第4話 結果発表

 「はぁ…」

 マーレ辺境伯家、王都の邸宅に、伯爵令嬢が自分の部屋にため息をつく。

 外にいるメードと執事がこっそりと話し合い。


 「エステル様は昨日からはずっと元気がありません。一体…?」

 「私もわかりません。学園から帰る時はまだ楽しそう…」

 ワァイスとシッヴァルツが私のことを心配するか。でも、私は部屋の中にも聞こえるよ!まぁ、心配されることを嬉しいけどね…


 『ワァイス、シッヴァルツ。心配かけて、ごめんなさい。わたくしは大丈夫よ』

 『ミリア様、もう聞こえましたか?せっかく小さい声で…』

 『エロ猫、あなたの声が大きい…』

 今は精霊の契約の効果で、心から二人と直接に対話する。この方式の対話しか、ミリアという本当の名前を聞こえない。でも、この二人、こんな場合にも口喧嘩かしら。さすがうちの猫…

 

 『ふっふっ~』

 『ミリア様?』

 『ごめん。ちょっと面白いことを思い出したよ。わたくしはもう大丈夫よ。安心して…』

 『分かりました』

 

 元気がない理由、どうしても話したくないよ!学園から帰る後、測定アイテムで属性を確認した。その結果を忘れたい!!

 あの時、予想に遥か超える数値が出た。それは…

 「炎2000(+40000) 水3000(+60000)

  風2400(+48000) 地2200(+44000)

  光6000(+120000) 闇0(+0)

  聖120000(+3600000)」

 という結果が出だ。この数値を見ると、嬉しい人はいるかしら?

 あぁ… 頭が痛い。幸い、魔力マジックロックがある。さもないと、私の学園生活はすでに終わってしまったよね。

 まぁ、このまま悩んでも何も解決しない。そう言えば、明日は結果発表の日だ。ルーナさんと会えるかしら…?


 ――――――――――

 翌日の朝、ワァイスはいつもの通りで私の髪を梳かす。

 「フンフン~フンフンフン~」

 「エステル様、今日は楽しいですね」

 「あぁ、そうよ。今日は結果発表の日だよ!」

 

 「あの… エステル様」

 ワァイスの手が止まる。私は後ろに振り返って、彼女を見る。彼女の顔は苦しい表情になる。

 「ワァイス、大丈夫?どうして急に…!」

 「エステル様は入学したら、学園の寮で入居しますよね… それなら、私は…」

 あぁ、なるほど。ワァイスがこのことを心配するか。


 「ワァイス、大丈夫よ!上位貴族なら、一人や二人のメードを連れられるよ」

 「それは本当ですか!」

 「あぁ、もちろん、連れるよ。ワァイスがいないと、わたくしは困るよ!これからのお世話もお願いね」

 彼女の表情が明るくなる。ウサギは寂しがり屋だと聞いたが。猫も同じなのか?

 「うん、わかりました。エステル様が私を必要です!」

 「そう言えば、シッヴァルツはどうしょう… 執事を寮内に連れることはダメだよ。じゃ、彼を猫に変えて、連れよう。ペットなら大丈夫のはず…」

 話しながら、急に殺気を感じる。ワァイスの手… 指の関節をポキポキ鳴らしている。

 「ワァイス?話せ… 話せばわかる…!」

 

 ――――――――――

 今日は結果発表の日だ。つまり、運命が決まった日だ。朝からすでにたくさんの人が集まっている。

 「では、わたくし、行ってきますよ!」

 「いってらっしゃいませ。エステル様」


 校内に入り、掲示板のところに向かう。周りから変な目に見られた気がする。

 あぁ… やはり、やりすぎるか… イヤイヤイヤ!私は試験場を破壊することをやっていないよ!!ただ凍らせるだけど…

 「エステルさん!コチコチ!」

 ルーナの声が聞こえた。彼女は噴水のところからこっちに手を振る。

 「ごきげんよう!ルーナさん」

 「ごきげんよう!エステルさん!早く結果を見に行きましょう!」


 掲示板のところに来た。自分の名前は… ないか… やはり、やりすぎてしまった!!!私の学園生活…!!

 「ルーナさん。ごめんなさい… わたくしは合格できなかった…」

 「何を言ってるの!?エステルの名前はあそこでしょう!?うえ!うえ!」


 掲示板の一番上に見る。

 「インカンタートル魔法学園入学試験成績 

  首席 ルシャリー・グローリア・クオーレ

  二位 エステル・フォン・マーレ

  三位 プラティリーア・シルワ

  四位 ルーナ・プレーナ

  五位 フェイン・イグネース」

 と載っている。


 私はルーナの手を取り合う。無意識に涙を流した。

 「ルーナさん!わたくし… 合格したよ!!!」

 「おめでとう!エステルさん!私も合格したよ!!」

 「あぁ… ごめんなさい!わたくし… ついに… ルーナさん!合格おめでとうございます!」

 「こちらこそ、これからよろしくね!しかし、エステルさんは積極的ね~ 私の手を取るなんて~」


 私の頬が燃えるように赤くなる。

 「ごっ、ごめんなさい!わたくしは…」


 「バタン!」と人が倒れる声が後ろから聞こえ出来た。後ろに振り返って、ある女の子が地面に倒した。

 「こら!前をよく見てくれよ!チッ!平民のくせに…」

 おいつは… 実技試験の時の貴族の男だ!


 私は彼女の前に身をかがめる。

 「君、大丈夫なの?怪我はないの?」

 彼女は顔を上げ、蒼い瞳が前髪の中に見え隠れする。先日の気が弱い子だ。

 「わ… 私は大丈夫です… ありがとうございます…」

 彼女を助け起こした。また膝が震える。かなり怯えられたようだ。


 「あなたは彼女を倒したでしょう!?早く謝りなさいよ!」

 「ルーナさん。本当なの?」

 「あぁ、私は見た。この男は彼女を押したの!」

 「なら、彼女に謝ってください!」


 「はぁ!?こいつがオレ様をぶつかったぞう!!オレ様に謝るべきだ!!」

 「いっ、いいえ… 私、ちゃんと謝りしました…」

 彼女は小さな声で話す。


 「はぁ!聞くえなぇよ!チッ!平民のくせに!」

 「平民かどうか関係ありませんよ!!女の子に手を出すなんて!」

 ルーナは大きくなる声で、この男を責める。


 「おいおい!平民を仲間になりたいか!?プレーナ家のお嬢さんよ!オレ様は、フォオレ男爵の長男、マリク・フォオレだ!!」

 この男の家名を聞き、ルーナの表情が淀んでいる。

 「ごめん… エステルさん、私の家は子爵家だもの…」

 「わかりました。大丈夫ですよ。わたくしを任せて…」


 ルーナがこのような顔を初めて見る。この男は本当に貴族の恥だ!元々、地位と権力で人を服従させることが好きではない。しかし、今の状況で、辺境伯家の身分を示さなければ…

 「君のような貴族、この国の恥だ!」

 考える時、傍から女性の声が聞こえ出来た。

 「あんた、何者だ!?こいつらと一緒に、平民の仲間か!?」


 私は横に見る。騎士服を着る長い黒髪の女性だ。

 「私の名はルシャリー・グローリア・クオーレ。クオーレ公爵家の長女だ!」


 「クオーレ家?あの騎士団長の…」

 「入試首席のルシャリーさんだよ…」

 後ろからこのような騒ぎを起こした。


 「チッ!公爵家か!お前ら、憶えてろう!」

 「待ちなさい!お前、彼女に謝れ!」

 「っく… 悪かったな!これでいいだろう?」

 この男が背を向けて行った。


 ルシャリーという女性は私たちの前に来る。茶髪の子に頭を下げた。

 「申し訳ございません。君にこのようなんことを… 私は貴族を代表してお詫び申し上げます」

 「いいえ… 私は大丈夫です… そして、助けること、ありがとうございました!」

 「本当に助けたのはそっちの二人さんですよ」


 彼女は後ろに振り返って、私とルーナに向け、頭を下げた。

 「私はフェイン・イグネースです。助けること、本当にありがとうございました!」

 「イヤイヤイヤ、私たちはただやるべきことをしましたよ!そうよね、エステルさん!」

 「あぁぁ、その通りですよ」

 そう言えば、フェイン・イグネースという名前は、どこかで見たことが…


 「先の大騒ぎはなんだ!?」

 この時、先生たちがここに来た。ルシャリーさんは先生たちに向かう。

 「先生、申し訳ございません。私はルシャリー・グローリア・クオーレと申します。先に起こったことを説明します」

 「クオーレ公爵家のご令嬢ですか。良かったら、一緒に教務室にくれませんか。君たちもね!」

 

 へいいいいい?!!!

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