第8話 地下の訓練場

ミリアさんに連れられ解体場に戻ってきた

俺を見つけたロイドが不思議そうに俺を見て


「ん?どうしたんだミリアとケイ、

ケイの解体した一角うさぎになにか問題でもあったか?」


そこでミリアさんが少し怒った顔でロイドに詰め寄り


「一角うさぎが問題ではないんです。その保管方法がもんだいなんですよ!」


その迫力にロイドは思わず後ずさりながらも


「空間魔法の事か?でもあれなら10年前くらいにも同じようなやつがいたろ?解体場に直接来てたやつで」


「私は10年も前のことは知りませんが、

その人もきっと前にギルドに務めてた受付嬢が貴族などに狙われる危険性を感じて直説解体場に行くように指示して他の人の目に極力触れないようにしたんだと思いますよ」


(なるほどな、ロイドがあまりにもさも当然のように、へーマジックボックスか、なんて言うものだからそこまで珍しくないものだって判断したけど10年に1人くらいの割合でしか出てこないくらいの珍しさだったわけか)


「そ、そうなのか、俺はてっきりマジックボックス持ちはそれなりにいるもんだと思ってたんだよ。だからケイのを見ても久々にマジックボックスもちが解体場に来たなくらいの認識だったんだ」


流石のロイドも美女であるミリアに詰められるとタジタジになるようだ


「これまではそれで良かったかもしれませんが、これからはケイさんがいるので気をつけてくださいね!」


「ああ、分かったよ。ケイもすまねぇな

貴重なもんだって知らなくてな」


「いや、大丈夫だよ。俺も貴重なものだって知らなかったしな。ここでミリアさんに教えてもらったんだから良かったってことでいいよ」


俺がロイドにそう向かった言ったとき

左から圧を感じたので振り向いてみると


怒った顔も可愛いミリアさんが詰め寄ってきた


「確かにこれはギルドの責任でもあるんですけど、それ以前にケイさん自身にも危機感を持ってもらわないと困るんですからね!」


「は、はい!」


となんとか言うと、ミリアさんが満足そうな顔をして頷いていた。


「それじゃあケイさん、一角うさぎを見せてください」


俺は目の前のスペースに解体した一角うさぎを

置いた。


するとここでもまたミリアさんが

驚いた顔をして俺に詰め寄りながら


「無詠唱ってどういうことですか!?」


と言ったのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ミリアさんが落ち着くのを待っていると

少し疲れた顔をしたミリアさんが来て


「無詠唱はマジックボックス以上に狙われやすいと思うのでそれも必ず言わないでくださいね、ロイドもですよ」


とだけいい大人しく一角うさぎを査定していた


少しするとミリアさんが


「こちらは革などが非常にきれいな状態なので大銅貨2枚で買い取らせてもらいますね」


と言われたので了承すると大銅貨2枚を渡されたので受け取った。


ミリアさんはそのまま休憩するそうで疲れた顔をしながら帰っていった


(もう少し自重しないと要らぬトラブルに巻き込まれそうだし

今後はもう少し気をつけることにするか、ミリアさんには悪いことしちゃったかな?)


と罪悪感に包まれながらもロイドと別れ

俺は地下室にある訓練上への向かった。


地下室に向かうとそこには冒険者らしき人1人で剣の素振りをしていたので


「あのGランク冒険者のケイというんですが

ここには指導員がいると聞いたんですけど

あなたが地下室の指導員ですか?」


すると40代半ばくらいはあろう冒険者が


「ああ、俺が地下室の指導員だ。

そんな俺に何のようだ?」


とぶっきらぼうに答えてきたので、俺も思わず


「何のようだ?って指導を受けに決まってるじゃないか、他に何があるっているんだよ」


(あっやば、少し強く言ったからそんな口を聞くやつは帰れ!とか言われたりしないだろうか)


そんな心配をよそに冒険者の男が驚いた顔をして、次第に声を上げて笑い出した。 


「わっはっはっはっ!わっはっはっはっ!

すまんすまん、そりゃ地下室に来たんなら指導を受けに決まってるよな。

最近の若者はまともに指導なんて受けやしないからケイみたいな若者が何しにきやがったってびひらせて帰そうとしちまった。

詫びの代わりにしっかりと指導してやるから勘弁してくれ」


と言われたので特に許さない理由もないため


「通じたのなら別にいいですよ」


「そうかそうか、ケイは心が広いのな

普通ならなんだと!って喧嘩になるとこだぜ。

おっと自己紹介がまだだったな俺は元Cランク冒険者で今は訓練場の指導員をしているトルーヤだ!武器は特殊なやつ以外は全般使えるから何でも言ってくれ」


「改めてケイです。今日は片手剣と盾について指導してもらいにきました」


俺はトルーヤに木の札を渡した。


「なるほど、無難に片手剣と盾がいい組み合わせだ。攻撃と防御の両方が備わってるから特筆した部分がない分最も崩しにくいからな

よし、じゃあ俺に任せろまずは構えを見せてくれ」


構えろと言われたので石剣を右手に石盾を左手に持った。

その後盾を前に押し出し剣を盾を遮蔽物として相手から見えない位置に持っていって構えた。


「ほう、構えはしっかりしてるじゃねぇか

あんまり見ねぇ構えだが隙がなくかつ剣が見えないことによって戦況を有利にする

構えは文句の一つもねぇな。

次その状態から剣を振り下ろし、振り上げ、突きの基本的な動作をしてみろ」


俺は言われたとおりに剣を振りおろし、振り上げ、突きを放ったするとトルーヤはまたしても

感嘆の声を上げ


「ケイ、お前はほんとに初心者か?どれも素人とは思えねぇ程だ。

よし、ケイにはほとんど基礎を教える必要がねぇから実践形式でいこう。

俺が短い武器から長い武器をどんどん入れ替えながら攻撃していくから盾で受け流したり剣で反撃したりみせろよ」


と言われそこから夕方になるまでみっちり訓練に励んだ。そのおかげで剣術と盾術がしっかりと体に馴染み思ったとおりに動かせるようになった。

それに加え剣や盾で相手の攻撃を流す技なども教わることとなった。


しかし言わせてほしい。トルーヤさんはまじで強いし体力おばけすぎるだろ!と


俺はトルーヤさんにお礼をいいその場を後にした。


その後ろには


「いやーいい人材を見つけたぜ、ありゃまだまだ強くなるな、将来が楽しみだ!

わっはっはっ!わっはっはっはっ!」


と満足そうに笑う体力おばけがいたとかいないとか。


その後受付にいるミリアに挨拶をして


夕暮れの宿に戻り意識が飛びそうになりながらも美味しい、美味しい夕食を食べて


自室に戻り、意識を手放した。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


マジックボックス


銀貨8枚と銅貨2枚の(8万200円)

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