第28話(漏洩の犯人)
結果は7対4。オズと愉快な仲間達の勝ちだ。
スカイ達はフィールドに戻ってくる。佐久間が待っていた。スカイには見えないが。
「3人ともお疲れ様です。1度も負け越しせず、常に主導権を握る戦いぶり。マジで優勝できますよ」
「ありがとう、佐久間。さて、皆、現実世界に帰ろうか。明後日から本選だ」
スカイ達はログアウトして現実世界に戻ってきた。
「ふー、疲れた」
「皆様、お疲れ様です」
「トウコさん。金メダルを取ると何年貰えるの?」
「そうですね~。MVPや敢闘賞、殊勲賞にもよりますが、最大で200年は寿命を手に入れる事ができます。それをチームで分けてください」
「平等に分けて1人50年ね。明日は脳を休ませるのよ? 特にスカイ」
「オズ部長は能力主義だと思ってたけど違うんだね」
「当たり前じゃないの」
「では明後日の13時までに集まってください。それと明日はウォーパークにログイン出来ませんので」
ーースカイ達4人は下校した。スカイは考える。
(どこからチートしてる事が漏れた? ゆうこか? メルじゃないな。ゆうこをとっちめてやる!)
スカイは帰宅すると、乱暴に玄関のドアを開けて「ゆうこ! どこだ!?」と叫ぶ。
「どうしたの、スカイ。ゆうこならドックから帰って来て部屋に居るわよ。それより、お昼ご飯は?」
「後で! ゆうこがジュニアオリンピックの邪魔をしてる」
スカイは2階へ行き、ドアを足で蹴って開けた。
「ゆうこ! よくも!」
「スカイ様は15歳……12歳? 解りません。なぜ、嘘を吐くのですか?」
「このポンコツ! ぶっ壊してやる!」
「ロボット工学三原則に抵触します。話し合いましょう」
スカイはフッと我に返る。AIロボットに危害を加えるのは重罪。ゆうこは犬耳と尻尾をフリフリしている。
「俺が12歳だと誰に話した?」
「お母様とカケ造様のお二人に言いました」
「はなっから知ってるじゃん。その2人は」
(ゆうこじゃない…………。となると…………!)
「私の容疑は晴れましたか?」
「あ、ああ。なんとなく」
「ありがとうございます。この耳と尻尾はどうでしょう?」
「気持ち悪いな。またドックへ行って、ノーマルに戻してこい」
「かしこまりました」
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