第3話 入学試験 ③

 ご飯を食べ終わった。実績試験を始める前に、ここに少しい休んでいる。

 「ね、エステルさんも貴族ですよね?」

 「えっ、えいい。そうですよ」

 「やはり、姉さんとそっくり」

 「お姉さん… かしら?」

 「はい!私の上に二人の姉がいますよ。姉さんたちがとても上品ですよ。私だけ、ずっとお嬢様らしくないと言われますの」

 

 それは当然よ!どこのお嬢様が勝手に人を引っ張るの!?気にしないだけど。

 彼女の目の中に何かを浮かべる。しかし、急に笑顔に戻った。

 「そういえば、エステルさんは貴族なのに、会ったことがありませんでしたね」

 「実は、わたくしは王都に来たばかりもの…」

 「そうですか、エステルさんは王都の貴族じゃないか… なら、試験が終わる後、私は王都を案内しましょう!」

 「それは…」

 今日から初めて会った人に案内されるなんで… さらに、身分をバレないように… 彼女の気持ちを無駄にするのはごめんだけど、今すぐ断りましょう!


 「美味しいケーキ屋さんがありますよ!」

 「是非お願いします!!」

 あぁ… 私… ケーキに負けちゃったよ!

 「でも、今日の試験を終わるも結構遅くなりますよ。また別の時間でお願いてよろしいでしょうか?」

 「わかりました。じゃ、約束よ!」

 「あぁ、いいよ、約束しよう!」

 

 二人が芝生の上に座って、互いの小指をからみ合わせる。風の中に二人の髪に靡かれている。

 「では、そろそろ実績試験の時間ですよ。行きましょう」

 「はい!」


 敷物を収納魔法に収め、試験会場の練習場へ向かう。

 「あわわ!試験会場は違うかしら!?」

 「そうですね。では、お互いに頑張りましょう!」

 「うん!じゃ、私はこっちですよ」

 彼女の後ろ姿を見る、ほっとした。朝から、彼女はずっと主導権を握る。こんな感じは初めてだ。随分面白い人だね。では、午後の試験も手加減を頑張りましょう。


 練習場に入り、すでに四人がいる。

 「では、全員揃いました。皆さんは準備してください。間もなく実績試験が始まります」

 「皆さんは自分の得意の魔法で、順番でこちらの魔法人形を攻撃してください」

 魔法人形!シャローナ先生の授業で、使い主の意志から動ける魔法兵器だ。入学試験で、こんなにヤバイ物を使えるか!?

 

 そう思いながら、手を挙げた。

 「恐れ入りますが。先生、ちょっといいかしら…」

 「あぁ、どうぞ」

 「魔法人形は、先生の意志で動けますよね。この試験は移動中のターゲットを狙い撃ちでしょうか?」

 「あぁ、よく勉強しましたね。安心して、今回の試験は、人形は動きません。全力で撃てばいいですよ!」

 「かしこまりました。ありがとうございます」

 「では、早速試験を始まりますよ。まず、A-A-36番!」

 

 男子生徒は前へ行き、右手で人形に向ける。

 これで他の人の攻撃魔法を見える。シャローナ先生以外の人は魔法で攻撃することでは、見なかったよ。早く!見せて!見せて!

 

 「我が体に満ちる炎の力よ!我が命ずるに従い、前の敵を撃つ!ファイアウォール!!」

 小さな火の玉が緩やかに前へ動き、人形に当たった。

 ないこれ!!!ただの初級魔法じゃないの!?そして、魔法の名前を呼んでいいのに、わざわざ詠唱する意味は何よ!!?

 

 「次!A-B-70番!」

 今回は女の子が前へ歩き、両手で上に上げる。

 「水よ!すべてを浄化する水よ!今こそ、汚らわしいものを浄化しよう!アクアストリーム!!」

 人形の上に青色の魔法陣を現す。この魔法は確かに、相手の上に、水流を召喚し、近距離の奇襲タイプの初級魔法だよね。でも、詠唱する上、奇襲の意味がないよ!!

 魔法陣から、ほんの僅かな水を降りる。これは… 軽雨けいうより少ない!意味があるの!?そして、その喜びの顔は何よ!!?


 「次!A-B-78番!」

 今回は誰でも返事がない。

 「もう一度!A-B-78番いるか!」

 「はっ、はい!あっ、あたしです」

 女の子のビビっている声を聞こえ出来た。隣の女の子だ。茶色の前髪に少しい目に隠される。足が震えて、緊張のせい… かしら?

 

 彼女は前に向かい、両手で前に向ける。

 「風よ!真空の刃になれ!前の敵を切り刻め!ウインドカッター!」

 風の刃が速いスピードで前に飛び、人形を切る。先の二人より強そうだ。しかし、痕は浅すぎるよ。

 

 「次!A-D-136番!」

 「ホォー、やっとオレ様の出番だ。見っとも無いぞう!お前らの平民よ!今は、貴族様の力を見せてやろう!」

 今回は貴族のオレ様男か!?こういうタイプは… ちょっとムカつく!

 

 「炎よ!我が命ずるに服従せよ!この世のすべてを燃やせ!ファイアウォール!!」

 またファイアウォールなの!?先のよりちょっと速いね。そして、人形の表面を燃えている。まぁ、所詮この程度よね… 

 「ほら!これが貴族様の力だ!平民は平民らしくて、貴族に服従すればいい。魔法で地位を変わるなんか… 笑わせるな!!」

 

 なんか、こいつ、本当に嫌なタイプだよ。腹立つ!そして、なんで私はずっと最後なのよ?!

 「最後!A-E-175番!」

 ようし!このイライラする感じを吹き飛ばすよ!

 前に向かって、右手の人差し指で人形に指して、水と光の魔力を組み合わせる。

 「アイスニードル!!」

 氷の針が前に飛び、人形に突き刺す。そして、人形にいる場所を氷結する。

 

 後ろの先生はすでに衝撃により立ったまま気を失い、ほかの生徒も目を見開く。

 「なっ、何だ!あれは!?」

 「そんなことがありえない!!」

 

 気持ちをちょっと落ち着き、目の前の光景を見る。

 まずいよ!ついに… やりすぎるよ!!


 この時、気絶した先生が目を覚めた。

 「素晴らしい!実に素晴らしい!水と光を組合い、氷の魔法!あなたのような天才は何年ぶりだ!!!」

 

 この展開!早く逃げないと…!嫌な予感がある!

 「あの、先生。今は退室でよろしいでしょうか?」

 「あぁ、それは大丈夫です。試験は全部終わりました。結果は三日後学園の掲示板で発表する」

 「では、失礼します!」

 すぐ速いスピードで逃げた。


 ビルから出て、すでに夕方になる。前に人が私に手を振る。夕日の光で人の姿に見難くなる。突然、その人がこっちに走って来る。緑色の髪か… 緑色! ルーナ!

 そう思う時。腕をすでに握られた。

 「エステルさん!試験はどう?」

 「あぁ、大丈夫ですよ。ルーナさんは?」

 彼女の目がキラリと光る。

 「私は先生に褒められたよ!」

 「それは良かったですね」

 (先生は私のせいで気絶した…)

 「それでは、帰りましょう!」

 「うん!」


 キャンパスから出て、ワァイスとシッヴァルツはすでに馬車の前に迎える。

 「エステル様。試験、お疲れ様でした…」

 ルーナで手と繋いていることはワァイスに見られる。ワァイスの顔がちょっとおかしくなるよ。すぐ元に戻る。気のせいかしら?

 「エステル様。この方は…?」

 「あぁ、今日初めて知り合ったルーナさんです。ルーナさん、こちらはうちのメードと執事です」

 「美味しいサイド作った人なの!?」

 わあ!ルーナの目がまたピカピカにする。

 「そうですよ…」

 何か変な殺気を感じる。ワァイスの目の中に… やはり先は気のせいじゃないよ!! どうしょう…

 

 「ルーナお嬢様!ここですよ!」

 向こうから声が聞こえる。

 「ルーナさん。誰かが君を探したそうですよ」

 「あわわ!うちのメードだ!じゃ、今日はこれで、三日後またね!そして、約束もね!」

 「あぁ。わかりました。では、またね」

 彼女は向こうに走った。


 「エステル様!ちょっと説明を…」

 うわ!ワァイスの目が怖いよ!!

 「話せ… 話せばわかる…!」


 帰る時、窓から外の夕日を見る。今日の一日のことを思い出す。

 普通の人の属性適性と攻撃魔法は想像より低い。シャローナ先生から教えることのレベルの差が大きい。魔力マジックロックは95パーセント以上の魔力と属性を封じたはずなのに。今の属性は一体どれくらいかしら?嫌ですが、あとは属性を確認しましょう。

 そして、ルーナさんのこと、本当に面白い人だよね。友たちになれるかしら…


 「エステル様。何かありませんか?」

 「イヤ、なんでも… 今日は疲れるの!早く帰って、食って、寝ましょう!」


 ――――――――――

 インカンタートル魔法学園の教務室。

 「何だ!この答案を見ろ!」

 「エンシェント魔法の理論はこれまでに理解するなんで…!」

 「そして、その天才的な適性、攻撃魔法!シャローナ先生、彼女は一体…?」

 

 シャローナは窓側の壁をもたれかかって、外の夕日を見る。

 「最初から言ったはずだよ。彼女は私を超える天才だ…」

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