第3話 王女と令嬢

 メアリー・セルシオス・ハシュル公爵令嬢。ハシュル公爵の一人娘。私と同い年の従妹。普通の貴族令嬢とは違い、特別の身分で、メアリーは王宮で宿る権利を持つ。王宮に、私と同じ年齢の遊び友がいないため。お父様がメアリーに特別の身分を与え、私の唯一の友達だよ。

 メアリーの寝室に入り、さすが王国随一の公爵家。ご令嬢の部屋は真っ赤なカーペット、金色の糸で刺繍したカーテン、華麗なソファーといろいろな可愛い飾り、最後はフワフワなベッド。まっ、まだ私の寝室と比べない程度が、もう十分ぜいたくだよ。

 

 私とメアリーがメードたちにパジャマを着替えられた。

 「君たち、もう下がってもいいよ」

 「はい、わかりました。では、私たちは部屋の外で、お姫様とお嬢様がなにが用があったら、すぐ伺います」

 王族と貴族のルールで、夜になにがある時、すぐ伺えるため、使用人は交代式で部屋の外で待機が必要。

 「あっ… リリス、君が今日つかれそうよね。今夜は公爵邸のメードたちに任せて、ゆっくり休んでもいいよ」

 「しかし、ミリア様が何か用がある際に、私はいないと…」

 「大丈夫、この屋敷のメードたちがいるし、さらに、明日リリスも早起きでしょう。これはわたくしの命令よ、メ・イ・レ・イ」

 「はい、わかりました。ありがとうございます。では、失礼いたします」


 では、邪魔のももうない。これからは私とメアリーのシスターズタイムよ。

 「ねね、メアリー」

 「なに、ミリア様」

 「様でいらないよ、ふつうでミリアもいいよ…」

 「はい、ミリア」

 

 「久しぶり!メアリー」

 私はメアリーを抱きしめる。

 「なんで!3か月間一度も王都に戻らないの!わたくしはさびしいよ」

 

 涙はもう我慢できない。泣いてくる。

 「なんで… なんで… 一人ぼっち… いや…」

 「ミリア、泣かないで、もう大丈夫よ…」

 メアリーの手が私の頭を撫でて、慰める。

 「じゃ、ずっと一緒よ… 約束よ!」

 「うん、約束よ」

 元々、私はメアリーより6か月年上。しかし、メアリーは私より、もっと姉らしい。王宮で一緒の時の、メアリーがずっと私を甘えて。ですから、メアリーがいない3か月の時間、寂しかったよ。

 

 「じゃ、膝枕ほしい」

 「ミリアたら、仕方ではないね…」

 メアリーの膝の上枕にして、メアリーのサファイア如く蒼い髪が私の目の前にサラサラにして、その神の隙間の中に、真っ黒な瞳がピカピカをする。まっ、眩しい。この角度からメアリーを見るのは、神様からさずけるわたくしの特権だよ。


 「ね、ミリア、『教団』は何かしら?」

 (教団!なんでメアリーがこの言葉をしているの?まさか先日執務室でお父様が言ったアレのこと?)

 「メアリー、この言葉、どこから聞いたのかしら?」

 「実は、先日、お母様の部屋の外に通って、部屋の中に、おじいさまとお母様が『教団からの支配』かと『聖女の覚醒』かを少しい聞いたが…」

 「えい、『教団』と『聖女』か、実は、昨日わたくしはお父様の執務室の外も『教団』という言葉が聞いた…」

 「ね、メアリー、このことはわたくし以外に誰かに話したのかしら?」

 「いいえ、ミリア以外に誰でも…」

 「それでいいよ。いいか、このことは、私たちの秘密で、誰にも話さないよ」

 「うん、わかった」


 「そいえば、メアリー、明日は私たち一緒に祈りの儀式に行くの?」

 「えいい!それは、公爵の娘のあたしはむりよ…」

 「でも、またメアリーと離れるのはイヤ… 絶対イヤだよ!」

 目からまた涙を流した。

 「あたしも、ミリアと離れたくないよ…!」

 メアリーの涙が私の頬に落ちる。二人で一緒に泣いて来る。


 「明日、わたくしがお父様にメアリーと一緒に行くことを願うよ。必ず一緒にいくよ…!」

 「うん、あたしもお父様に願う。例え儀式が参加できないかも、一緒に行きたいでもいいよ!」

 「うん、じゃ、そろそろ寝ましょう、昔のように、手を繋いで…」

 「はい!」

 「お休み、メアリー…」

 「お休み、ミリア…」


 傍のメアリーもう寝た。私はあんまり眠気がないわ。「教団」と「聖女」は一体?まず、情報を整理する必要だわ。「教団の支配」は、まさか国以上レベルのこと?この一か月、お父様の忙しいこと。必ずこの「教団」と関係があると思うよ。次に、「聖女の覚醒」で…?

 嫌だよ!情報が極足りないの!もしできれば、すぐあのドジ女神に聞きたい。なんで10才までよ!?例え今、大人たちに聞いたら、絶対に何も教えないよね。じゃ、儀式が終わった後、王都に戻り、図書館で情報を探しましょう。

 あっ、明日はまだ早起き、今や眠気がないでも寝る。明日はメアリーを同行することをお父様に願う。これだけ私は絶対に譲らないわ。早く寝ましょう。

 

 「ここは…」

 目覚めた時、私は真っ暗の洞窟の中にいる。

 「メアリー!目を…」

 傍のメアリーを呼びたい。しかし、傍は誰もいない。

 なんだ、ここは!?水、川の下流みたい、その川でここに?

 「お父様――!お母様――!お兄様――!メアリー――!皆どこなの…!?」

 

 また誰でもいない、私は怖がって、涙がまた溢れた。

 「誰が返事してよ――!わたくし一人ぼっちしないでよ――――!」

 私が泣いている時、洞窟の向こうから何が来るの?犬?違う!狼!イヤ、狼より大きい、これが、噂の魔獣!!!!!!!?

 私がすぐ逃げたい。しかし、両足が痺れみたい、動かない。その時、その魔獣が私に飛び出した。

 「誰が助けて―――!!!!!!!!!!!!」


 「ミリア!ミリア!大丈夫の!?」

 目が開いたら、メアリーが心配そうな顔で私を呼び。

 「メ… メアリー?ここは?」

 メアリーの寝室に戻ったらしい。

 「ミリア!大丈夫かしら?先から大声で…」

 ゆ… 夢かしら!?

 「すみません、メアリー。ちょっと悪い夢を見た。心配かけて、ごめんね」

 「悪い夢か、あぁ、ビックリしたよ…」

 

 窓の外から、太陽の光が届いた。もう朝か。あっ、今日は大事なことがある。早起きしなければ…

 「外は誰かいますかしら?」

 私は外のメードたちを呼びかける。

 「はい、ミリア様。リリスがいます。今入りますよ」

 リリスと屋敷のメードたちが入った。

 

 「ミリア様、先の大声で、何がありますでしょうか?」

 「ただの悪い夢、もう大丈夫ですわ」

 「それは良かった。ところで、ミリア様、今日は結構早いですね」

 「あぁ、今日は大事なことをお父様に願うわ。着替え、お願いしますよ…」


 すべての準備が終わって、私は屋敷の客間に、お父様を待つ。10分ぐらいで、お父様とお母様が出た。

 「オー、ミリアちゃん、今日は結構早いね。最新記録よ」

 「お父様、わたくしは大事な願いがありますよ!」

 「何?話して…」

 「今日はメアリーと同行させていただきたいですの!」

 「それは…」

 お父様が側のハシュル公爵を見た。

 「それはできない。他人に迷惑かけないで、ミリア!」

 

 やはりダメなの?イヤ、ここで負けてたまるかしら?これだけ、絶対に譲らないわ。そう思う時、お母様がお父様の耳の傍に、こっそりで何が話した。

 「あぁ、そっか… ミリア、もし、メアリーちゃんと同行したいなら、願い相手は私ではない!」

 あっ… そうよね。ご令嬢を同行したいなら、公爵に許可取らないと… 私はハシュル公爵に向かって、礼を示した。

 「大変すみませんでしたわ。ハシュル公爵様に失礼しましたわ。改めてお願いします。今日はメアリー公爵家のご令嬢と一緒に同行させていただきませんでしょうか?」

 

 アィンク叔父様がメアリーを見る。

 「メアリーはどう思いますか?」

 「あたし、ミリア様と同行したいですの!」

 「そうですか…」

 

 叔父様が私を向かって、礼を出す。

 「お姫様のご招待、大変光栄です。娘を同行させていただきたいでございます。」

 「ありがとうございます!公爵さ… じゃなくて、アィンク叔父様!メアリー!許可が得たよ!今日から一緒に行きますよ。絶対にはなれないですわ!」

 「うん、絶対によ…!」

 私はメアリーの手を繋いで、話した。傍のお兄様と大人たちが笑顔を出した。この時、おじいさまが来た。

 「アレ、わしが何かをみのがしたか?」

 「あら、お父様、本当にいいこと見逃しましたね」

 「そういえば、私とメアリーが国王様と同行しますよ、お父様はどうかしら?」

 「わし、わしはな… 儀式にあんまり興味ない。です、可愛い孫たちと一緒なら、悪くねぇな!あっそうだ。ミリアちゃん、狩りの時、わしの腕を見せろう。アハハ」

 「へいい!おじいさま、強いですの?」

 「それはもちろん、楽しんでくれ!」

 「はい!では出発しますよ。ねね、メアリーはわたくしと同じ馬車を乗るよ…」

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