第19話 ドワーフ

冒険者ギルドを出た俺は壊れてしまった盾と

お金が結構増えたので防具を買いに行こうと思い市を見に行くことにした。


(いくらお金が入ったとはいえ流石に商業地区にある武器屋や防具屋には行けなそうだから何か掘り出し物があることを願って市をみていこう)


20分ほど見ていると武器や防具を売っている所を見つけた。しかもなんと売っている人がドワーフだった。この世界に来て初めて人間以外の人種を見たかもしれない。


「すみません、見ていってもいいですか?」


「ん?あぁ構わねぇよ、兄ちゃんは俺がドワーフでも関係ないんだな」


「え?それはどういうことですか?」


このドワーフのお兄さん?おじさん?に聞くとどうやら俺のいる国クラウディアでは完璧にではないが割と人間が優遇される傾向にあり、奴隷商店でも人間ももちろん売っているが、人間よりも獣人などの人間以外の人種の方が多くなっているのだそうだ。だからドワーフがお店を開くと、店の申請は通るのに「なんで人種以外のやつが店なんかやってるんだ?」という顔で見られるらしい。でも店主さんは修行と出稼ぎを兼ねてこの街ガレスに来たらしい。


(獣人やドワーフ、エルフなどがいなかったのはそういった背景があったからなんだ。ドワーフっていい武器や武具を作ることで有名じゃないのかな?)


俺はお店に売られている武器や武具を見回した。


銅剣 STR+3 斬切

鉄剣 STR+6 斬切

銀剣 STR+10 斬鉄


銅盾 VIT+3 耐久力増加

鉄盾 VIT+6 耐久力増加

銀盾 VIT+10 耐久力増加 硬化


銅の胴当て VIT+2 耐久力増加

鉄の胴当て VIT+5 耐久力増加

銀の胴当て VIT+8 耐久力増加


(ざんせつ?ざんてつ?)


斬切 切れ味が上がる


斬鉄 切れ味と強度が上がる


(他の店を見たことがないからはっきりとは言えないけどすごくいい物が揃ってるんじゃないか?)


「人と違うからって差別するのは間違ってますよね。見た目が少し違うだけで皆同じなのに。それに店主さんはこんなにもいいものが作れるんですから」


「兄ちゃん嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか、それと俺はドレイドってんだ。ガレスに来てから俺の作ったものが売れなくて参ってたところなんだ。でも兄ちゃんにそう言われてもう少しやってみようと思えた。そうだよな、少し違うだけで皆同じだよな。売れない理由を俺がドワーフだからって決めつけてふてくされるなんて間違ってるよな。いいもん作ってドワーフなんて関係なく買ってもらえるよう頑張ってみることにする」


「ドレイドさんですね。俺は冒険者のケイです。頑張ってください、応援してます」


「ドレイドでいい、それに敬語もいらねぇぞ?堅苦しいのはやめにしよう。冒険者って事は何か俺の作ったものはいるか?」


「分かった、それじゃドレイドって呼ぶよ。この鉄剣と銀剣、鉄盾、銀盾、鉄の胴当て、銀の胴当てってどのくらいする?それと盾なんだけど、もう少し小さいのってある?」


「それだと鉄剣が銀貨5枚、銀剣が大銀貨2枚

、鉄盾が銀貨5枚、銀盾が大銀貨3枚

鉄の胴当てが銀貨2枚、銀の胴当てが大銀貨1枚だな。それともう少し小さいのか?それならこれはどうだ?」


そう言ってドレイドは奥から縦50cm横30cmほどの盾を持ってきた。


「これはどうだ?練習用で作ったものなんだか、手を抜いて作ったわけじゃないからそこの商品にも負けてないぞ。これなら大銀貨1枚でいいぞ」


銀の小盾 VIT+8 耐久力増加 硬化


(普通の盾だと結構するな。それに銀になるとかなり値が上がるからまだ銀の装備は無理だと思ったがこの小盾かなりいいな)


「この小盾かなりいいですね。それじゃあこの小盾と鉄の剣、鉄の胴当てをください」


「おー買ってくれるか!ほんとは大銀貨1枚と銀貨7枚だけど、ケイなら大銀貨1枚と銀貨5枚でいいぞ」


「いいんですか?銀貨2枚もまけてもらって」


「いいんだよ、先行投資ってやつだな。ケイなら使いこなしてくれそうだし、お得意様になってくれそうだしな」


「なら遠慮なく、俺もこの装備はとても気に入ったからお得意様になるよ」


そう言って俺は懐から銀貨15枚を取り出しドレイドに渡した。


「ありがとな、なら俺はケイが満足してくれる物を作れるようにしないとな」


「期待してるよ」


俺は銀の小盾と鉄の胴当てを受け取り、その場で装備してからドレイドに礼を言ってその場をあとにした。


20分ほどで夕暮れの宿についた。


「ケイおかえり!お疲れ様!」


今日も元気なユリが声をかけてきた。


「ただいま」


「あれ?朝とは格好が違うね」


「ちょっと装備を変えたんだよ、いいのが売っててさ」


「いいね!似合ってるよ!」


「そう?ありがとう」


「ご飯食べるでしょ?空いてる席に座ってて持っていくから」


俺は空いてる席に向かった。

座っているとユリがご飯を持ってきた。


「おまたせ!今日はパスタにミートソースを絡めたスパゲッティだよ。美味しさには自信があるからぜひどうぞ!」


(うわ、美味しそう。ほんとにこの世界には地球の食べ物が溢れてるな。それにスパゲッティはちゃんと伝わってるのか)


「夕暮れの宿のご飯は全部美味しいから、このスパゲッティも美味しそうだ」


「私が作ってるわけじゃないけど嬉しいよ!

それじゃあごゆっくりー」


ユリが去っていくのを見送ったあと

俺はスパゲッティを一口食べた。

すると日本で食べていた味とはまた少し違い

トマトとお肉本来の味が強いのか

それぞれが美味しさを主張している。

普通なら味がぶつかり合いすぎて味が変になったりすると思うのだが、そこはこの宿の腕前なのかきれいに味が整っており、とても美味しい。


(なんでこんなに美味しいんだろう?異世界に来てこんなに美味しいご飯を食べられるなんて幸せだな)


俺は幸せを噛み締めながらいつものように銅貨2枚を払いおかわりをした。


お腹がいっぱいになったので、ユリや女将のマリさんにお礼を言って自室へと戻った。


部屋に入ると身につけている装備を外し、浄化をかけ、全部を綺麗にしたあと俺はベットに腰を掛けた。


(今日は色んなことがあったな、名も無き短剣も見つけたし、ドレイドとも知り合ったしな。

そういや、レベルは変わってたりするかな?)


ステータス

名前 木下 圭(きのした けい)

年齢 16

職業 冒険者

レベル 7

HP 400 MP 360

STR 42→52 VIT 41

AGT 63→73 DEF 42

INT 42

残りステータス割り振り10ポイント

剣術Lv3 短剣術Lv1

盾術Lv2 身体強化Lv3

生命探知Lv3 気配消去Lv3 投射Lv1

解体Lv1 鑑定

光魔法Lv1 水魔法Lv1 

雷魔法Lv1 時空魔法Lv1

魔力量増加Lv2 魔力操作Lv2

詠唱破棄

SP20


(おーレベルが2つも上がってる。ステータスポイントはAGIに5ポイント、魔法に関係があるINTに5ポイント降るか。それに短剣術と解体が増えてる!こうやって努力が目に見えるのは嬉しいよな。、、、、あれ?なんでこんなにSTRとAGIが増えてるんだ?もしかして)


名も無き短剣 LV3

STR+10 AGI+10


(やっぱり名も無き短剣のレベルが上がってたのか。相変わらず強いな、もっとレベルが上がったらプラス値が恐ろしいことになりそうだな)


そこまで確認したら俺はベットに横になった。


(これからはお金を稼ぎつつ、魔法スキルもレベルを上げて戦略の幅を広げていかないとな。それと短剣を使うことを考えると体術も学びたいな)


考え事をしている間に眠気がしてきてそのまま意識を手放した。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


マジックバック

銀貨10枚 大銅貨2枚 銅貨3枚

(10万2300円)

下級ポーション×1


中級ポーション×1


石剣 鉄剣

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