第一章 記憶を失った転生者

第1話 王女に転生

 私の名前はミリア・エリシス・インスシュレター。今年は5才だよ。エステリア大陸の北西部に位置するインスシュレター王国の国王エルハート・フェンリット・インスシュレターと王妃アンナ・トレーシナ・インスシュレターの二番目の子。5才年上のアクセルお兄様がいる。つまり、私は王女だよ。

 ちなみに、私は普通の王女ではなく、転生者だよ。しかし、あるドジ女神の「何かの間違い」で前世についての記憶がなにもない。さらに、どんなことで転生。事故?なんのための転生。魔王討伐?世界救い?何もわからない。本当にドジ女神だよね。

 

 インスシュレター王国の冬が長い、大地からの恩恵がより大事にした。よって、毎年王族は春が来る際に、神殿で祈りという重要な儀式を行う。10才を満たす王族しか参加できない。あと一か月で今年の祈りが行う。儀式を行う神殿が王都離れて、三日間の道のりが必要だ。さらに、祈りの日程は丸二日間。儀式が終わったら、王族と国中の上位貴族も二日間の狩猟イベントもある。さらに、来月の儀式に、お兄様が王太子に就けることを宣う。

 つまり、まる十日間、私一人ぼっちなの!?去年はお兄様と二人でなんか行けるが。今年はお兄様にとって、大事な儀式を行う。なんで私一人だけいけないの!?

 ム…ムリムリ!私も行く。うん、絶対いく!

 決まった!夕食後で勝負しろ、お父様!


 「ねね、お父様」

 「何、ミリアちゃん」

 「わたくしはね、ほんの少し願いがあるもの…」

 「ほほ、ミリアちゃんの願いか。珍しいね、ようし、言っていいよ」

 「あの、来月の春の祈りのこと、わたくしも行きたいですの。連れて欲しいですの!」

 「ダメだ、ミリアちゃんにとって、まだ早い!アクセルのように、10才の後で!」


 即決!?私こんな簡単に諦めると思ったら大間違いわよ。お父様!ここは、子供のように甘えて、お父様がどうすんの?

 自分の両手をじっと見下ろす。目から涙が溢れる。

 「お父様去年もそう言ったのに!今年は絶対に一緒に行きますの!」

 

 (えへへ、この世に、可憐な娘の涙を無視する父親が存在するか?)

 「お兄様の大事な儀式なのに、なんで私だけなの…」

 「お父様、できれば、ミリアも一緒に行きたいです。何かあったら、絶対にミリアを守ります」

 隣に座っているお兄様が話した。

 さすか私のじまんのお兄様、カッコイイわ!

 「うん、アクセルか… あっ、ミリアちゃん、泣かないで、ええと… こんな大事なこと、私は考え必要だ!」

 「ほっ、本当なの、考えが終わったらわたくしも一緒に連れての?」(お父様よ、ここでごまかすのはダメだよ)

 「あ… まず、時間が必要だ」

 「じゃ… 約束を…」(ちゃんと約束しないと、絶対にダメだ)

 「あぁ… 約束する」お父様がどうしょうもない表情で言った。

 「ワーイ!お父様大好き!」(よし、これで成功!)

 

 なんとか一件落着だ。そう思う時、私が気付いた。先から、お父様の側に座ったままお母様が、なんか、ずっと微笑んでこっちを見る。あぁ!これ…ちょっとヤバイかしら…

 でも、ここは先手必勝だ!叱れる前に、主導権を手に握るよ!

 

 「ね、お母様」

 「何、ミリア」

 「何て先お母様がわたくしを助けないの…」(そうそう、えへへ、お母様、これでどうしましょうかな)

 「ね、可愛い娘を助けないなんて…」

 お母様が私を抱き上げ、耳のそばにこっそりと話した。

 「もし、そのかわいそうな顔が本当ですよね…」

 (ひいい!バレだのか!?お母様怖い!)

 「だって、わたくしは一人ぼっちしたくないもん…」

 「うん、わかった。でも、このようなこと、二度とはダメよ」

 「うん、二度とはしない。約束…」

 「いいよ、約束を守る子が、母が大好きよ」

 「お母様大好き!」

 

 お父様は苦情があることを理解する。まずは、10才を満たすしか参加できずでは数百年前からの伝統だから。さらに、上位貴族ほとんど出席し、こんな重要な場合に、5才の子を連れて、王族の尊厳が大事だよ。しかし、私は絶対に一人ぼっちしたくないの。さらに、神殿で、あのドジ女神も会えるかも。前世のことには、あんまり興味がないが。一体、何のためにこの世界で転生したことを気にする。できれば、早く知りたい。

 

 でもよ、今日の母が怖いよう。まるで私考えたこと、すべてが分かるように… やはり、レベルが違いわ… 

 たぶん今日が頭を使いすぎる。ベッドに入って、すぐ寝てしまった。


 「ったっく、この子は一体… 誰と似ているよ…」

 「あら、確かに、誰かさんとそっくりわよね」

 「アハハ!この根性、さすが私の娘だ!」

 「でも、教団のこと、どうつもりかしら」

 「あぁ、それが確かに厄介だ。いろいろな準備をしないと… これからは急げなければな…」

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