第8話 聖女

 「ミリア様、もう昼食の時間ですよ」

 「あぁ、そうなの。じゃ、いつもの通り、食事はここにしましょう」

 「はい、わかりました。でも、ミリア様、毎日図書室で本を読むことで、体は大丈夫ですか。前の病気はまた…」

 「大丈夫ですよ。ほら、今、すーごっく元気ですよ!」


 王都に帰った。もう一か月。それから、ほぼ毎日図書室で過ごす。しかし、図書室の本の中に、「聖女」「ドラゴン」「エクスシア教」にかかる本があまりないよ。逆に、イングレイズ教の本がいっぱいだけど。まさか、これも帝国の仕業なの?

 今読んだ本は「エステリア大陸史」。その中に、40年前の魔王との戦いを記載された。この中から、何か手がかりがあるかもね。


 「ミリア様、食事はもう用意しました。では、こちらに…」

 えいい… まだ読みたいのに。まっ、食べ終わったら、続けましょう。

 「今日はなに?」

 「ミリア様好きなクリームチーズグラタンとエービ野菜スープです。デザートはアマグリのムースです」

 「すぐ行きます!グラタン大好き!いただきまーす…」


 ほぼ50年前、エステリア歴734年、大陸の極北に位置するエスラル王国に突然ゲートを現れた。ゲートの中から、魔族が大陸に侵入した。僅か数日間、エスラル王国が亡べた。その後、大陸の中心部のエスシリア聖王国をはじめに、諸国で対魔王連盟をつくった。その10年間の戦いは「人魔大戦」と呼ばれる。

 (何よ、「人魔大戦」?なんとダサい名前よね。この歴史を書く人はい大丈夫かしら?ダメ、集中集中!)

 エステリア歴738年、エスシリア聖王国が成功に異世界から勇者を召喚した。その勇者の名前はタケヨシ・サナダ。

 あっ、あれ、えいい!!!おじいさま!!?おじいさまが異世界から召喚した勇者なの!!?じゃ、私の転生前の世界は同じかしら?チャンスがあれば、絶対におじいさまに聞きたいの。

 この字はなんだ?こんな四角な文字初めて見た。『真田竹義』という見たことのない文字がおじいさまの名前の後ろに書いた。これがおじいさまの世界の文字なの?うん、そうよね。続けましょう。

 異世界からの勇者とその仲間、エスシリア聖王国王子リチャード・オーシス・エスシリア、エクスシア教大神官の一人娘レオーナ・シャルディ、インスシュレター王国騎士団長(赤いワルキューレ)シンーナ・トレーシア・ピストル、エルフ族の大魔法使いシャローナ・ティディス、そしてドワーフ族の戦士フェロード・オールコートという六人。僅か二年の間に、魔王軍から支配する土地を次々と解放する。エステリア歴740年、魔王を倒した。世界を救えた。この六人、「救世の六英雄」と呼ばれる。その後、エスラル王国の末裔、ギルファ・エスラル王子がイングレイズ教の支持を得る。イングレイズ帝国を建国する。

 

 これは「大戦」の歴史よね。六英雄、おじいさまが英雄だよね。でも、ちょっと気になることがあるよ。その「赤いワルキューレ」という王国騎士団長の名前、それは死んだおばあさまじゃないの?!なんでそういう称号なの!?

 

 これは図書室内の全部の情報か。「聖女」「エクスシア教」そして「魔法」についての本が全然ないの。これからはどうしょう…

 じゃ、もう一回、探しましょう。そう考えと、再び本棚のところで探す。

 「えっと、あれ、この本先あったのか?」

 『インスシュレター王室事典』という本だ。私は踏み台を登り、本を取る。何、この本が軽すぎじゃないの?そう思いながら、一番奥の本棚が急に動ける。隠されたドアを現した。

 

 踏み台から降りる。ドアの前に来た。

 「鍵の穴がないね、何だ、このボダン?」

 ドアが数字のボダンがある。これが、パスワードが必要か。じゃ、試してみよう。

 「お父様の誕生日で、違い… お母様の誕生日で、それも違い… じゃ、お兄様の誕生日はどうかな、未来の王だから、うん、絶対にお兄様の誕生日よね。じゃ、また違いかしら!」

 もうあきらめたよ。全部間違いの!?せっかく隠れ部屋を見つかったのに… お父様、ケチ!何か宝物よ!まて、宝物?まさか、私の誕生日なの!?じゃ、最後の一回、7・7・5・0・6・3・0。今回は?当たり!ドアが開けたよ!

 

 隠れ部屋に入って、本がいっぱいある。これで絶対にあるよ。でも、もうすぐ夕食の時間に… もしリリスに見つかったら… 今日はあきらめよ。明日でここに宝を探しましょう!

 部屋から出て、その本を元の場所に戻り、本棚も元の場所に戻った。

 「ミリア様、もうすぐ夕食の時間時間です。そろそろ行きますよ」

 「あぁ、リリス、わかりました。今すぐ行きます」(危ない、もうちょっと遅いなら、絶対にバレるよ!)

 

 「ミリアちゃん、最近は毎日も図書室で過ごしたね…」

 夕食の時、お父様が話した。

 「はい、お父様。気になる本があるもの…」

 「アハハ、どんな本か?ミリアちゃんがこんなに熱中する」

 「えっと、大陸史ですよ。中に六英雄のことが書きましたよ。おじいさまとおばあさまの冒険のことがあります」

 「そうか、六英雄のことか。確かに、女の子が英雄を好きだな」

 「はい、次におじいさまが会える日、六英雄のことを聞きたいの」

 「アハハ!それでいいよ。ちなみに、ご飯をちゃんと食べないとダメよ。体を気を付けてよ!」

 「はい、お父様。わかりました!」

 ――――――――――

 では、今日は絶対に隠れ部屋で情報を探す。朝食が終わったら、私とリリスが図書室に来る。

 「リリス、いつもの通りで、昼食は図書室で食べます。準備お願い…」(早く出てって、私は隠れ部屋に行きたいの!)

 「はい、ミリア様、では、いつもの時間で食事はここに送ります。本を読むことを無理しないでくださいませ」

 「はい、はい…」


 リリスがやっと出た。早く、隠れ部屋へ!

 昨日とように、本を取って、パスワードを押す。ようし、開けた!早く本を探しましょう。

 「ええと、マ…、マ…、ここよ。『魔法原理』、わあー、各属性も10冊以上なの!?なんで聖属性は一冊しかないの?これが後でゆっくりで… エ… エ…『エクスシア教典』、見つけたよ!」

 私は床に座って、本を開ける。

 「セ… セ… 『聖女』693頁だよね。はい、ここ、えっと…」


 エクスシア教、エステリア大陸の正教。大陸上すべての国を信仰する。今まで、すでに数千年の歴史があった。「聖女」、500年に一度、エクスシアの神々の地上代行者として、大陸に降臨する。聖女は生まれて、人々を救える癒す力を持ち、セイクリッド級治癒魔法を使える唯一の存在。その代わり、他の属性の魔法の適性がない。

 

 「えいい…! 『聖女』はこういうことかしら… !!」

 突然、私は何か思い出した。

 生まれから、癒す力!ますかあの光!!?イヤイヤ!ほら、この世にこんなに偶然なことがないよね!そう!もし他の属性魔法を使えると、私は聖女じゃないことを証明できるよね!!

 そう思いながら、『魔法原理』の本を取る。


 魔法とは、体に存在する魔力利用し、攻撃する。『火・水・風・地』四つの根源属性と『光・闇』二つの希少属性、さらに『聖』という治癒属性、七つの属性がある。人は魔法素質と属性適性を持ち、最初は専用のクリスタルボールという測定アイテムで属性を確認する。人により、根源属性すべての適性持つことは可能。希少属性が一属性しか持たない。『聖』属性の適性を持つ者のみ、回復魔法を使える。

 「魔法はこういうものかしら… 後ろはまた何を書いているの?えっと、大量な魔力を持つ人、初めて魔法を使う後、コントロールできない魔力で熱が出すことという魔力症がある…」

 えいい!つまり、あの時、普通の熱ではなく、魔力症なの!?じゃ、測定アイテムは、ここがあるかしら、探しましょう。


 「ここ…ない… こっちもない… やっぱりこの部屋にそういうアイテムがないよね。あっ、あれ、これは… これだよね!」

 一番奥の本棚の下に、クリスタルボールを見つかった。使え方は?本を見ながら、やりましょう。

 「うんうん、まず、両手でクリスタルボールを触れ、魔力を出すイメージを想像する。これでいいのかな… 何よ!この光よ!」

 クリスタルボールが急に光が出る。あれ、何かが出るの。

 「これは、紙なの?何かを映った…」

 たぶん、これが測定結果かしら。これが私の魔法適性よね。しかし、ここでは、予想以外の結果を出した。


 「えっと、この七つ色は属性よね。一つしかしないか…!」

 急に悪い予感が出た。すぐ本を続け読んだ。

 「赤色は火、蒼いは水、緑色は風、黄色は地、そして、白は光、黒は闇、最後浅いピンク色は聖!」

 この紙、ただ一色しかない。それは、浅いピンク色の聖属性。

 「きっと、何かの操作が間違ったよね。もう一度を…!」


 また同じ結果が出てしまった。

 「違うよ… わたくしは聖女なんかじゃないよ!もう一度を… もう一度を…」

 しかし、何度も繰り返しても、同じ結果が出る… 目から涙を流れる。


 時間が経つ。少々落ち着いた。私は立ち上がって、クリスタルボールと本を全部元の場所に戻った。幸い、結果の紙はすぐ消えたよ。これで、誰でも気づかないよね。

 隠れ部屋に出て、すべてを元に戻して、無作為に本を取って、床に座って、考えに陥った。


 今まで、ずっと分からない「聖女」「魔法」「光」がすべて解けった。認めたくないが、私はエクスシア教の「聖女」のことは事実よ。そして、もし帝国が私の存在を知ったら、人質として、強制的に帝国に連れる。今の状況は、もし私は人質になると、必ずお父様とお兄様の足を纏う。いつか帝国をこの国から追放する日が来るよ。その日が来るまで、絶対に誰にも知らせなれないよ。そう、いつか、私も王族の一員、聖女として役に立つでみせるよ!

 そう考えながら、私は立ち上がった。隠れ部屋に戻った。ただ一冊の聖魔法の本を持ち出した。


 「ミリア様、また床に座って本を読みますか。王妃様に知ったら、怒りますよ」

 「ごっ、ごめんなさい。もう昼食の時間かしら…」

 「はい、すでに用意しましたよ。では、こちらへ…」

 「わーい、全部わたくしの好みだよ、リリス大好き!いただきまーす!」

 「ミリア様、気を付けてください。スープはもう洋服に…」


 そう、「聖女」のことは誰には話さないよ。この国の未来、お兄様の理想のために、治癒魔法の修行を始まるよ…!

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