第28話 雷纏い-発-

階段を降りながら地下の訓練場を目指した。

訓練場に入るとトルーヤさんがいた。


「トルーヤさん、おはようございます!」


「ん?ケイじゃねぇーか!もう体は平気なのか?」


「はい、おかげさまでなんとかって感じですね」


「そうか、それで今日は何しに来たんだ?また教えてほしいことができたか?」


「今日は昨日の状態になった原因をトルーヤさんに見せて、何か意見をもらえないかと思ったんですけどいいですか?」


失神した原因と言った瞬間からトルーヤの目線が厳しいものへと変わった。


「危ないことに手を出してないだろうな?」


「もちろんです、そんなものに手なんか出さないですよ」


「そうか、そういうのに手を出してないならいい。ケイも覚えとけよ?時に世の中には体を壊したり命を奪ったりするのを代償にして莫大な力を得るようなヤバい薬が存在することをな、そんなものを見つけたら即処分するんだ。そんなものをあってもろくなことになりゃしねーからな」


「そんな物騒なものがあるんですね、分かりました。もし見かけたら処分します」


「じゃ失神する原因というのを見せてみろ」


俺はトルーヤさんから5mほど離れた。


「そんなに離れる必要があるのか?」


「一応、念の為です」


体中の穴から魔力を放出していきますある程度の厚さになったところで雷纏いを発動させた。すると全身から雷がバチバチと音を立てて発生し始めた。

流石にトルーヤさんも雷纏いを見て驚いているそこから俺はほんの少しだけ動くことにした。

俺は訓練場の端から端まで30m程あるので、その間を5回ほど行き来した。この間にかかった時間は2秒ほどだ。更に驚いた顔をしたトルーやさんを見たあと俺は雷纏いを解除した。


「おい、俺は生きてきた中でそんな魔法の使い方をする奴は見たことないぞ?魔法を纏うなんてしかも雷魔法なんて、あの尋常じゃない動きもなんだ?」


「昨日は雷纏いで動きすぎたせいで筋肉繊維が壊れ、痛みが酷すぎて失神したんですよ」


「そんな速度で動き続けたならそりゃ筋肉も壊れるわな、でも失神するほどの痛みを伴うなんて危険なんじゃないのか?お前はここで何を試したいんだ?」


「昨日はこの状態で3時間も動いたから失神するまでいったんだと思うんですよね。だからもっと短くだったらこの雷纏いも有効的にかつ安全に使えると思うから、その限度を知りたいんです。それにこれを戦いに組み込むならもっとなれないといけないなと思って」


「なるほどな、確かに何事も限度を知るってのは大事なことだ。よし俺にもできることがあるなら手伝ってやるか」


「ありがとうございます!」


「まず1つ俺から提案なんだが、その雷纏いの状態の時周りに出す雷を抑えられないか?訓練するにも相手がいるしその相手を雷で殺すわけにはいかねーだろ?それに外に出す雷の分を抑えたら消費するMPや身体能力も上がるんじゃないか?」


(確かに、考えてみたらあの周りに出してる雷をなくせばその分色々と省エネになるし身体能力もあがりそうだ、雷を表に出さないようにするっていう考えはなかった。やっぱり他の人から見た視点ってのは大事だな)


「確かにそうですね、早速試したいと思います」


俺は少し待ってMPが250になるまで待ってもう一度雷纏いを雷を抑えつけるように雷魔法を発動はさせた。するといつものバチバチと外に放電するのではなく、雷の更に外側に魔力の層があって魔力と魔力の層の間で雷が留まっているような放電の仕方をしている。

消費MPも150と本来の雷纏いに比べるとMPが50も少なく発動できた。どっちかというとこっちの方が雷纏いっぽいのでこっちを雷纏い、前の外に放電する雷纏いを雷纏い-発-と呼ぶことにする。


「その状態のままそこにある木の的に触ってみろ」


トルーヤに言われるがままに俺は訓練場に設置してある木の的に手を触れた。

すると雷纏い-発-では放電してる雷によって燃えるだろうが、雷纏いでは木の的を傷つけた様子はない。


(これで純粋に身体能力をあげる技を得られたな、これで安全に使える範囲が分かればもっと使い勝手がよくなるな)


「お、いい感じじゃないか!それじゃあ今度はどのくらい雷纏いの状態でいられるかだな。時間を測るにはこの魔道具を使うか」


と言ってトルーヤが奥から持ってきたのは高さ30cm三角フラスコの上に小さい玉がついているものだった。


「これはこの上の玉に魔力を入れると水をほんの少しずつだけ出す魔道具がMPが20も込めれば名いっぱいになるから時間を測る道具として大きな組織だとおいてたりするな。この魔道具がいっぱいになった時に丁度一刻らしい、鐘の音が3刻にいっときと言うと時間の長さがわかるか?」


つまりこの魔道具で1時間が測れるらしい。


「わかりますよ。すごく便利ですね、ちなみにその魔道具を買うとなったらどのくらいします?」


「ケイは頭がいいな、俺は理解するのにもっと時間がかかったぞ。そうだな、これは大きいから金貨1枚するが、もっと小さいのは大銀貨1枚くらいで買えるから雷纏いを使うなら持ってたほうがいいだろうな。あとで店を紹介してやる。それじゃあ測るぞ?」


そういうとトルーヤは魔道具に魔力を入れたするとほんの少しずつ水が垂れてきた。


「これでよしと、じゃあ模擬戦となると俺はその速さについてけそうにないから、俺の攻撃を避けるかさばけ、いくぞ?」


そういうとトルーヤは俺に向かってきた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


マジックバック

金貨1枚 大銀貨4枚 銀貨7枚 

大銅貨8枚 銅貨8枚

(147万8800円)

下級ポーション×1

中級ポーション×1


石剣 鉄剣 

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