第12話 ガレスの街灯
ゴブリンの首を切ったあと、ゴブリンが死んでいるのを見て一息ついた。
「ふぅー危ないところだった。
自分に有利な状況だとしても油断だけはしちゃいけないな、危うく死ぬところだった。
それにしても今日だけで死体をそれなりに見たが未だに慣れないな」
その後まず汚れているので光魔法の浄化を唱えて、(130/210)体を綺麗にし、倒したゴブリンたちの右耳を回収していった。
最後のゴブリンの耳を回収した所で空が赤くなってきているのに気づいた。
「やばっ!早くしないと暗くなっちゃうな」
そこから森を抜けるのに走って20分森を出てから西門まで40分かかり結局門についたときにはそれなりに暗くなった後になってしまった。
それでも門の前には俺の他に探検終わりの冒険者がそれなりにいたのでその列に並び15分後くらい経つと俺の番が来た。
「遅くまでごくろうさん、今日は何も取れなかったか、あまり落ち込まずに明日がんばれよ、冒険者カード出せるか?」
荷物はすべてマジックボックスに入っている為
傍から見ると遅くまで頑張ったが何も収穫のない新人に見えるため衛兵さんに励まされてしまった。
衛兵さんの話によると実際新人となると収穫が0ということも珍しくない為よく見かける光景らしい。
懐から冒険者カードと銅貨1枚を取り出し、衛兵さんに渡すと
「よし、通っていいぞ」
と許可をもらったので
「衛兵さん達もお仕事ご苦労さまです!」
俺は一言衛兵さんに声をかけ門の中へと入っていった。
ガレスの街に入ると変わらず道の脇に多くの商品が並べられていた。
普通なら暗くて見えなくなってしまう為
午後6時を過ぎた位には片付けるはずだが
このガレスでは道の真ん中に5m間隔で
明かりが灯る街灯がついていて、
基本的な宿の地区には15m間隔で
魔道具の街灯がついている。
また領主に申請を出している宿は信用に足れば
1つ電球のような魔道具が貸し出され
宿の中はは基本的に明るくなっている。
商業地区に関しては一店舗に2つ電球の魔道具が領主から貸し出されており
夜遅くまで明かりが灯っているのだ。
明るくなることによってこのガレスの街では
長く商売をすることができ、かつ他の街に比べると犯罪の数も減っているので、商人にとってもお客にとっても安心して売り買いができる
環境となっている。
(それにしてもきれいだよな。異世界によっては夜になったら明かりがなく行動ができないこともありえたから、行動できる時間が増えるのはとても助かる。そういえば、いつまでもマジックボックスに入れられるからって手ぶらでいると獲物なしと判断されるし、それが続くと周りからも変に思われる可能性が高いから、今日の獲物を売って明日バックやリュックを買うことにするか)
明日の計画を立てながら俺は冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドに入ると俺と同様に
クエストを終えた冒険者たちが受付で報告したり、酒場で宴をしていた。
(これでこそ、冒険者!って感じの光景だな)
俺はクエストの報告をするためにミリアさんの列に並んだ。
相変わらず人気なミリアさんの列は長く
20分ほどして俺の番になった。
(流石にこの待つ時間は長すぎるな、
もしマジックボックスの情報をギルドが漏らさないってなったら他の受付嬢の所に並ぶのもありか?ちょっと後で聞いてみよう)
「あっケイさん!お疲れ様です。
怪我はしてないみたいですね。
クエストはどうでしたか?」
「なんとか終わらせることができたよ。
素材を出したいんだけどどうしたらいい?」
「でしたら、解体場まで直接行って下さい。
ロイドさんも素材の判定ができるので、そこで報告書を書いてもらい、ここで換金やクエスト報告をしてください」
(なるほどな、そのシステムでいったら
俺のマジックボックスは隠すことができるか)
「分かった、ありがとう」
俺はロイドのいる解体場へと向かった。
解体場に入るとロイドが他の魔物の解体をしているのが見えた。
ロック鳥 Lv15
どうやら鑑定が反応したようだ。
ここで説明すると、どうやら魔物や植物などはこっちの意志と関係なく鑑定してしまうが
人のステータス等の鑑定は俺のしかできないらしく、これはあくまで予想だが看破などの違うスキルが必要なんじゃないかと思ってる。
「ロイドー、今ちょっと大丈夫か?」
声をかけるとロイドは手の動きを止め
俺の方に顔を向けてきた。
「おっケイか、すまんが今手を離せそうにないから少しだけ待ってくれないか?」
俺はロイドに了承の意を伝え待っていると
5分ほどしてロイドが俺の方へと来た。
「遅れてすまんな、それでどうした?
何か解体で分かんないことがあったのか?」
「いや、解体の方はロイドに教えて貰った分で今のところ十分だよ。今日は別件だ。
ミリアさんがロイドは魔物とか素材の判別ができるからロイドに報告書を書いてもらって来てって」
この言葉だけでロイドは状況を理解したらしく
「あーなるほどな、ケイのマジックボックスを見せないためにここで色々と判別してほしいってことか、いいぜ任せろ」
てことで俺は遠慮なく獲物を出した。
ゴブリンの右耳×13
一角うさぎの素材×3
薬草×15株 薬草もどき×20株
「おっ!新人の割には結構狩ったほうだな。
ゴブリンを13体も狩るなんて新人には見つけるのもそうなんだが勝てないからな。やるじゃねぇーか、一角うさぎもかなり状態いいし
薬草ももどきも普通こんなに見つけられないぞ
ケイ、お前ほんとに新人か?」
「たまたま運が良かっただけだよ」
「運だけで薬草とかはともかく魔物は狩れねーけどな、まっいいか、すぐ報告書書くから待っててくれ」
そう言ってロイドは報告書を書き始めた。
ものの5分ほどで報告書はできたらしく
俺に渡してきた。
報告書 ( ロイド )印
ゴブリンの右耳×13
一角うさぎ 体すべて 優×3
薬草×15株 すべて優
薬草もどき×20株 すべて優
どうやら魔物や素材の良し悪しの判断は全部で4段階あり 優ー良ー可ー劣 に分かれている
「すげぇなケイ、新人だとどうしても品質が低くて買い取れないこともあるのに全部優だなんてな、この調子でがんばれよ」
「狩るときに結構気を使ってるからな
ありがとう、それじゃ報告書はもらってくな」
「おう、それとケイはないとは思うが
その報告書に俺以外のやつが手を加えようとするとかなり強い電流が流れて動けなくなるから
気をつけろよ」
(うわ、異世界怖っ。もちろんそんなことするつもりもないが恐ろしい)
俺はもう一度ロイドにお礼を言ってその場をあとにした。
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マジックボックス
銀貨2枚 銅貨2枚 (2万200円)
下級ポーション×1
中級ポーション×1
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