第33話(病院)

ーー監査員は帰っていった。スカイは少し正気を取り戻したが、不安に押しつぶれそうになる。


「俺達どうなるのかな」

「抵抗する訳にもいかない。試合に負けて更にチートもバレた。ああ……僕の15歳問題が」

「佐久間、スカイ君。気を落とすな。前にも言ったが、下にサバ読みするのがいけない。12歳を15歳に偽っただけだ」

「チート監査員は減命だって言ってましたよ」

「脅しだよ。子供にからかわれてキレたんだろう。僕達は不利な状況で戦ってたのだし。それより、さっきの坊主頭の奴は誰だい?」

「合田ツヨシ。俺のクラスメートだよ。実は予選で当たったミルクってチームに年がバレてて脅迫されてた。親友だと思ってた奴に口外しないように釘を刺してたのに。おそらく、二人は結託してる」


しばし沈黙があった後、カミユが言う。


「僕は病院へ行って部長に面会するよ。二人は帰っていいよ」

「うん。帰るね」

「15歳問題……」


ーーカミユはオズが入院している総合病院へ着く。オズの手術は終わっており、面会できる状態だ。カミユはオズの病室で結果報告をする。


「部長。もう大丈夫なんですか?」

「ええ、まあ。大会はどうなの」

「負けました。それと、スカイ君のチートがバレました」

「踏んだり蹴ったりね」

「部長を跳ねた奴は捕まりましたか?」

「ひき逃げ、だって」

「危険運転致傷なら懲役40年以下で寿命払いなら80年ですね」

「きっちり落とし前を着けさせてもらうわ」


ーーオズを跳ねた犯人は捕まらず、数ヶ月が経った。まるで警察に圧力が掛かってるみたいに時間だけが過ぎていった。


スカイはチートがバレたために半年間もウォーパークにログインできなかった。ペナルティーだ。


ーー半年後、スカイはワクワクしながらGLにログインした。ウォーパークをやるために。しかし、ウォーパークはどこにもなかった。


「ウォーパークはどこだ? 場所は間違ってない」


すると、年寄りのアバターからボイスチャットが来た。


「ウォーパークは配信終了じゃよ」

「何で? どうして?」

「前回大会でチートが横行したかららしいのう」

「そっか。それなら仕方ないね。遊ぶゲームがないな」

「ハイパーテオブロマなんかあるじゃろ」

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