不死しなずの奴隷』ボク


・外見


身長310cm体重45kg

赤黒い皺だらけの顔、目や口などが潰れて表情どころか顔なのかさえも判別できない。頭髪含めて体毛は一切なく、頭は代わりに枯れ木の枝のような突起が四方に伸びている。

ひょろ長い手足も同じく皺だらけで見た目通り枯れ木のように固く、軽く、乾いている。長い両手の先の指は異様に長く、関節が常人の倍以上ある。

性別としては男だが、それを表すような部分は見られず、それどころか体にはまともに血液も流れていない。

着ている服は粗末な深緑色の着物のみで裸足、道具の一切も持ち歩いていない。


・経歴


事の始まりはその異世界がやっと鉄器時代に入ったころまでさかのぼる。

未だに多くの迷信が信じられる中でたちの悪い伝染病が流行り、元より栄養状態の悪かった人々が次々と死んでいった。

その中でボクとなる前の男が一心に神に祈り、その思いが通じて最初期の聖遺物を山からの湧水という形で与えられた。

いずれは川になり、海にわたり、そこから雨に、多くの人が広く救われるであろう神の配慮だったが、男は待ちきれず、より早く多くの人に湧水を飲んでもらおうと持ち運び、宣伝し、そして余計なもの、時の権力者まで呼び寄せた。

権力者が望むのはいつだって独裁、湧水はせき止められ、癒しの力は一部のものが独占し、与えられなかった民は死に続ける。

そしてあろうことか湧水に溶け込んだ聖遺物の分離に成功、凝縮した力を得たことで不老不死を実現させてしまった。

そうして一部が永遠を手に入れ、残りが死に絶えた中、湧水が枯れないように行かされ続けていたボクになる前の男は、最後の残りかすの湧水を与えられ不完全な不老不死となり、彼らの中で最下層の存在『人間』として一切の雑務を永遠と行う奴隷となった。

今回の参加メンバーの中でも最古参であり、罪状と呼ぶには難しい所があるが、その飛びぬけた能力と使いやすさから参戦することとなった。


・性格


遥か昔に人間性は失われ、何をされても無反応で、ただただ命令通りに働くだけの奴隷。

様々な雑務と長すぎる時間から蓄えられた経験値は途方もなく、名前のついている学問の基礎はほぼ網羅している。

しかし一切の自由意思が失われ、欲望も遥か過去に置き去りにしてきてしまい、覇気と呼べるものが一切ない。

無口ではあるが口が利けないわけではなく、返事を知ろと命じれば従う。

今回の参戦に当たり、間接的ながら神から色々と命令を受けており、それを最優先に行動している。なので誰の命令でも聞くわけではない。


・聖遺物


『神薬』

神が遣わした最高効能の飲み薬。ほんの一ビンで全世界の人間から一切の病を治せるだけの効能を持つ。

これを湧水に混ぜて希釈し、世界を癒すはずが横取りされ、濃縮しなおされ、摂取することで不老不死の薬に戻された。

人の領域『最後の一口』

最後の最後に絞り出された一滴によって得られた不老不死の力。寿命どころか食事も睡眠も呼吸も必要なく、分子レベルで分解されても時間が巻き戻るかのように再生する。

神がいる限り殺すことは不可能。ただし再生までの時間を先延ばしにすることはできる。

神の領域『最初の一滴』

指先に集中することで発動。体内にある余っている神薬をかき集め、一滴として絞り出す。これを体内に入れればそのものはボク同様の不老不死となる。

自分の意思で行うことはないが、命じられれば躊躇いなく行う。


・能力


体重こそ軽いが、純粋な身体能力は高く、特に手先の器用さと単純労働の速さはずば抜けている。それ以外のパワー、スピードも高いが戦いにおける技能は一切持っておらず、その意思すら消えている。

スポーツで唯一できるのが『蹴鞠』かなりの実力で、圧勝することも僅差で負けたように接待することも命じられるがまま。

相手を再生に巻き込み、引きちぎることはあるが、狙って行うことは無く、事故でしか見られない。

発想力、機転、想像力は絶望的ながら単純計算や記憶力は機械のように正確。


・戦闘方法


その不死性に加え、長い年月で摩耗しきった精神には一切の苦痛を味わう余裕がなく、実際攻撃されてもすぐさま再生してしまうため無視している。

一方で覇気がないため、奇抜な手段や妨害工作といった行動を一切行えず、実力で及ばない相手にいくら引き離されようともマイペースに変わらず、そのまま負ける。

競技のクエストをクリアするために黙々と作業を続ける。

それが正しいとか、効率的とか考えられ荒れない。ただ相手のやり方を見て学び、直す程度の意識は残っている。


「ボク、従う」

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