第6話 パーティー結成

 インカンタートル魔法学園に近く、貴族の生徒たちに住む貴族寮。

 「エステル様、制服と教科書などのものが届きました」

 「やっと来たの?それじゃ、早く制服を試着しましょう!」

 白色のシャツと深い青色のコート、そして水色のスカート。襟はどうしょう?

 「ワァイス、先日買ったあのリボンちょうだい」

 それは先日、ルーナに王都を案内される時に買った。うん、水色のリボンを蝶結びして… ようし、美少女だよ~ 

 

 こっちは教科書なの?基本のものばっかり。そして、学園特別ステータスカード?属性は絶対見えたくないが。スキルと基本能力を確認したいよ。じゃ、やってみましょう!

 「名前:エステル・フォン・マーレ 番号:790-002

  力 80 魔力 500 素早さ260 防御力120 魔法防御力500」

 と映る。

 このような数値なの?他の人の数値がわからないうえ、自分の強さを判断できないね。でもよ、今は魔力マジックロックを使っているもの。つまり魔力と魔法防御力も10000よね… 早く平均値を知りたいよ!!


 「エステル様、クオーレ公爵家から誕生日パーティーの招待状が届きました」

 「クオーレ…で、あの首席のルシャリーさんなの?」

 「はい、そうです。ルオーレ公爵の長女です」

 「わかった、ここはもう大丈夫よ。ワァイスが休んでもいいよ」

 

 招待状を見る。誕生日パーティーは一ヶ月後。社交界のこと、あんまり興味ない。しかし、今の身分は伯爵令嬢、さらに、ルシャリーさんの祖母は六英雄の一人、現任大神官のレオーナ・シャルディさんだ。国王のリチャードさんも行くかも… こういう場合、行くしかないよね。

 早く学園が始まりたいよ!!


 ――――――――――

 「これでは、魔法の組合いの原理だ…」

 つまらない!全部知ってた知識だ。これでもランクSのクラスなの… つまらない日々よね。

 「ちなみに、みんなが自由にパーティー組んでください。来週から実技の授業を行う。では、今日はここまで…」

 ないそれ?パーティー?実技?面白いよね!やっと面白い授業が出来たよ!


 先生が出ている。クラスのみんながすぐパーティーのことを話し合う。ルシャリーさんとプラティリーアさんというエルフの女の子は結構人気なので、すでに数人が集まる。それじゃ、私もそろそろルーナと相談しましょう。

 そう考えい時、私の周りも数人の男子生徒が集まっている。

 「エステルさん、良かったら、私たちのパーティーに入らないか?」

 なんで私までを誘うの?そして、私にとって、あんたらはただの足纏だよ。

 「誘ってありがとうございます。失礼いたしました。わたくし、すでにパーティーを決めました。それでは、ごきげんよろしゅう」


 男子生徒らを振り払って、ルーナの傍の席に座る。

 「エステル、モテルね」

 「冗談は辞めてよ!彼らは入試二位の力を狙うよ!男なら、ルシャリーさんとプラティリーアさんのようなタイプが好きでしょう?」

 「エステルは本当に自覚がないね」


 「そう言えば、パーティーのこと。どう思う?」

 「私はエステルと一緒のこと、既に決まるよね。でもよ、他のメンバーはどうしょうかな?」

 「しかし、始まるからただ一週間なのに、クラスメイトのこと、全然知らないよ…」

 「パーティーの結成は三人以上の条件があるので、もう一人探しましょう!」

 「そうよね、そうそう食事の時間よ、食堂で考えましょう」


 この時間の食堂は既に混雑している。学園構内では、貴族の特権を一切認めず。席を探すのは大変よ… でもよ、さすがルーナ。あっという間に、席を見つけた。


 「ごちそうさま…」

 「ね、ルーナ。食べ物の好き嫌いはダメよ!」

 ルーナの皿に、ニンジンが全部残ってる。

 「エステル、そのピーマンは何のために残ってるよ!?最後の楽しみなの?」

 「わたくしはただ… この世にピーマンが好き人いないわ!」

 二人が互いに相手に見合う。笑って来る。


 「パーティーメンバーはどうしょう… はぁ…」

 彼女は席に打ち伏せて、ため息をつく。

 「確かに、ルーナは防御系魔法専攻よね」

 「そうよ、エステルは普通の後衛魔法使いよね、前衛が魔法剣士などのメンバーがないとダメよ」

 「いいえ、わたくしは魔法剣士よ」

 「えいい!!ビックリ!!エステルの剣が一度も見なかったよ!」

 「ごめん… 言い忘れちゃった。剣は普段、収納魔法の中に収めるよ」

 「そうかしら、ずっと魔法使いとおもうよ!それじゃ…!」

 

 彼女がいきなり立ち上がり、手でテーブルにつく。

 「いっ、いきなりなによ、ルーナ!」

 「エステル!あの子はどう?あの恥ずかしがり屋の子!」

 「あのフェインさんなの?彼女なら、いいと思うよ。でも、彼女はどう思うの?」

 「じゃ、早く彼女に聞きましょうよ!」


 今日の午後は授業がない。彼女はいつも図書館に自習する。私たちは図書館に入り、彼女を探している。

 「フェインさんはどこなの?」

 「シーッ!声が大きいよ!また先生に叱られたいの?」

 実は、先日ルーナと付き合い、ここで防御魔法の本が探す時。彼女の声が大きすぎで、一緒に先生に叱られた。


 「ごめん、ごめん。でも、フェインさんはどこなの?」

 「ドン」と音は後ろから聞こえ出来た。

 「誰が倒したよ、本棚のあっちよ!」

 すぐあっちに向かう。フェインさんが踏み台から落ち、床に倒れる。


 「フェインさん、大丈夫ですか?」

 「はっ、大丈夫です。足元に不注意なので、転んでしまいました」

 「それでは、この辺で一休みましょう」

 彼女を助け起こした。外のチェアに座る。


 「あの、また助けられました。本当にありがとうございます!」

 「気にしないでください。このような場合、誰でも助けるよ」

 「そうよ、エステルの言う通り、無事でよかったね」


 「うふふ、お二人、仲良しですね」

 フェインさんの笑い顔が初めて見た。天使の笑顔のように。

 「実は、わたくしたちは、フェインさんにお願いがあります」

 「えいい?私に… 何かできることがあるなら、必ず手伝います」

 「それは、パーティーのことですが。恐れ入りますが、わたくしたちのパーティーに、参加してもらえませんでしょうか?」

 

 彼女は話を聞き後、何も話さなかった。うつむいて床を見る。

 彼女のこのような反応を見る。私たちは慌てった。

 「あわわ!フェインさん大丈夫なの?」

 「そうですよ、いらなくでも大丈夫ですよ!」


 「もし、もしこのような私が良ければ、エスラルさんとルーナさんのパーティーに参加させたいです!」

 彼女にビックリされたよ。その反応は、はっきりと嫌われると思ったよ。

 私は立ち上がる。彼女に手を伸ばす。

 「わたくしたちのパーティー、ようこそ!」

 彼女は面を上げる。前髪の中に見え隠れする目が光っている。私の手を繋ぎ、立ち上がる。

 「ありがとうございます。そして、よろしくお願いします!」

 「こちらこそ、よろしくお願いします」

 傍にいるルーナも手を上に置く。

 「エステルずるいよ。私だけ外すなんで…」

 「ごめんね、ルーナ。では改めて、ルーナ、フェインさん、わたくしたちのパーティーを結成しましたよ!これからよろしくお願いしますね!」

 

 これで、私たちのパーティーはやっとできた。これからパーティーでどんな楽しいことを待っているかと考えると、わくわくするよ!

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