第27話(弱味)

「スカイ君、本当は15歳じゃないでしょ。ダメだよ、チートを使っちゃ」


スカイは必死に誤魔化す。


「俺は15歳だよ。言いがかりはやめてくれないかな」


(どこからだ。どこから漏れた。クラッキングか? いや、あり得ない)


「次の試合でわざと負けてくれないかな。秘密にしておくからさ。君にはまだチャンスがあるでしょ? 私達は17歳なの。解るよね?」

「今年で最後だからって八百長しろと? そこまでして勝ちたい? 答えはノーだ、雑魚が。アハハ」

「知らないよ?」

「チームミルクはクズの集まりだな。軽くのしてやるよ」


女アバターはスカイの前から姿を消した。スカイは少し呆然としてると、オズが話し掛けてきた。


「また誰かと話してたの? チームミルク戦が始まるわよ」


スカイの視界が切り替わる。また同じステージだ。


(わざと負けろだ? ふざけた事を抜かしやがって! 後悔させてやる!)


『3、2、1、スタート!』


すかさず、カミユが動く。西に移動して麻酔銃で狙撃した。


「2体をスタンさせた。部長、スカイ君、左右から挟み込んで」


スカイは南に移動して左側から、オズは中央を通って敵陣に切り込む。スカイは角で敵と鉢合わせして撃ち合う。スカイは脚に被弾した。しかし、敵をヘッドショットした。戦績が3対0になる。オズがスタンした2体をキルした。


スカイの視界左上に【3分後にダイ】と出て、カウントダウンが始まる。すぐに3対1になった。カミユが殺られた。敵3体はリスタート待ちだ。カミユは狙撃戦の時に胴体に被弾していた。


(このまま行くと俺もダイになる。…………あれ? ゾーンに入ってない。集中力が切れてきた。余計なことを言われたせいか)


スカイは思い切って、西に移動する。敵が復活する角から1つブロック塀を挟んだ所で待ち構える。


(待てよ? 近くだと手榴弾の餌食になる。ならば!)


スカイは手榴弾を2つ投げて下がる。オズはもっと後ろまで下がった。カランカラン…………。スカイの足下に敵が投げた手榴弾が転がる。ドン! スカイは3分待たずにダイとなった。戦績は5対2だ。スカイの手榴弾が効いた。


オズは突撃せずに待ち伏せしている。


チームミルクは狙撃戦に持ち込みたいが、得点で3点ビハインドのため、突撃するしかない。


残り15秒……。敵は手榴弾を投げながら突撃してくる。スカイは瞬時に爆風を避けながら、1体をヘッドショットをした。


『タイムオーバー』

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