第9話 回復ポーション

今日もまた3回目の鐘、午前6時に目が覚めた。


いつもの様に水魔法で作った水球で顔を洗い、外に水を捨てる。


その後は魔力切れにならないよう光、水、雷といろいろな球を維持をする練習をして2時間くらいすると、お腹が空いてきたので

俺は下の食堂へと向かった。


「あっケイ!良かった、今日は大丈夫そうだね。昨日は死にそうな顔してたから心配したんだよ?」


ユリが心配そうに声をかけてくれたのと同時にその後ろから


「そうだよ、昨日は死んでたんじゃないかってくらい顔色が悪そうだったんだからね。今日は顔色が良さそうだからいいけど、あんまり無茶はいけないよ」


とユリのお母さんでこの宿の女将であるマリも心配そうに声をかけてくれた。


「心配させてすみません、昨日は冒険者ギルドの地下室にある訓練上で熱くなりすぎてしまって、結果疲れすぎてしまいました。今度から気をつけるようにします」


「えっ!ケイって冒険者だったの!?

普通の冒険者よりも細いし、服装ちゃんとしているから商人とかその子供とかかなって思ったよ」


(あー、たしかに俺は細過ぎはしないけど太すぎない平均ぐらいの筋肉だし、いつも浄化できれいにしているからそう思われても仕方ないか)


「そうだったのかい、うちも商人かと思っていたよ。それにしても若いのに感心したものだね。他の大体の若い冒険者なんてろくに訓練もせず、1日1日をぐうたらして生活しているっていうのに」


「そうだよ!それなのに俺達は命をかけて仕事をしているんだ!って威張ってばっかりで、中にはケイみたいに真面目な人もいるんだけどね」


(俺と同じくらいってことは15、6歳ってことか。俺もほんとにその歳くらいなら訓練とか、解体の講習とかを真面目に受けたりはしなかった気がするしその歳の時期って派手に相手を倒そうとか、俺は強い!って思っても仕方ない部分もあるとは思うけど、パーティーを組むときとか良い相手見つかるかな?中には真面目な人がいるってのが嬉しい情報だな)


「冒険者ギルドでも聞きましたよ、最近の若い人は訓練とか講習を受けたりする人が少ないらしいですね」


「まっケイは周りにはつられずにその真面目さのまま、しっかりと頑張るんだよ」


「それで強くなって、お金をたくさん稼いでうちにしっかり落としておいていってね!」


最後にユリらしい言葉を聞いた後

相変わらず美味しい夕暮れの宿の朝ご飯を食べ

た。


(よし、今日は外で魔物を狩りに行こうか、

せっかく解体について学んだんだ、どんどん実践していかないとな。

でも、どこで狩りしたほうがいいんだろうか、その辺りをミリアさんに聞きにいこう。)


俺は夕暮れの宿を出て、寄り道もせず

ミリアさんのいる冒険者ギルドへと向かった


冒険者ギルドに入ると相変わらず人気なミリアさんの前には15人ほどの冒険者が並んでいた。


(うわ、昨日は10人くらいだったから更に多い。他の受付嬢の前には5人位だから、やっぱりミリアさん相当人気あるな。他の受付嬢も綺麗なのは綺麗なのだがどうしてもミリアさんがいると自然とそっちに体が向かうのは分かる)


流石にあの列に並ぶのは嫌だと考えた俺は

先にクエストボードでも見るかと

クエストボードのある方へと向かった。


そこにはベテランそうな冒険者や俺と同じくらいの若さの冒険者が何人かいてクエストボートを眺めていた。


(これまでの話から若い冒険者は不真面目なのかと思ったが、ちゃんと依頼は受けるのか。

いや、中には真面目な人もいるってユリも言ってたから、変な先入観を持つのはやめよう)


俺も他の冒険者と同じようにクエストボートを眺め始めた。


(ふーん、常駐のクエストは薬草や毒消し草などの主にポーションや薬になるものやゴブリンやオークなど繁殖力が強かったりするものなどは要駆除か、普通に増えたら困るものな。それにしてもやっぱりこの世界にはポーションがあるのか、命は大事だしあとでどこで売ってるかしっかり聞いておかないと)


常駐クエストを見終えた俺はGやFランクが受けられるクエストの所へと向かった。


(見た感じGランクの仕事が一番多くて

ランクが上がるごとに少なくなっているみたいだな)


最早AやSランクの依頼は1枚も貼ってなかった。しかしそれもごく当然の事だった。


SやAランクに依頼される討伐依頼の魔物は簡単に村や街を破壊できるほどのやつばかりで、そんな魔物が日常茶飯事に出現しようものならこの世界は簡単に破壊されているというものだ。だからSやAランクに依頼が来るなど1年に数回あれば多いほどであった。


(俺が今SやAランクの事を気にする余裕はないから地道に少しずつランクを上げることに集中しよう)


と切り替えた俺は早速GやFランクのクエストを見始めたのだ。そこには討伐依頼は比較的少なく、あっても一角うさぎやスライム、ゴブリンくらいなものであった。GやFランクの大半を占めているのは街の住民たちのお手伝いや薬草などの採集依頼などがほとんどだった。


(まーGやFランクだからそう強い魔物の討伐依頼なんて出ないか、今日はゴブリンや一角うさぎを狩りつつ、薬草や毒消し草を取りに行こうか)


ゴブリンの討伐、薬草、毒消し草の採集依頼は常駐クエストなので、一角うさぎのクエスト表を持ってミリアさんの元に向かった。


ミリアさんの列に加わって十分程で俺の番がやってきた。


挨拶をして、クエスト表とギルドカードをカウンターの上に出した。


「ケイさんおはようございます!今日は一角うさぎの討伐ですね。ケイさんは慎重そうなので大丈夫だとは思いますが、一角うさぎの角は鋭く危険なので気をつけてくださいね」


「もちろん、安全には特に気をつけるよ」


「はい、とても良いことです。冒険者の仕事も命や体あってこその職業ですからね、気をつけ過ぎて悪いことなんて新人のうちはありませんから。ちなみにケイさんはポーションをお持ちですか?」


「持ってないから買おうと思ってて、丁度ミリアさんにポーションがどこで売ってるか聞こうと思ってたんだよ」


「そうだったんですね、下級と中級ポーションはギルドで売っているんですが、上級、特級となると専門のお店に行かなければありません。

下級と中級ポーションで大丈夫ですか?」


「その前に、各ポーションの治り具合と値段について教えてもらってもいいかな?上級や特級も含めて」


「そうですね、失礼しました。まずそこから説明したほうがいいですね」


ミリアさんの説明を簡単にまとめると


ポーションは蓋を開けなければ劣化することはない。

下級では状態異常を治すことはできないが

中級以上なら程度によっては治すことができる。

ポーションの作り方は国が秘蔵しており基本的に知ることはできない。


次に各ポーションの効果と値段 


下級ポーション 銅貨5枚

基本的な切り傷はこれで治せる。

あまりに深いとあまり効果はない。


中級ポーション 銀貨5枚

相当深い傷でなければこれで治せる。

腕が足などが切れた時、中級では繋がらない。


上級ポーション 金貨1枚

傷はこれで治せる。病には効き目があったりなかったりするが治るものもある。

腕や足などが切れた時きれいした状態で切れた部分があるのならくっつける事ができる。


特急ポーション 大金貨1枚

あらゆる傷、病を治すことができる。 

なくなった体の部位も生やしたり再生させることができる。


(なるほど、上級や特急になると値段が急に跳ね上がるな。しかし大金貨1枚とはいえ欠損部位が治るというのは流石異世界って感じか。俺は光魔法は使えるがまだLvが1だから回復系は使えないから下級2本で、何が起こるか分からないから中級も1本買っておくか)


「説明ありがとう。それじゃあ下級ポーション2本と中級ポーションを1本お願い。それと毒消しとか麻痺消しのポーションって持っておいた方がいいかな?」


俺は懐から銀貨6枚を取り出しながらミリアさんに尋ねた。


「そうですね、一角うさぎが出る森のはじめ辺りですのでその近辺なら状態異常を持つ敵もいないので持つ必要がないと思いますよ。

それに毒消しや麻痺消しなどの状態異常消しのポーションは一律銀貨一枚ですので。

少し奥に行くとなってからでも遅くはないですよ。しかしその代わり状態異常消しのポーションを持ってないときは決して奥に入っては行けないですからね」


ミリアさんから忠告を受けながら俺はポーションを受け取った。


「分かった、ありがとう。森の奥には入らないようにするよ。それじゃ行ってきます」


後ろからミリアさんの気をつけてという声を聞きながら俺はギルドを出た。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

マジックボックス


銀貨2枚と銅貨2枚(2万200円)

下級ポーション×2

中級ポーション×1

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