第11話(幼なじみを救出)

オズはログアウトして髪をかきあげる。スカイは佐久間に聞く。


「ハイパーテオブロマってゲームはどんな感じ?」

「ウォーパークにプラスアルファ、複雑にした感じかな。基本的に剣と魔法で戦うんだ。ジュニアオリンピックはウォーパークの部で出場予定だからね。スカイ君なら掛け持ち出来そうだな、ハハハ」

「そっちもやってみたいけど、まずはウォーパークだな。本物の銃を撃ってるみたいで楽しかったよ」


オズはすかさず突っ込む。


「スカイは本物の銃を撃ったことあるの?」

「父さんが連合軍のレンジャーだったから、10式突撃銃を扱ったことあるよ」

「そうなの。それで、基礎ができてたのね。今日は部活終了。帰っていいわよ」


佐久間はそそくさと部室のドア開けた。


「お先に。早く15歳問題に取り組まなきゃ」


佐久間は帰っていった。残されたスカイとオズ。スカイはまたキスされるんじゃないかとドキドキしていたが、オズもすんなり帰っていった。


スカイはフラフラと歩きながら昇降口に向かう。すると、下駄箱でミノルが壁にもたれ掛かっていた。いや違う。2人の上級生に絡まれてる。


「ミノルちゃん、俺達とお茶しない?」

「あの…………その…………」


(仕方ない。助けてやるか)

「おい! 不細工ども!」

「なんだ、てめえは?」

「俺の〝彼女〟に手を出すなよ」


勿論、彼女と言ったのは、スカイのブラフだ。


「てめえ! やんのか!?」


(まずい! 上級生だろうと、雑魚には変わりないが、こっちはある意味手負い。分が悪いな)


「ちょっと待ちな! 俺の幼なじみに手ぇ出すじゃねえ!」


スカイの裏から馴染みのある声が聞こえた。ツヨシだ。ツヨシは、スカイよりガタイが良い。それに加え、ツヨシは野球部だ。金属バットを所持していた。


「てめえら、覚えとけよ!?」


雑魚は逃げ去った。


ミノルはボロボロと涙を溢す。


「ありがとう。2人とも」

「気にするな」

「あんな連中、俺がバットで月までブッ飛ばしてやったのに。逃げやがって」

「スカイ君、ツヨシ君、本当にありがとう」

「さあ、帰ろう」

「俺は野球のために走って帰りたいけど、迎えの車が来ちまう」

「私もハイヤーが迎えに来る。スカイ君、送って行こうか?」

「いいよ。歩いて7分くらいだし。それにしてもセレブは違うな~、アハハ」

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