第29話(裏切り)

スカイはメルにウェアラブル端末でメールを送る。


【話がある。今どこ?】


すぐにメルから返信があった。


【自宅だよ。話って何?】


スカイは走ってメルの自宅へ行く。近所だ。すぐに着いた。メルは庭で待っていた。


「スカイ…………ごめん」

「何故謝る!? 俺が12歳で大会に出てることを漏らしたな!?」


メルは観念した。声を震わしながら喋る。


「他校のミルクっていうチームに私の従姉がいるの」

「セコいのは本当のようだな。本当にセコい。ああセコい」

「予選で当たらない事を願ってたよ?」

「でも当たってしまった」

「従姉には口止めしとくから。ごめん!」


メルは頭を下げるが、スカイの怒りは収まらない。気持ちが仲良し5人からサッカー部の皆へ動いていたというのもある。


「親友だと思ってたのに…………ガッカリだ」

「ごめん」

「二度と俺に関わるな!」


そう言い残し、スカイは自宅へ帰った。気持ちは釈然としない。


「スカイ、どこに行ってたの? ラーメンを作ったのに伸びちゃうわよ」

「悪い悪い」


ダイニングのテーブルには野菜たっぷり豚骨ラーメンが用意されていた。スカイはパパっと食べて部屋に戻る。


「スカイ様、顔色がよろしくないです」


ゆうこが心配そうにスカイを見る。


「まさか、メルが犯人だったとは。アーティフィシャル・インテリジェンス、心配するな、俺は大丈夫だ」

「難しい言葉をご存知ですね」

「だいたい〝AI〟と略される言葉だからな。シンギュラリティも知ってるぞ」

「とても12歳とは思えません」

「15歳だよ。今は」

「さっぱり解りません」


(ゆうこはキュアー専用。ウォーパークの事まで察知出来ないのかな? それともただのポンコツか)


ーー次の日の朝。スカイの自宅に訪問者が来た。母親が出る。そして、スカイを呼ぶ。


「スカイー! メルちゃんよー!」


スカイは迷う。メルを許そうか。チートをしてるとはいえ、皆の寿命が懸かってる。簡単には許せない。


(しかし…………。話だけでも聞いてやるか)


スカイは玄関へ行き、メルと対峙する。


「スカイ、おはよう」

「何? 話は昨日で終わったと思うけど」

「従姉は口外しないって約束してくれたよ」


メルは涙ぐみながら、そう言った。


「当たり前だ。俺と関わらないでくれる? 邪魔くさいから」

「本当にごめん」


メルは深々と頭を下げる。


「チートがバレたら二度と許さないからな。話し掛けて終わったのなら、さっさと帰ってくれ」

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