたちが俺を馬鹿にしたように笑いながら水球によって水たまりになっている所を踏みながらこちらにやってこようとした。


そこで俺はすかさず先程の水球よりも小さい直径50cmくらいの雷球を5つ出し水たまりになっている所に向けて放った。MP135/210


「バカはお前らだ!」


水に落ちた雷は水を伝って近くにいたゴブリンたちを襲った。


これによってレベル4のゴブリンが2体死に

他の3体のゴブリンは死にはしなかっものの感電しているようだ。

これによって3対1の状況となり

好機と感じた俺は一番近くにいるレベル6の

ゴブリンに向かって飛び出していった。


(痺れてる今のうちに仕留めよう!)


俺が近づいてもゴブリンはまだしびれているようで簡単に殺せてしまった為

俺はすぐに近くにいたレベル7のゴブリンを殺すために動き出した。


こちらのゴブリンもまだしびれているようで

簡単に首を跳ねることができた。


(よし!このまま最後レベル10のゴブリンを、、、ゴフッッッ!)


俺は左からの攻撃を咄嗟に石盾でガードしたものの威力が強く3mほど飛ばされた後気にぶつかりやっと止まった。


(くそ!油断して一番強いゴブリンから目を話すなんて!)


ゴブリンは追い打ちをかけようとこちらに走ってくる。


俺は迎え打とうと体を起き上がらせようとすると


「ッ!!!」


幸い体はどこも折れていなかったみたいだが

転んだ際、鋭利な木の枝で切ったようで

左腕が切れ盾を持てるような状態ではなかった。


しかしそんな状態でも敵は待ってくれない。すぐ目の前に迫ったゴブリンは遠慮なく棍棒を俺めがけて振り下ろしてきた。


俺はなんとか右側に回りながら回避をした。


ドゴーン!!


すごい音を立てながら先程まで俺のいた木の半分ほどが抉られていた


(うわ、パワーが凄まじいな)


俺はすぐさまマジックボックスから下級ポーションを取り出し口で栓を開けて左腕にかけた。


(すごい、みるみるするうちに地が止まり傷が治っていく)


傷が治った俺は縦がないので右手で持っている石剣を正面に構えゴブリンと対峙した。


先に動いたのはゴブリンだ。


俺が盾がないのが分かっているため、確実に潰そうと両手で混紡を持ち思いっきり振りかぶり振り下ろした。


その時俺は時空魔法で盾を自分の元へと引き寄せその攻撃をなんとかそらすことに成功する。


そうして体勢を崩したゴブリンはあっけなく俺の右手にある石剣によって首を落とされるのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーー


マジックバック

銀貨2枚 銅貨2枚 (2万200円)

下級ポーション×1

中級ポーション×1


ゴブリンの右耳×8

一角うさぎ×3

薬草15株

薬草もどき20株

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る