第18話 昇る朝日に跪け

「おれたち、一回戦はなんとか突破できたな!」

1日目の日程を終え、戦士村で食事を摂るミドルとススム。


「動きすぎて腹ぺこだ。おっ、ススム、ひとつもらうぜ!」

ミドルは、ススムが食べていたチューリップチキンカレーの具をひとつまみした。


「バカヤロー! お前のがあるじゃねーか!」

ススムは猛抗議した。


「エビフライカレーって美味いけど、2尾しか入ってないじゃん? 

物足りなくってさ」

「俺のチューリップチキンは6本も入ってるからな、なんて言うと思ったか~!」


「あんたたち、騒々しいわね」

食堂に現れたのは、ウィルであった。

「ウィル! 来てくれたの?」

なじみの顔に、二人は安堵した。


「わたしのハマグリフライをあげるわ」

同じくカレーを注文していたウィルは、トッピングのハマグリフライを分け与えた。


「うわっ、なんちゅー贅沢!」

「そして、最高に美味い!」


ウィルがまだ3分の1も手を付けていない頃、二人は食事を終えた。


 入り口から、亜麻色がかった髪の、背の高い男が歩いてきた。ミドルたちのほうを見ている。

「姫さま、まだこんな奴らとつるんでいたのですか」

孤島で闘った、イーシャナ・バルマンであった。


「つるむもなにも、わたし達は雲水流の兄妹弟子同士よ。お父様にも分かってもらえるハズだわ」


「いいえ! 国王陛下はたいそうお冠です!」

「会話にならないわね」


「バルマンのおっちゃん」

「お、おっちゃん?」

ミドルがあいだに入った。


「順当に行けば、準決勝で俺と当たるけど、あんたが負けたら、今回はあきらめるってことでどう?」

「大した自信だな、小僧」


(おい、ミドル大丈夫なのか?)

ススムが耳打ちする。

(心配するなって)


「そうね。そうしようかしら。バルマンが勝ったら、おとなしくハローデンに帰るわ」

「約束ですぞ」


「ただし、ミドルが勝ったら、あなたがいさぎよく帰るのよ」

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