第8話 少女たちの初陣

 ボスの部屋に入る。ここは意外に広いね。でも、また魔力を感じられない。このような状況は初めてよ。一体なぜなの?

 「ドンー」という音が後ろから聞こえ出来た。振り返って後ろに見る。開けたままドアが閉じられる。向こう側から「ドン―、ドン―」の走る音が聞こえる。

 「二人とも、気を付けて!ボスがくるよ!」

 

 三人が戦闘の構えを備える。この時、音の持ち主の姿が目の前に現した。3メートル以上の高さ、そして緑色な岩石の体の巨人だ!それは、ゴーレム!

 「エスラル!これはゴーレムよね。これほどに高いなんて、本当に倒せるの?」

 ルーナの声が震えている。そうよね、いきなりこんな高いゴーレムを見ると、誰でも怯えるよね。

 「ルーナ!安心して、ゴーレムは動き遅いモンスターだ。距離を守れば、安全だよ!フェインさん、相手は風属性と地属性を持ち、あなたの魔法なら大きいダメージを与えるよ。任せるよ!」

 「任せるよ!スリーショットファイアアロー!」

 三本の火矢ひやが物凄いスピードでゴーレムに飛び出した。「ダン―」と命中した。さすがフェインさん、ただ数日で、魔法の連射も使える。

 

 「待てよ!あいつは、ダメージがなさそうよ!またこっちに来るよ!」

 ゴーレムがルーナの言うように、またここに近づいて来る。

 「フェインさん、距離を守る!攻撃魔法を続けてお願い!ルーナ、敵は一人だけ、あなたも一緒に攻撃をお願い!わたくしがゴーレムの足を止める!」

 「わかった!エステル、気を付けて!シャドーアロー!」

 影の矢が敵の面に飛び出した。当たる瞬間、敵の目が影で覆われた。私は剣を抜き、敵の前に突進した。

 「一閃!」

 敵の足を切る。しかし、またダメージを与えないようだ。


 嘘よね。いくら魔力と属性が5パーセントまでに減らしても、こんな弱いモンスターにダメージをあたえないのはおかしいよ。

 そう考える時。ゴーレムが拳で、私に撃った。

 「ダン―」と剣で敵の攻撃を止まった。この力は弱い!やはり強いモンスターではないよね。でもよ、どうしてダメージを与えないの?もしかすると、弱点があるの?あぁ… 弱点探すのは苦手いよ!通常では、火力を上がって、一撃で消える。魔力マジックロックを解除するの?でもよ、彼女たちにとって、せっかくのチャンスなのに… そして、化け物みたいな正体が知らせると… 一応、彼女たちに任せよう!

 

 「スリーショットファイアアロー!」

 「シャドーアロー!」

 炎と影の矢がゴーレムに次々と撃つ。私は敵の周り近接攻撃で足を止める。

 「また倒せないの?もう何度も攻撃したのに…」

 フェインさんはもう限界なの?やはり…

 

 「フェインさん。ゴーレムが次の攻撃の構えを出す時。左の肩にいる光る場所を狙ってお願い」

 「えいい!どうして?」

 「あのゴーレムが、エステルを攻撃する前に、あの場所が光っている。弱点かもね」

 「わかった。それじゃ、次の光る時、全力で撃つ!」

 

 ルーナの洞察力は高いよね。私は近いのに、何も気づかなかった… まぁ、それなら、今回、芝居の価値があるよね。

 ゴーレムがまた私に狙い来る。それじゃ、今回は横に避ける。後は二人に任せよう! 


 「ファイブショットファイアアロー!!」

 フェインさんが魔力を人差し指に集中する。五本の火矢ひやがゴーレムの左肩に狙い出す。「ダンー…」と全部命中した。ゴーレムの動きが止まった。

 「やったー!さすがフェインさんの攻撃だよ!」

 「いええ!ルーナさんが敵の弱点を見つけるおかげでよ!」

 

 二人が嬉しい顔で笑っている。彼女たちは私の想像より、物早くに成長した。このままに練習すると、絶対に一流の魔法使いになれるよ。そして、ルーナが私にも持たない鋭い洞察力を持つ。パーティーの頭脳になる素質だよ!もうドキドキするよ!

 剣を収める。二人にいる場所へ向かう。

 「お二人さん、よくやったね!わたくしがビックリしたよ!」

 「エスラルさんが敵の足を止めるおかげでよ。さもないと、弱点を見つける前に、もうやられるかも…」

 「そうよ!エステルが凄いよ!あんな距離で戦う、怪我一つもしなかったよね!さすが武家の令嬢よね!」

 

 ルーナさんの言うことは、私の仮の身分。マーレ辺境伯家は代々辺境を守り、剣の達人も輩出している貴族である。魔法剣士の私にとって、この身分はちょうどいいかもね。

 これで、初めのダンジョンはここまでよね。もう十分な結果が出るよ。そろそろ帰りましょう!

 「それじゃ、お二人さん。帰りましょう!」


 下がる階段の隣に、帰還用の魔法陣がある。昔、このダンジョンを探索する冒険者たちが残したものである。使えると、すぐ入口に戻れる。結構便利なものだ。

 でもよ、どうしてこの段階から、魔力を感じられないの?後でシャローナ先生に聞きましょう。そういえば、帰還の魔法陣は?

 

 「帰還の魔法陣がない?」

 「あわわ!それじゃ、私たちは元の道に沿って帰るしかないの!!もう疲れたよ!!」

 「ルーナ。今はそうするしかないよ!」

 

 ドアを開けて、元の道で帰ると思うが。ドアがまた開けられない。そして、急に膨大な魔力を感じる。

 「二人とも!気を付ける!何が来るよ!!」

 地面に見たことのない魔法陣が現れた。その中から、モンスターが召喚された!その姿は、黒曜石のような黒い鎧を纏い、手に大剣を持つ。そして、その中身は… アンデッド!!これが噂のデスナイトなの!?

 「あっ、あれは何よ!」

 隣のルーナを見る。彼女の体が震えっている。彼女はもう戦わないよ。早く脱出ないと…

 「エスラルさん!またモンスターが次々と現した!!」

 フェインさんの悲鳴を聞き、向こうに見る。何、鎧を纏うスケルトンが次々と召喚された。あっという間、部屋にスケルトンで充ちっている。これで、どうしょう!聖属性を開放すると、ターンアンデッドで敵を一気に浄化できるが。そうすると、化け物みたいな正体が彼女たちに知らせるなら、また一人ぼっちになる… それだけは…

 

 「エスラルさん!危ない!!」

 私は躊躇ためらうっている時に、数体のスケルトンが私に飛び出した。気づいた時、敵は既に目の前に来た。全身が動かなくなる。これが… 恐怖なの!?

 

 「ウィンドフィールドオール!!」

 風が敵を外に吹き出した。これは… ルーナの防御魔法! 傍にいるルーナは全身が震えているが。恐怖を耐え、魔法を維持している。

 「今は迷う時じゃないよ!エステルが冷静を失うなら、私たちはどうしょう!早く冷静を戻るよ!!」

 「そうよ!早く戦い方を教えてよ!三人が一緒なら、絶対に勝てるよ!」

 フェインさんが私を励ます時に、額に汗をかいている。

 

 二人の姿を見る。彼女たち感じた恐怖は私よりずっと大きいよ!でもよ、彼女たちはまた希望を失わず、戦っている。逆に自分を見る。こんなささいなことに怯えるなんて、何と無様な姿よ!そうよ!フェインさんの言う通りよ。三人一緒なら、勝ち目があるよ!たとえ力を解除しないとね!


 「ルーナ、フェインさん。ごめんね!私はもう大丈夫よ!そして、ありがとう!これからは反撃の時間よ!」

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