第18話 スライム液は美味しい

結果的によく見ればスライムは結構いて

それに加えスライムは薬草や薬草もどきを好むのかスライムを見つけると大抵が

そのどちらかを食べていのでスライム液を取ると結果的に薬草や薬草もどきも一緒に取れるので俺の顔は緩みっぱなしだった。


最終的にスライム液×8

薬草×30株 薬草もどき×40と

大量だった。俺の顔が緩むのも分かってもらえると思う。


(スライム液はこのくらいでいいとして、

あとは暴れ牛と大ガエルか。ここまで見ないって事はもう少し奥にいるのかな?)


このままだと見つからないと思った俺は幻の森の奥へと入っていった。


歩き初めて15分程立つと初めて感じる反応があった。大きさ的には体長が横に2mほどだったので近寄ってみると、そこには50cmはあろう角を2本つけた牛がいた。


暴れ牛 Lv9


(あの頭の角に刺されたら普通に死ぬんじゃねぇか?)


それでも俺は怖じ気つくことなく暴れ牛に向かって右手で短剣を持ち突っ込んでいく。


残り10mほどでこちらに気づいたのか、その立派な角を俺に向かって突き出してきた。


その瞬間俺は足に力を入れ上に飛んだ。

暴れ牛の頭上を超え右手の位置に首がきたので

暴れ牛の首の右側を短剣で切り裂き、その首から血が吹き出るのを見ながら

牛の後方3mほどの所に着地した。

それから1秒程経ち暴れ牛は地面に倒れていった。


(暴れ牛も冷静に対処すれば問題ないな)


暴れ牛をマジックボックスにしまい。


次の獲物を見つけに行動を再開した。


少しすると暴れ牛よりも反応が強いが少し小さめの魔物がいた。


(いや、あの暴れ牛よりも強くて小さいってまさか大ガエルじゃないよな?)


敵との距離が50mを切ったぐらいでその姿が見えた。


大ガエル Lv12


(いや、強いな大ガエル。レベルだけなら俺が死にそうになったあのゴブリンよりも強いんだけど。でもカエルって強いイメージないんだけどな)


俺はいつものように大ガエルに向かって駆け出した。


20mをきったくらいで大ガエルがこっちを向いた。そして10mをきった時その口を開けた。


「!!!」


俺のお腹には直径3cm程の穴が空いていた。

大ガエルの舌によって貫かれたのだ。

痛みによりバランスを崩してしまい、無防備にも大ガエルの5mほど前に倒れてしまった。

するとまた口を開けようとした。


(やばい!) 


俺は咄嗟に石盾を目の前に出し、顔を大ガエルの直線上からそらした。


「ぐぁ!」


次の瞬間大ガエルの舌は石盾をも砕きそれによって威力が弱まったのか体を貫くことはなかったものの右肩の一部がえぐられてしまった。


「しゃあ!」


石盾がなくなったことで大ガエルとの間に守ってくれるものがなく、次口を開けられたら死ぬと思い、痛みにためながらも立ち上がり思いっきり左側に跳んだ。


俺の元いた所には大ガエルの舌が通っており、

もう少し遅かったら頭を貫かれていただろう。


大ガエルが舌を戻す少しの間で俺はマジックボックスから下級ポーションを出し口で栓を外してぐいっと一気に飲み干した。

すると体を支配していた痛みが引き脳がアドレナリンにより冴え渡ってきた。


大ガエルがこっちに体の向きを変えたのを見て俺はほんの少しだけその正面から体をずらした。ぎりぎり横を通った舌を見てすぐさま手に持っている短剣でその舌を切り落とした。


舌が切られた痛みで動きの止まった大ガエルとの距離を詰め、もう一度舌を出す前に大ガエルの頭を短剣で一刺ししてとどめを刺した。


大ガエルと切り落とした舌を回収した俺は先程の戦闘の反省を行っていた。


(危なかった。狩りが順調だったとはいえ初見の相手にたいして無用心だったな。あの舌は脅威だけど、大ガエルの正面から体をそらせば当たることはなさそうだ。とりあえず、依頼の魔物は全部狩ったしきりがいいから、少し早いけど帰ることにするか)


俺は40分程かけて森を抜けさらに40分程で西門へとついた。


ちなみに今日もリュックに一角うさぎを包み葉で包んで入れてあるのでぱんぱんである。


俺の番が回ってくるとそんなに狩れるなんてすごいじゃないかと褒められそれに返しつつ

冒険者カードを見せ銅貨1枚を渡して、街の中へと入った。


今日は早めに帰ってきた為か、人混みが多く

いつもより時間をかけ冒険者ギルドについた。


冒険者ギルドに入ると帰ってきた冒険者が少なくミリアさんの所にも3人ほどしか並んでいなかった。


でも先に解体場に獲物を見せにいなくちゃいけないので列には並ばず、そのまま解体場へと向かった。


解体場に入るとロイドが3m程の人型の魔物の解体を行っていた。


リザード Lv60


(えっレベル60?誰がこんなの倒したんだろ?)


「おっケイか!ちょうどいいところに来た!

リザードの移動させたいんだけどマジックボックスで移動させてくれないか?」


特に大変というわけではないのでロイドに了承の意を伝え、リザードをマジックボックスに入れた。


「おぉ!すごいな!」


「これってどこに置けばいい?」


「すまんすまん、あまりに普通にマジックボックスに入るものだから驚いてた。この冷蔵庫に入れといてくれ」


ロイドが解体場の一角にある10m四方の部屋を

開けると冷気が漏れてきた。


「さむっ!これでいいか?」


俺はその中の空いているスペースにリザードを入れた。


「おう、ありがとな。助かったよ」


「このくらいお安い御用だよ。ロイドには世話になってるし、この部屋って魔法で冷たくしてるのか?」


「ん?そんなわけ無いだろ、氷魔法の使い手って結構少ないんだぞ?それでもマジックボックスの使い手よりは多いけどな。これは魔道具だよ、冷蔵庫?っていうらしい。どこの冒険者ギルドもある程度大きいとこならどこにでもあるな」


「これって結構簡単に手に入るのか?」


「伝手があれば難しくはないと思うが多分買うと2m四方の箱でも多分金貨2枚はするんじゃないか?」


(冷蔵庫1つで200万か、この世界では作るの大変そうだし、高いのか低いのかいまいち分からないな。安かったら買うのもありかと思ったがマジックボックスに入れとけば時が止まるから俺にはいらないか)


「へー結構するんだな、そういやあのリザードって誰が倒したやつなんだ?」


「あれか?あれはケイが知ってるかは分からんが、A級冒険者のザックがリーダーを務める4人組のパーティー「赤い牙」が倒したものだよ」


(あーザックって俺が絡まれた時に助けてくれた冒険者か、やっぱりA級ってのは強いんだな

それに赤い牙か、かっこいい)


「その人なら知ってるよ、俺が絡まれたときに助けてくれたから」


「あーザックは人間ができているからな、あの人がいなかったら今頃もっと素行の悪い輩が増えてるところだな。ケイは今日も素材の買取か?」 


「あっそれが目的だった。そうだよ、今日もお願い」


「おいおい、忘れるなよ。任せとけ。

それじゃあ適当に出してくれ」


今日狩った獲物をどんどん出していく


ゴブリンの右耳×30


一角うさぎ×8


スライム液×8


暴れ牛×1


大トカゲ×1


薬草×30


薬草もどき×40


「おぉ、お前毎日狩ってくる獲物の数が増えていくな。それにスライムって見つけるの凄い難しいって話なのに8個って。それにやっぱりマジックボックスは便利だな。

普通なら狩れるかどうかの前に持てるかどうかって問題が出てくるから。実力があっても持ってこれなきゃ意味がないからな。それに比べケイならいくらでも持ち放題だから、マジックボックスなんてバレたら引っ張りだこだな」


(そっか、他の冒険者は実力があっても持ってこれないっていう問題があるのか。ほんと時空魔法選んどいてよかった)


ロイドはこの数でも5分ほどで報告書をまとめていた。、、、ロイドはわりと優秀なのかもしれない。


「ほれ、出来たぞ」


報告書


ゴブリンの右耳 30 


一角うさぎ 8 すべて優


スライム液 8 すべて優


暴れ牛 1 優


大ガエル 1 良


薬草 30すべて優


薬草もどき 40すべて優


「相変わらず品質がいいな。でも大ガエルはどうしたんだ?舌が結構いい素材になるんだが途中から切れてたぞ?」


「ああ、あれは少し苦戦してな。出会い頭にお腹に穴を開けられて頭が回らなかったんだよ」


「それは痛いな。まー品質なんて命に比べりゃなんてことないからな。気をつけろよ」


「死ぬつもりはないから、気をつけるよ」


俺はロイドに礼を言って受付へと向かった。


まだ冒険者が帰ってくるには早いようでミリアさんの所がいつもより空いていたので並んだ。


「ケイさん、お疲れ様です。今日は少し早いですね?何かあったんですか?」


俺は冒険者カードと報告書を出しながら


「きりが良かったから途中で切り上げて来ただけだよ。何もなかったかな」


お腹を空けられたなんていうとミリアさんがすごく心配しそうなので嘘をついた。


はじめは本当に?という顔をしていたがすぐに元に戻り報告書を読んで驚いていた。


「えっなんですかこの量は!?ケイさんはもう新人であって新人ではないですね。今お金とギルドカードもEランクにあげちゃいますね」


「そんなに簡単でいいの?俺昨日Fに上がったばっかりなんだけど」


「昨日も言いましたが、実力があるんならいいんですよ。なによりケイさんをFランクに置いておくのも勿体ないですからね」


そう言ってお金とギルドカードを渡してきた。


お金の詳細は


ゴブリン 銅貨5枚×30

銀貨1枚 大銅貨5枚


一角うさぎ 大銅貨2枚×8

銀貨1枚 大銅貨6枚


スライム液 銀貨1枚×8

銀貨8枚


暴れ牛 銀貨5枚×1

銀貨5枚


大ガエル 銀貨2枚×1

銀貨2枚


薬草 銅貨3枚×30

大銅貨9枚


薬草もどき 銅貨2枚×40

大銅貨8枚


の計銀貨19枚 大銅貨8枚

(19万8000円)


(いや、昨日に比べて上がりすぎだろ。

何倍だよ。特にスライムがうますぎるな。実際食べるわけではないけど、、、それに暴れ牛もあの体だからお肉とかいっぱい取れるからこの値段なのかな?難易度によってこんなにも値段が異なってくるのか。金銭感覚がおかしくなりそうだ。財布の紐はしっかり締めとかないとな)


「もうケイさんは稼ぎでいうとCランク位には匹敵しますよ。スライムをこんなにどうやって見つけたんですか?」


「Cランク冒険者と同じくらいなのか。そこはミリアさんでも教えられないよ」


(絶対生命探知もレアなスキルだよね、だって多かったらスライムもすごい見つかってるだろうし)


「そうですよね、失礼しました。

明日からケイさんはもっと奥に行かれるのですか?」


「いえ、もう少し今のところで慣れてから奥には入ろうかなと思ってるよ」


「そうですか、それでいいと思いますよ。

ケイさんが探索している所からもう少し奥に行くと状態異常をかけてくる敵や物理攻撃が聞きにくい敵も現れますから、魔法が使えるんでしたら今のうちに鍛えておいたほうがいいですよ。もし使えないならパーティーを組んだほうがいいんですけど、こちらで探しましょうか?」


(へー、状態異常をかけてくる敵は知っていたけど、物理攻撃に強いやつも出てくるのか、これは本格的に魔法を鍛えてみるか)


「そうなのか、でもパーティーはまだいいかな。もし必要になったらその時はお願いするよ」


するとミリアさんは笑顔になり


「はい!その時は任せてください!」


若干その笑顔にやられつつも

ダリアさんにお礼をいい、ギルドを後にした。


ーーーーーーーーーーーーーーー


マジックバック

銀貨25枚 大銅貨2枚 銅貨5枚

(25万2500円)

下級ポーション×1


中級ポーション×1


石剣 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る