第24話(開戦前)

ーー次の日の朝。スカイは起きると、腕時計型ウェアラブル端末にメールが入っていた。オズからだ。


【昨日の事は目を瞑る。仏の顔も三度まで。次でお仕舞いよ。3日後の朝9時から大会予選が始まる。3回勝てば本選出場よ。遅れずに来なさい】

【了解】


ーー3日後の朝。スカイはテレビを観ながら、砂糖をたっぷり入れたコーヒーを飲む。


「糖分は脳のガソリンか。確かに。流石、佐久間先輩。今週の蠍座は大吉! いい感じだぜー」


スカイは登校する。学園に着いたのは8時半頃だ。部室の前には見かけないオバサンが居た。監査員だ。


「おっはよー」

「おはようございます。チート監査員のトウコです。〝槍ヶ岳学園〟のオズと愉快な仲間達ですか?」

「ああ。俺はスタメンだよ」

「運が良いですね」

「どういう事?」

「抽選でシードを引いた、数少ないチームですよ」

「そうなんだ。運と実力が重なったら優勝間違いなしだね」


スカイは部室に入る。


「おっはよー」

「スカイ君、おはよう」


カミユは気合いが入ってる。必勝と書かれたハチマキをしていた。


「スカイ、おはよう」


オズはいつもと変わらない。強者の余裕だ。


「スカイ君、おはよう。主役は遅れて登場かい?」


佐久間はスカイにウインクする。サバ読みチップのボロを出すなよと合図をした。


トウコ監査員も部室に入ってくる。


「皆さん、どうやらチートはしてないようですね。それではGLにログインしていいですよ。6万5000チームの頂点を目指してください」


スカイ達4人はログインする。GL内のウォーパーク前は15万人以上の群衆が集まっていた。スカイはあたふたしていると、手を引っ張られた。


「スカイ、こっちよ」


スカイの手を引っ張っていたのは、オズだった。人混みを掻い潜り、ウォーパーク内に入る。スカイは既視感を覚える。お祭りの時と同じだ。


「スカイ君、部長。もう予選が始まってますよ」


カミユが手招きをする。


「シードで良かったね。てっきり、グループリーグがあるのかと」

「予選も本選もトーナメント方式だよ」

「よく観ておきなさい。大人のプレーヤーを軽く捻る、中学高校生を」

「じゃあ僕は地形の特徴等、情報収集に行ってきます」

「頼んだわよ、カミユ君」


カミユは観戦しに行った。


「選手宣誓とかしないの?」

「いつの時代よ、フフフ」

(オズ部長はリラックスしてるな。俺もそんなに緊張してない。ワクワク感でいっぱいだ)

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