第2話 ハシュル公爵領

 一か月の時間があっという間過ごした。いよいよ出発の日に近くなる。初めて城から出て、ドキドキするわ。しかし、あれから、お父様が何か忙しそう。一緒に食事の場合もすくない。お兄様が王太子の就任儀式の準備かしら。

 明日は出発の日だ。今日は、やっとお父様と一緒に夕食の時間を過ごす。しかし、お父様の顔色が悪く、大変疲れそうよ。食事が終わったら、またすぐ行ってしまった。

 

 「ね、お母様」

 「なに、ミリア」

 「お父様が最近、疲れそうになりました。大丈夫なの?」

 「あぁ、ミリアが心配かけて、嬉しいよ。お父様ね、最近の仕事が忙しいよ」

 「それはわかるの!お父様が元気を出してほしいです」

 「じゃ、一緒にお父様と話してどう?」

 「いいの?お父様の仕事を邪魔しないの?」

 「大丈夫ですよ。お父様もきっと嬉しいよ」


 お母様が私を連れて、お父様の執務室に来た。ここはお父様の大事な仕事をする部屋だ。普段には、私にとって、行けない場所だ。ドアの前に、部屋の中の話を聞いた。

 「では、教団についての件がこれで、この手紙がフェリプス大神官に送れ」

 「かしこまりました。では、失礼いたしました」

 ドアが開けた、ある親衛隊の服を着て男性が出ている。お母様と私を見ると、すぐひざまずいた。

 「王妃様、王女様、大変ご無礼を、申し訳ございません」

 「大丈夫ですよ。ミハイル、面を上げて、貴方も大事な仕事があるそうですね」

 「ありがたいお幸せ」

 ミハイルという人は立ち上がった。しかし、彼の眉を顰めている。何か心配するかしら?

 「では、これらが失礼いたしました」

  


 ミハイルが出ていた。私とお母様が部屋に入った。

 「おお、ミリアちゃんじゃない。何の用かぃ?」

 「あなた、ミリアはね、あなたに話したいことがあるよ」

 「なんだ?ミリアちゃんが、父さんのところに来て」

 

 私は父様の前に来た。

 「あのね、お父様が、最近疲れそうですわ… お父様が元気を出してほしいの」

 「アハハ!なるほど、父さんは大丈夫よ!ミリアちゃんが心配かけて、ありがとう」

 「本当あの?でも、お父様が毎日忙しいなのに、話チャンスが全然ありません!」

 「アハハ!それが、すまん… 儀式の準備はちょっと時間をかかった。もう大丈夫だ、明日の旅、楽しんでくれ!」

 「はい、じゃ、お父様が体に気を付けてね」

 「じゃ、ミリア、お父様がまだ仕事があります。帰りましょう」

 「はい、お母様。じゃ、お父様、お休みなさい」

 「あぁ、お休み、ミリアちゃん」

 お母様が私を連れて、執務室から出た。でも、その前に、お父様とお母様の視線がちょっと微妙だ。何が隠すかしら…

 

 出発の日が来た、私はいつもと違い、意外に早起きした。メードたちで華麗なドレスを着て、寝室から出た。

 「やはり私は一番ね」と思う時。

 「ミリア、遅いですよ!お父様とお母様を待つなんで」

 「えいい!?お兄様、おはようございます」

 (今日はもう最高記録わよ!なんで!)

 

 お兄様が王族にふさわしい真っ白な騎士服を着た。カッコイイわ!

 「まぁ、エクセル、ミリアちゃんにとって、これはもう結構早いだな。アハハ!」

 (そうそう、もう早いよ!まっ、待って、私にとってはなによ!?)

 「では、出発するよ!」


 馬車に乗って、お城から出た。

 「あぁ、これがお城の外なの!」

 「はい、ミリア様、お気を付けくださいませ」

 話したのはリリス、今回の旅の期間に、一緒に連れて、私の全般を世話するメードだ。

 「リリス、前も言った、人がいない時、普通でハ・ナ・シ・テ」

 「あっ!ミリア様、大変申し訳ございません、じゃなくて、すみません」

 「そう、普通でいいわよ」


 王都から離れて、ほぼ半日の時を経て、夕方の時、ハシュル公爵領下のミノキシネスに着ました。ミノキシネスでは、インスシュレター王国の最も大きな商業都市。どうやら、今日はハシュル公爵邸で滞留するらしいね。

 アィンク・セルティ・ハシュル公爵は国の宰相、最も上位の貴族だ。普段は王都に住む。今回は王族と同行で領地に帰る。

 馬車が公爵邸に着いた。リリスが先に降りて、私を馬車から抱き上げ、ゆっくりと地面に降りた。馬車の踏み台は5才の私にとって、ちょっと難しいだよね。

 

 「陛下、拙宅に御光臨、大変ありがたいご幸せ」

 「いや、アィンク、あんたと私の関係は、これほどのお世辞はいらないよ」

 「はい、ありがとうございます。では、陛下、殿下、こちらへどうぞ」

 

 屋敷の前に、公爵夫人と令嬢さらに後ろの使用人たちが迎えている。

 「陛下と殿下一行、拙宅に御光臨ありがとうございます」

 「あぁ、シーリスが、お久しぶりだね、メアリーも大きくなったな。今日はお邪魔するよ」

 「ありがたいご幸せ」

 「アクセルとミリア、きちんと挨拶をしますよ」お母様が言った。

 「はい。インスシュレター王国第一王子、エクセル・ハルート・インスシュレターでございます。本日はお宅にお邪魔しました」

 ウム、これこそが王太子にふさわしい。王族として礼儀と荘厳さも万全だ。では、私もお兄様に負けないご挨拶しましょう。

 「インスシュレター王国第一王女、ミリア・エリシス・インスシュレターでございます。今日はお邪魔します。久しぶりですわ、シーリス叔母様、メアリー」

 「あぁ、アクセルとミリアちゃんも大きくなりましたね、では、中にどうぞ」


 シーリス・トレーシア・ハシュル公爵夫人では、お母様の妹だ。父様が先に言った「関係」とはそういうこと。お母様によると、私が誕生する時、一番見られる人は叔母様だよ。

 屋敷に入って、使用人たちが荷物を運ぶ間。私たちは客間で少し休憩する。みんなが話し合い。外の時とは違い、ここでは、王族と貴族の関係ではなく、家族のような感じがある。

 

 「シーリス、なんで3月前急に王都から領地に戻るの?」

 「あぁ、そのことですが、お父様がなんか急に領地に来ましたよ。ですから、アィンクの仕事が忙しいで、私はメアリーを連れて、領地に帰りました」

 「えっ、お父様が、大丈夫かしら?」

 「えぇ、なんかたいしたことがないらしいよ」

 「まぁ、本当にお父様らしいよね」

 

 ここに聞いて、隣で公爵と話したお父様の様子がちょっとおかしい。

 「ひょっとして、お義父さんがまだここに…」

 「はい、そうですわよ」

 話した時、外に「ドン、ドン」な大きい走る声が出た。ドアが「トン」で開いた。

 

 「わしの可愛い孫たちが来ましたか!?」

 王国軍の服を着ているお年寄りの人が入った。

 「えい、お父様、エクセルとミリアが来ましたわよ」

 その人がぐっと私とお兄様を抱きしめた。

 「あぁ、可愛いエクセルとミリアちゃん!」

 

 そう、この年寄りの方が、私の外祖父。前王国将軍タケヨシ・サナダ・ピストルだ。でも、なんかおじいさまの名前だけ私たちと違う感じ。まぁ、チャンスがあれば、おじいさまに聞きましょう。

 

 「あぁ、お義父さんお久しぶりです。お… お体がまた元気ですね」

 おじいさまと話したお父様が、なんかビビるそう。

 「もちろんだ、わしは誰だと思うがぃ?可愛い娘を騙したクソガキ」

 「お父様、まだそうなことを…」

 「それは事実だ、わしは今でも、君とこのクソガキの結婚をみとめたくないぞ」


 えいいいい!?そんなことあるの?普段のお父様がどこに?おじいさまがこれほど怯えるか?これはこれは、その原因を聞く価値があるよね、うふふ~


 食事の後で、一日の旅で、皆が疲れそうになり、さらに、明日もまた一日の道のりがあるので、お父様とお母様が寝室に休憩に行った時。

 「あの、お母様、わたくしは今日、メアリーと一緒に寝たいですわ」

 「あら、メアリーちゃんが良ければ、メアリーちゃん?」

 「あたしはすこっく嬉しいですよ。ミリア様と一緒に寝たいですよ」

 「それはいいですよ、でも、ミリア、明日はまた早起きですよ。夜更かしはだめですよ」

 「はい、わかりました。では、おやすみなさい。」


 「あら、本当に仲良し姉妹ですね」

 「本当、まるで昔の私たちみたいですね…」

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