第25話(一回戦、二回戦)

『オズと愉快な仲間達、ニタクネカマの両チーム、後1分で試合開始です。準備してください』


ガイダンスが流れると同時に、スカイ達は戦闘エリアに移動させられてブリーフィングが始まる。倉庫内のステージで遮蔽物が多い。カミユが偵察で得た情報を3人に伝える。ここは16個の正方形ブロック塀が等間隔に並んでおり、スカイ達は北東の角からスタートだ。敵チームは南西の角から。ランダムでボックスが現れて、そこに入ると一定時間、攻撃を防ぐことが出来る。


予定通り佐久間はリザーブになり、スカイ、オズ、カミユが戦闘メンバーとなった。まずは武器選びだ。スカイはハンドガンとアサルトライフル、手榴弾を選ぶ。


(アドレナリンがドバドバ出る。ワクワク感が止まらない!)


『3、2、1、スタート!』


初戦が始まった。スカイはまず南に直進する。シンプルなステージだけに思い切りが大事だ。出会い頭に敵1体をアサルトライフルでヘッドショットした。敵が復活する前に他2体の裏をとり、ヘッドショットする。


(楽しい! ニタクネカマ、お前らの選択は敗けだ)


ーー4分が経ち、タイムオーバーとなった。スカイには30秒くらいにしか感じられなかった。ゾーンに入ってた。


(もっと戦いたい!)


結果は6対0でスカイ達の圧勝だ。パッと視界がフィールドに切り替わる。佐久間が激励に来た。


「凄いよ、スカイ君! 部長もカミユ先輩も」

「佐久間先輩、どこ?」

「スカイ君がプレーヤーのみの表示にしてるから見えないよ。インビジブル」


カミユは佐久間に偵察から何か情報を持ってないか聞く。


「次の試合は数分後だ。佐久間、何か情報は?」

「悪い知らせが2つ…………」

「何だよ。言って」

「次に当たる〝サドル〟ってチームは昨年、銅メダルを取ってます」

「もう1つは?」

「優勝候補と言われてたチームを撃破したチームとこのまま行くとぶち当たります」

「鉄は熱いうちに打てってね。手間が省ける」

「スカイ君、強気だね。良い心掛けだよ。ありがとう、佐久間」

「はい。皆、頑張って」

「じゃあ、サドルってチームに辛酸舐めさせてやりましょ」


『サドル、オズと愉快な仲間達両チーム、準備してください』


パッと3人の視界が切り替わる。さっきと同じステージだ。スカイは武器を変えず、そのままで行く。


『3、2、1、スタート!』


スカイはまた南に直進する。敵と出くわさない。


(敵がいない…………どこだ!?)


ダダダダーー! スカイの視界中央にダイと出た。後頭部に痛みを感じる。


(殺られた。悔しい! 10秒もリスタート出来ない)


「敵は中央に固まってる。裏を取られた」


現時点での戦績は2対1。スカイは復活してステージ中央に向かって手榴弾を投げ込む。……ズドン! 戦績が4対2になったが、スカイの視界左上に【フレンドリーファイア。オズ】と出た。


(味方を殺っちまった。ゴメン、オズ部長)


スカイは気を取り直して、また南へ直進する。壁に隠れて様子を伺っていると、敵が中央を通って行った。すかさず背後からヘッドショットをした。通路の先にオズとカミユのアバターが転がっている。死体だ。乱打戦になった。そして、タイムオーバー。


(結果は…………!?)

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