第14話 新しいリュック
いつもの様に窓の外から聞こえてくる
3回の鐘の音によって起きた俺は、顔を洗い
朝の日課である、魔法の訓練に入った。
いつもなら水球と雷球を維持して
動かしたりする訓練をするのだが
昨日の戦闘の時に予想以上に役に立ったため
もっと殺傷能力の高い魔法を使えないかと考えた俺は色々と試すことにした。
(雷魔法も雷自体相当殺傷能力があるから
ある程度大きくなくても直径10cmもあれば相手を殺せるだろう。ならその雷球をたくさん出すことから始めよう)
俺は体中に血液のように流れている魔力を
指先に集め目の前に雷球を出した、しかし小さく出そうとした雷球だか実際に出たのは直系25cmくらいの球だった。
(魔力操作のレベルがまだ低いから思ったとおりにいかないな、まずこの球を小さく圧縮する所から始めよう)
目の前に出ている一個の雷球を圧縮しようとするがいくら頑張っても1ミリも動かず
出している間も魔力が徐々に減っているため
一度雷球を消した。
その後色々と試した結果、魔力は金属みたいなものだと分かった。
体の中にあるときはどろどろになっているが体外にでると冷えて固まる金属のように
全く動かなくなってしまうのだ。
だから大きくしたり、小さくしたり
形状を変化させるためには体の中で形を整えて
魔法として体外に出さないといけないのだ。
しかしこの体内で形を整えるのも難しく
説明するのが難しいのだが今の俺の魔力操作技術だとドロドロにもなっていない少しだけ
動かせるようになってきた金属を体の中で回しなんとかして形を整えなければならないのだ。
このことに気づいた俺は魔法を出して維持したり動かすのではなく、
体の中にある魔力をいかに早くどろどろにして回せるのかに重きおいて修行することにした。
新しい発見としては体の中で魔力を巡回させているだけなのでMPを消費しないため
魔力切れを心配せずに練習できるということだ。
2時間ほど練習をしてお腹が減りだしたので
下の食堂に顔を出した。
「ケイおはよう!」
「おはよう」
俺はユリからチーズのかかったパン2つとソーセージ2本をもらい、朝ごはんを食べた。
朝ごはんを完食して俺はバックを買うために
道の両端でやっている出店をみることにした。
「今日もうちはいい品が揃ってるよー!」
「お兄さん、好きな女性にアクセサリーをあげたら一発でお兄さんのものだよ!」
「そこのお姉さん、お姉さん可愛いから今ならお安くしとくよー!うちの商品はどうたい?」
と午前8時を回ったくらいなのに多くの熱い声がそこら中に溢れていた。
(この光景もなかなか日本では見ることのできなかったものだよな。どこにリュック売ってるかな?)
20分ほど出ている商品を眺めながら歩いていると、リュックやバックを売っている所があったので顔を出した。
「おっ!お兄さん見ていくかい?うちにはいい商品がたくさんあるよ!ゆっかりどうぞ」
いくつかのリュックを見ていると明るい茶色をしているリュックが良さそうだったので
「これっていくらくらい?」
「それかい?それは大ガエルからできていて伸縮性もあり、水にも強いから銀貨3枚ってとこだよ!」
(俺の今の手持ちは銀貨4枚と大銅貨1枚だから買えるけど下級ポーションも欲しいからここは1つ値切ってみるかな?」
「そうだな、このリュックすごい良さそうだし銀貨3枚出したいんだけど今手持ちが少ないんだよね、ここは1つお兄さんの男気を見せて銀貨2枚と大銅貨5枚でどう?」
「若いお兄さんにそこまで言われちゃこっちも男気を見せなきゃって所だが大銅貨5枚はきついな、銀貨2枚と大銅貨7枚でどうだ?」
「よし買った!」
俺は商人のお兄さんに銀貨3枚を払い
大銅貨3枚のお釣りをもらった。
「まいど!また来てな兄ちゃん!」
俺は買ったリュックを背負いながら
冒険者ギルドへと向かった。
冒険者ギルドに入ると左側にあるクエストボードを見に向かった。
昨日と特に変わりがなかったため
一角うさぎの依頼表を手にとって
今日はミリアさんの列に並ぼうと思い列に加わった。
「あっケイさんおはようございます!
昨日はひどいじゃないですか!ダリアの所に行くなんて」
俺の番になってミリアさんの所に行くと
そんなことを言われた。
「いや、だってミリアさんの所すごい人並んでたし、しょうがないでしょ?」
そう返すとミリアさんは困った顔をしながら
「それはそうですけど、待ってたのに」
(いや、ミリアさんの美人にそんなこと言われて好きにならないやつがいるのか?まー俺は分をわきまえているから俺のこと好きなのかな?なんてことは思ったりしないが)
「並べるときはミリアさんのところに並ぶからそれで許してよ」
「ケイさんの時間を取るわけにはいけませんからそれでいいですけど」
そう言ってミリアさんはクエストを発注する手続きを始めた
「はい、これで発注は終わりましたが
他に何か用事はありますか?」
「ありがとう、下級ポーションを一本もらえる?」
俺は懐から大銅貨を5枚取り出してミリアさんに渡した。
「たしか下級ポーションは昨日買われてましたよね?使われたんですか?冒険者に怪我はつきものですが、気をつけてくださいね」
そう言って下級ポーションを渡してきた。
「ありがとう、少し油断した時にね、同じ失敗は2度としないよ。もちろん気をつける」
「そうですか、では今日も命を大切にしながら頑張ってくださいね!」
「はい、頑張ってきます!」
冒険者ギルドを後にした。
西門に行くまでに昨日の失敗をいかし
出ている出店の中からおにぎりを出しているお店を選び銅貨4枚払いおにぎりを2つ買った。
ここで初めて分かったのだが、夕暮れの宿の1食銅貨2枚というのは相当安いみたいだ
俺は夕暮れの宿に感謝しながら西門へと向かうのだったり
西門にいる衛兵に向かって挨拶すると
どうやら昨日帰ってきた時にいた衛兵だったらしく
「おっ昨日の新人か、今日は獲物を取れるようにがんばれよ!」
と応援されたので
「ありがとうございます!頑張ります!」
そう返しながら気合を入れつつ
幻の森へと向かった。
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マジックバック
銀貨1枚 大銅貨8枚 銅貨6枚
(1万8600円)
下級ポーション×2
中級ポーション×1
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