第11話 覚悟

 翌日の朝、私はお父様の執務室に行った。

 「トン・トン」

 「入って…」

 「失礼します、お父様」

 

 お父様が机の後ろに座って、隣にお兄様と叔父様が立っている。

 「ごきげんよう、お兄様、叔父様」

 「ミリア、体はもう大丈夫ですか」

 お兄様が心配で聞いた。

 「はい、もう大丈夫ですよ。お兄様」

 

 私は真剣な顔を出した。

 「お父様、昨日が話したいことは、実は…」

 「イヤ、その前に、私は聞きたいことがある」

 お父様が私の話をさえぎる。


 「単刀直入に聞き、ミリア、あなた、図書室の隠れ部屋に入ったよね」

 やはり、その治癒魔法を見れば、すぐわかるよね。

 「はい、許可がないうちに入った。申し訳ございません。」

 「イヤ、責めつもりはない。安心して… あなたはどこまでに知っているかを教えるか」

 「はい、エクスシア教の『聖女』のこと。そして、『魔法』のこと。さらに、測定アイテムで、わたくしが聖属性以外の適性がないこと…」

 「何だと、すなわち、あなたは『聖女』そのもの…」

 「はい、私はエクスシア教の『聖女』です。その後、治癒魔法の本を読んで、魔法を練習していました」

 「それは… いつからのこと?」

 「5年前に、狩場から帰った時からです」


 お父様が立ち上がって、歩いて私の前に来て、顔を触れる。

 「すみません。ミリアちゃん、ずっと、一人がこんな重いことを背負ったなんで… 私は父として、失格だ!こんなこと、怖いよね」

 今まで耐えっている気持ちがついに我慢できなくなる。泣き出した。

 「わんわん!!!怖いよ!!!本当に怖いよ!!!お父様ぁぁ!!」

 お父様が私を抱きしめた。

 「すみません!ミリアにこんなことを…!私はダメな父だ!」

 ……

 

 「本来、これからの話は、10才しかないあなたに教えられない。しかし、当事者として、ミリアが分かる権利があると判断した。では、アィンク、説明をお願い」

 「はい、陛下。ミリア様は治癒魔法を使えること。既に情報を封鎖した。もし帝国の耳に入ったら。必ずミリア様を人質として、強要する。そして、エクスシア教の拠点としてのエスシリア聖王国が「聖女」のことを知っていれば、必ず帝国に戦争を挑むこと。その時、我がインスシュレター王国が、戦争の最前線になる」

 

 確かに、叔父様のいい通りよ。私は「聖女」として、価値が重すぎ。決してこの国が戦場にならない。

 「叔父様、戦争を避ける方法がありますでしょうか?」

 「はい、しかし…」

 

 「大丈夫。ミリアに教えて、最後の決定は、彼女次第だ」

 「はい、わかりました。では、その方法は、帝国が『聖女』のことを知る前に、ミリア様を聖王国に送って、安全を確保します」

 

 何よ!?私を聖王国に?皆と離れること!それは嫌よ!でも、もしここが戦場になると… やはり…

 「わかりました。お父様、わたくし、聖王国に行きますよ!」

 「それは無理よ!お父様、ミリア一人で聖王国に行くなんて…!」

 傍に立ったままのお兄様が急に慌てる。

 「落ち着け!エクセル、何だ、その無様な様子!」

 

 「ミリア、あなたの安全のため、確かにこれはいい選択。しかし、ただ10才のあなたにとって、辛い過ぎ…」

 「いいえ、お父様。わたくしはこの道を選んだ理由は、安全のためではないよ。いつかの未来に、帝国を倒し、イングレイズ教を追放するためですよ。もし帝国がわたくしを人質にすれば、お父様とお兄様が帝国に制約し、この国の未来がありません!」

 「なんと…!ミリア、あなたはもうそこまでに考えてっるか…!」

 お父様の顔が驚きい表情を出た。

 「ですから、わたくしは聖王国に行きますよ!それは逃げるではない、未来の勝のためです!それは、わたくし、ミリア・エリシス・インスシュレター、この国の王女としての覚悟です!!」

 

 お父様とお兄様が驚きされた。確かに、10才の私はこれほどの考えるなんで。誰でも想像できないよね。

 この時、傍に立つ叔父様が私に向かって、ひざまずいた。

 「叔父様!これが一体…?」

 「私、アィンク・セルティ・ハシュルは、ここでこの国の民たちを代わって、ミリア様に敬意を…」

 「叔父様!早く上がってくださいよ…!」

 

 「アィンク、聖王国に連絡のこと、頼んだぞ!」

 「陛下、任せてください。このアィンク、命に代えても、この任務を成功します!では、失礼します」

 「待ってください。叔父様」

 急に何かを思い出した。叔父様に声を出した。

 「なにがありますか?ミリア様」

 「今日のこと、メアリーに知らせないでお願いします!」

 「何をおしゃいますか。ミリア様とメアリーは…?」

 「えいい、メアリーはわたくしの大事な友達ですよ。ですから、メアリーは危ない目に遭いたくないです!そして、別れは辛いよ!」

 「ミリア様… わかりました。再びミリア様に感謝します。では、失礼します」

 叔父様が部屋から出た。残るは三人しかない。

 

 「ミリア、あなたのような娘を育ちは私の光栄だ。私は必ず、帝国とイングレイズ教をこの国から追放する!」

 「お父様がきっとできますよ。わたくしも、立派な聖女になり、役に立ちますよ」

 

 「私… 私のせいで! 全部私のせいで!」

 隣のお兄様が突然、大声で叫んだ。

 「エクセル、落ち着け!すべてのものがここのことを知りたいか!?」

 お父様がお兄様を叱った。

 「そうですよ。お兄様、落ち着いてください。一体、何かお兄様のせいなの、わかりませんよ」

 

 お兄様が少し冷静を戻した。

 「あの日だ… 5年前、儀式の前の夜、私がミリアに帝国とイングレイズ教のことを話したせいだ!もし何も話さないなら、ミリアが一人でこんなことを背負うことがない!だから、私のせいだ!」

 

 そうよね、確かに、お兄様の言った通り、あの日から、私の運命が大きく変わった。しかし、それは私自身選んだ道。いいえ、王女として、選ぶべき道だ。

 「お兄様のせいではないよ!いかにあの日が何も知らせなかった、わたくしも別方法で真実を探します。そして、もしあの日、お兄様に教えられなかったら、知らないうちに、聖女の力を暴走したら、すでに帝国に人質として、軟禁したかもしれませんよ。そして、あの約束、また覚えますよね?」

 「あっ、当たり前だ。必ず、帝国を倒す!イングレイズ教を追放する!」

 「そう、ここで、わたくしも約束しますよ。必ず、立派な聖女になります、お父様、お兄様と共に、イングレイズ教を追放します!!」

 お父様が私とお兄様を抱きしめる。

 「さすか私の子だ。あなたたちは私の… イヤ、この国の誇りだ!」


 ――――――――――

 その日の夜、私はお母様の寝室に来る。

 「お母様。申し訳ございません。お母様と話しないうちに、聖王国に行くことを決めました…」

 お母様は何も言いなかった。瞳から涙を溢れて、私を抱きしめた。

 「お母様ぁぁ!!!わんわん!!」

 もう感情を抑えられない。大きい声で泣き出した。

 

 「ね… お母様、わたくしは聖王国に行くこと、本当に正しいの?」

 「私もわかりませんよ。母として、決して娘と別れたくないです。しかし、この国の王妃として、国の未来のため、いくらどんな苦しいでも、耐えらなければなりませんよ。これは王族の女性としての覚悟ですよ。ミリアもそうでしょう?」

 「うん、わたくしもこの国の王女としての覚悟がありますよ!」

 「そう、それこそ、私の娘ですね」

 お母様と二人一緒に笑い出した。

 

 「ね、お母様、今日は一緒に寝たいよ…」

 「いいよ、ミリアは母さんと一緒に寝ます…」

 「お母様、大好き…!」

 

 その夜、私は5年ぶりに、何も隠れず、何も考えず、穏やかに眠れる。

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